Trekking【日本百名山】 | |
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立山 | 2013/08/10-11 |
富山県中新川郡立山町芦峅寺 [3015m] | 所要時間:16時間38分 |
雄山は極寒でした… | GPSログ記録はこちら(別窓) |
1日目 8/10(土) 【 室堂 → 雷鳥沢 → 一の越 → 雷鳥沢 】 2日目 8/11(日) 【 雷鳥沢 → 雄山〜富士ノ折立 → 雷鳥沢 → 室堂 】 ★ 2日目 8/11(日) 【 雷鳥沢 → 雄山〜富士ノ折立 → 雷鳥沢 → 室堂 】 2日目は2時前に起床。 テントを出てみると、雲一つない空に数え切れないほどの星が瞬いています。 晴れた星空を見たのはこのシーズン初。 これは、これは遂にきたか!? と期待が高まりますね。 手早く朝食を済ませて、2:22、テント場を出発。 登山道は当然真っ暗ですが、昨日下見したおかげで不安なく歩いていけます。 さすがにこの時間に行動し始める人はいないだろうと思いきや、20分ほど経つと別パーティが追ってくるのが見えました。 また、室堂から一の越への道でもヘッデンの光が揺れています。みんな気合い入ってますね! ---- さて、そんな登山道をゆるゆると登っていくと、少しずつ周囲の状況が変化してきました。 まず、テント場ではほとんど吹いていなかった風が、登るにつれて強くなってきたようです。 また、出発した時は文字通り雲一つない空だったのですが、大日三山の稜線にわずかに雲が出てきました。 どちらもありがたくない兆候ですね。幸いにしてまだ立山に雲はないのですが、時間との勝負になるかも…という雰囲気に。 一の越には、コースタイム(1:30)ぴったりで3:53に到着。 休む間もなく雄山への登りに取りかかります。 この頃になると風は強風の域に達し、レインウェアを羽織っての登山になりました。 そこそこの急登なのにこれで暑くないとは… これまでの夏山で一番寒いかも。 そんな雄山への登りは、技術的に難しくはないんですけど、踏み跡が錯綜していてどこが正規ルートなのか分かりづらいのと、浮き石が多いのがちょっと気を遣うところです。 ここに観光客が大挙して押し寄せるわけですから、よく落石事故が起きるのにもうなずけます。 通行の際はくれぐれもご注意を。 ----- さて、そんな登山道を苦労しながら登っていくと、恐れていた通り雲がいくつか流れてくるではありませんか(;゚Д゚) 振り返ってみると、背後の龍王岳などはもう完全に雲に隠れてしまっています。 おいおい頼むよ! 日の出まであと少しなんだから耐えてよ! と祈るような思いで雄山にたどり着きましたが… だめでしたか…(´;ω;`) 山頂は完全にガスの中。見通しは全くありませんでした。 あの星空ならいけると思ったんだけどな… 一応日の出の時刻(4:50頃)まで待ってみましたけど、明るくなっただけで状況は変わらず。 しかもこの山頂はガスと強風のおかげでやたらと寒く、防寒着にレインウェアまで着て何とか…という状態でした。 他の登山者の方々は参拝ができる時間まで待っているようですが、自分としては展望がない以上、この立山はノーカン(未登頂)扱いなので 寒い中で参拝を待つことはせず、縦走路に進むことにしました。 ■何と言うべきか 消化試合になってしまいますが、今後のためにも予定通り富士ノ折立まで進みましょう。 縦走路に入ると、コースはだいぶ登山道っぽい雰囲気になります。 相変わらず難しいところはないものの、足下がザレで滑りやすいので、運動靴だと少々厳しいかもしれません。 歩いているとたまに雲が切れて展望が広がりますが、それも一瞬のこと。 行程のほとんどはガスの中でした。 大汝山通過、5:14。 この雄山〜大汝山〜富士ノ折立は、下から見た印象に反して、たいした距離ではありません。 何も考えずに歩いていると、あっさり着いてしまって拍子抜けするかも。 富士ノ折立(の肩)通過、5:30。(山頂はスルーしました) 結局、この稜線歩きは最後までガスの中でした。無念です(´・ω・`) 仕方ない、テント場に戻ることにしますか… ということで「大走り」へ。 この大走りは、稜線から直接雷鳥沢に降りられるというテン泊者には便利なコース。 標高差500m以上を一気に下ることになります。 ただ地面はザレだったりガレだったりして、特に上部のザレ場は滑りやすいので慎重に。 また、登りと下りでコースタイムが極端に違うので(山渓のタイムだと下り1:30/登り2:30)、下りはともかく登りに使うとかなり辛いかも… しかしそんな登山道でもやはり登ってくる人はいて、何組目かですれ違ったご夫婦に「稜線の天気はどうでしたか?」と聞かれました。 久々に答えに窮するパターンに遭遇です(;・∀・) どうでしたも何も、稜線がガスっているのはここからでも一目瞭然。 でも、そういう答えを期待しているのでしょうか? 単に間を持たせるためだけの質問だったのかもしれませんが、キツイ登りで疲れている自分自身を少しでも奮い立たせたいのかも…と考えて、「朝はガスってましたけど、青空が見えてきたからこれから晴れそうですよ」と返答しました。 