Trekking【日本百名山】
白馬三山2013/08/17-19
長野県北安曇郡白馬村/富山県黒部市/下新川郡朝日町 [2932m]所要時間:16時間38分
四度目の正直なるか!?GPSログ記録はこちら(別窓)


1日目 8/17(土) 【 猿倉 → 白馬大雪渓 → 天狗山荘 】
2日目 8/18(日) 【 天狗山荘 → 白馬鑓ヶ岳 → 杓子岳 → 白馬岳頂上宿舎 】
3日目 8/19(月) 【 白馬岳頂上宿舎 → 白馬岳 → 栂池 】


★ 2日目 8/18(日) 【 天狗山荘 → 白馬鑓ヶ岳 → 杓子岳 → 白馬岳頂上宿舎 】

2日目の朝は、早くから撤収準備に入った方々の声で目が覚めました。

夜明けのテント場

皆さん今日は長丁場らしく気合い十分。テキパキと作業を進めていきます。
一方自分はと言うと、今日の目標は「白馬岳頂上宿舎にテントを張る」こと。すなわち、ここから昨日のルートを頂上宿舎に戻るだけの超・楽勝な行程です。
急ぐ理由がないのでまったりと朝食を食べました。

なお、のんびりしているのにはもう一つ理由があります。
今回の山旅で楽しみにしていたイベントの一つが、このテント場で「テントの中から」ご来光を見るということだったからです。

北アにテント場は数あれど、テントの中に座ったまま地平線から昇る朝日を見られるテント場はごく限られています。
せっかくだからここは晴れてほしい、そう思いながらご来光の瞬間を待ちました。そして…

天狗山荘テント場でご来光を

キタ――(゚∀゚)――!!

やった! 夏シーズン7度目の山の朝にして、ついにきれいなご来光を見ることができました。
(アングルが良くなかったので結局テントから出てますがw 前のステラリッジが自分のテントです)

天狗山荘・テント場からご来光を臨む
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この白馬鑓にかかっているガスがこっちに流れてこないか心配してたんですけど、スッキリ晴れてくれて大満足。
やっぱり山の朝はこうでないとね!
これでようやく今年の夏山が始まったな…という気がしたのでした。



■白馬二山にするか…?

こうしてさいさき良く始まった2日目ですが、テントが乾いてから出発するか… とのんびりしていたら、ガスってしまいました。

ガスった…

仕方なくテントをたたんで出発(7:22) まずは白馬鑓ヶ岳を目指します。

一瞬の晴れ間

今日は天気が悪いわけではなく、ちょうど稜線にガス(雲)が被っているだけなので、雲が流れれば青空が広がります。
なので山頂では晴れを期待したのですが…

白馬鑓ヶ岳

そこは残念ながら真っ白な世界(8:12)

しばらく待ってみるも雲は途切れず、寒いだけなので寂しく山頂を後にしました。
次は杓子岳へ。

杓子沢のコルへ

白馬鑓から杓子へは、まず中間の杓子沢のコルまで標高差200mほどの下りがあります。
今日は落ちていくだけなので楽ですけど、昨日はこの登りが結構効いたものです。

そんな道中では今日も雷鳥と遭遇。
他の登山者から「かわいいですよね〜!」なんて言われたりして、社交辞令的に同意はしておきましたが、もはやガスを呼ぶ鳥にしか見えません(笑)
不吉な予感にさいなまれました。

杓子岳へ

そして杓子沢のコルから見上げた杓子岳は、雷鳥様のおかげでばっちりガスっております。
お〜い、自粛してくれ〜!(^-^;

ううん、これじゃ登りたくないなあ…
自分はピークハンターじゃなく、山に登るのは景色が見たいからなので、展望のない山頂には興味がありません。
100mほど登ればいいだけなので登るのは簡単ですけど、スルーして先に進もうかと思いました。

でも、ここで杓子を飛ばすと、この登山記の見出しが「白馬二山」になってしまうのが困りもの。
3日間も滞在するのに白馬二山…? これはこれで何か嫌だ(;・∀・)

ということで、仕方なく杓子の山頂も踏んでいくことにします。

杓子岳

白馬岳はもちろんのこと、この杓子岳も典型的な非対称山稜でして、右側(長野側)はスッパリ切れ落ちています。
なので高所恐怖症持ちとしては、この稜線歩きはちょっとビクビクものだったりしました。
道はザレだし、幅も広くありませんしね… 山頂からこちらを見ている登山者がいなかったら、腰が引けて歩くのに一苦労だったかも。

そしてそんな思いでたどり着いた山頂は、当然のようにガスの中でした(9:27)



■下山して、明日は仕事したら?