とは言え本音としては、晴れるとしてもせいぜい午後からで、残念だけどあの方々が稜線にいる間は何も見えないだろうな…と考えていたわけです。 急坂を下り終えてテント場へ。 向こうの空もどんよりですし、道ばたでは雷鳥がグェ〜と鳴いていて、もう晴れないのは確定したかのようです。 とっとと撤退しよう… ■風邪を引いたことにしたい! こうして、今シーズン三度目の北アルプス遠征も残念な結果で終了。 肩を落としながらテントをたたみました。 テント場は晴れてるんですけどね… 稜線があれではどうにも。 8:26、早々とテント場を後にします。 天気はともかく、噂通り快適なテント場。 今回はただ寝に来ただけでしたが、次回来る時はもっと時間に余裕があるプランにして、温泉など周辺観光も満喫したいですね。 ----- さて、こうしてトボトボと雷鳥荘への階段を上がっている時のことです。 ここに前回来た時に、テント場から剱御前小舎がとても高く見えることに衝撃を受けたのを思い出し(前回は剱御前小舎を越えていかなければならなかったので)説明用の写真を一枚撮っておくか…と後方を振り返りました。 で、振り返る直前に「あ、ガスってるから剱御前小舎は見えないか」と思ったのですが、実際に振り返ってみると剱御前小舎の雲はなくなっているではありませんか。 え? あ、あれ( ゚д゚ )? と思っているうちに雲はどんどん流れていき… 晴れた━━━━(T▽T)━━━━! 下山したとたんに晴れ。いつものことながらなんという皮肉であろうか… さて、こうなると今日の予定は一気に悩ましくなります。 栃木からここまで来るのにかかる時間や費用を考えれば、今日ここで晴れた立山を見送ると、次に晴れた山頂を踏めるチャンスが来るのは何年後になるか分かりません。 なのでできれば、今からもう一度登り返しに行きたいところです。 しかし、ここから雄山までは約3時間、そこから富士ノ折立まで往復して室堂に行くのも約3時間。 今9時前なので、休憩も含めると室堂に戻るのが16時頃になり、扇沢への最終バスにギリギリ間に合うかどうかというスケジュールになってしまいます。 夏山の展望を満喫しにきたのに、時間に追われて稜線を駆け抜けるのは何か違う気がします。 となると、残された手は明日(月曜日)を有休にしてしまうしかありません。 しかし事前に申請していたならともかく「山に行ったら晴れてたから明日も休んで満喫してきます♪」と思いつきで有休を申請するのは、いくらなんでも社会をなめてる気がします(^-^; ここは一つ風邪を引いたことにしようかとも思いましたが、まずテント場から電話した時点でバレるでしょうし、第一、後日この登山記を書く時点で嘘を自白することになるわけで(笑) …だめか、諦めよう…(´・ω・`) こうして結局、泣く泣く立山を後にすることにしたのでした。 悲しみを埋め合わせるべく、みくりが池温泉ではブルーベリーソフトをゲット。 (ソフトクリームで埋め合わせられるのかw) これがまた美味いのでした(^q^) 登山や観光で一汗かいた後にはお勧めですよ。 室堂に戻ってきたのは9:18。雄山はもう腹立たしいほどに晴れています… しかし強いてケチをつけるとすると、湿度が高いためかちょっと空気が霞んでいますね。 なので「俺が見たいのはもっとクリアな空なんだ!」と必死に自分に言い聞かせながらバス乗り場に向かったのでした(T▽T) ただ、朝方に大走りですれ違ったご夫婦は、きっと今頃あの稜線で、予想外の大展望に胸を躍らせていることと思います。 「これから晴れそうですよ」と言ったのは社交辞令です。でも、実現するならそれに越したことはないわけで、これが今日の登山で唯一の救いになったような気がしました。 次は自分が登っている時に晴れてくれるのを期待しましょう。 さて、後はマッハで扇沢に戻るだけですが、その前に扇沢駅にある掲示板を載せておきます。 7月末にこの周囲だけでも亡くなられた方が二名。他人事と考えずに、行動は慎重にしなければと改めて思うのでした。 クリックで拡大(1072*712) 帰路は当然のように激晴れ。 この黒部ダムなんて、構図はともかく雰囲気だけならPRポスターに載せてもいいんじゃ?と思うくらい、夏!って印象です。 虹も出てますしね… 朝は何だったのだろうか… 扇沢着は11:22でした。こんな時間に帰る人は少ないので道中は快適でした。 また、当然ながら温泉も空いていて、いつもは混み混みで寄る気がしない大町温泉・薬師の湯でものんびり過ごせました。 もう今日はこれで良かったことにしよう!(^-^; こうして、晴れた山頂を見上げながら下山するという珍しい敗退パターンになった今回の立山。 ご来光を見ようと思わずに行動をあと4時間遅らせていれば、何の後悔もなく登山を満喫できただろうな…と思うと、戦略ミスが悔やまれます。 とはいえ、それも結果論。早出しないでいて早朝しか晴れなかったらそれはそれで泣きますし、まあ運がなかったということでしょう。 ちなみにこの日から北アルプスは連日好天が続くことになったのですから皮肉なものです。 職場でピーカンの空を見上げては歯ぎしりする日々(笑) こうなったら次の週末もまた行くしかないですね。頼むからそれまで晴れていてくれ! |
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