しかしそんなガスも、杓子を下り終えた頃には徐々に晴れてきました。

白馬岳とテント場
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白馬岳の山頂もはっきりと見えます。このチャンスを逃さずに登りに行きたいところですが、その前にテントを張らなくては。

白馬岳頂上宿舎・テント場

ということでテント場へ(10:36)
まだこんな時間なので、先客さんは4張りだけ。おかげでいいポジションを確保できました。

こんなにダラダラしている登山者は珍しいのか、テント場の管理人さんに今日の行程を話すと「ずいぶんのんびりしてるね〜!」とか「今日下山して明日出社したら?」なんて軽いジャブを食らいます(笑)
まあ、たまにはこんな風に時間にとらわれない登山もいいじゃないですか(^-^)

ちなみに、管理人さんの話だと昨日のテント場は激混みだったそうです。
シーズンの週末ですからね。でも今日は混まないでしょ、ってことで見解は一致して一安心。

白馬岳へ

さて、こうしてテントを張り終えたことで「今日やるべきこと」は終了しました。
あとは寝るまで自由時間! なのでまずは散歩がてらに白馬岳へ向かいます。

頂上宿舎から山頂は意外と遠く、コースタイム35分の道のりですが、道そのものはお気楽お散歩道。

白馬岳・山頂

デカザックから解放された身は足取りも軽く、あっさり山頂にたどり着きました(11:58)

白馬岳山頂から西方面を臨む
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とにかく天気に恵まれなかった今年の北アルプス遠征。
野口五郎岳と立山の山頂はガスの中でしたし、笠ヶ岳の山頂も周りは雲だらけ。
展望を楽しみに山に登っている自分としては、とても不本意な山行を繰り返していました。

それにひきかえ、この白馬岳山頂からの展望…

快晴とはいかず遠方の山々は見えていませんし、東の白馬村も雲海の下に沈んでいます。
でもそれが何だというのでしょう。白馬鑓も、杓子岳も、そして明日向かう小蓮華山もはっきりとその姿を見せてくれています。
これで充分! そう、こういう景色が見たくて山に登っているのです。
ここ一ヶ月の無念がようやく晴らせた気がして、久々に達成感を味わうことができたのでした。

白馬山荘

心行くまで展望を満喫して、テントに戻ります。
その道中ではこの「スカイプラザ白馬」を通りますので、ついでに昼食も食べていくことにしました。

スカイプラザ白馬

まさにお昼時(12:22)ですが日曜日だからなのか人影は少なく、窓際の席をゲット。
頼んだのは牛丼とアイスココアという微妙な組み合わせです(^-^;
でもこのココアの糖分が疲れた身体には効くのでした。



■山にいるということ

この後はテント場に戻り、灼熱のテントの中でしばらく昼寝。
真夏のステラリッジの中は非常に暑く、以前は昼間っからテントの中で寝ている人を見るたびに「よくあの中で寝られるな…」と思っていたわけですが、最近は自分も寝られるようになりました。慣れって恐ろしい。

一日の終わり

そして気づくともう夕暮れの時間に。
稜線に出てみると、今まさに日が沈まんとしているところでした。

丸山へ

今からまた白馬岳の山頂に登るのは大変なので、5分ほど南に下ったところにある丸山で日没を見ることにします。

白馬鑓・杓子
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丸山から見る、夕日に染まる白馬鑓と杓子岳。
朝は何だったのかと思うほどバッチリ晴れています(^-^;
まあ、いつかまたあそこを通る日を楽しみにしておきましょう。

太陽を見送って

やがて、太陽はゆっくりとその姿を消していきました。

周りはこの光景を写真に・脳裏に納めようと集まった登山者でいっぱい。
皆さん満足されたようで何よりでした(^-^)

白馬岳頂上宿舎から西方面を臨む
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日没直後の丸山からのパノラマ。
この日は風も穏やかで過ごしやすく、しばらくここで景色を眺めていました。

こんなに落ち着いた気持ちで日没を迎えたのは、三年前の白馬大池以来かな…?
テント泊を始めて、今までネガティブなものでしかなかった「山での日没」をのんびり眺められるという機会を得て、実はこの瞬間こそが山にいる時間の中で一番幸せな時間なのかもしれないな、と思うようになりました。
ご来光や昼の大展望のようなわくわくした気持ちとはまた違って、今日はいい一日だったな…とじんわり心が満たされる、そんな時間。
テント泊装備は重くて自分のようなヘタレには厳しいけれど、でもこの景色がその苦労を全て忘れさせてくれるのでした。

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