Trekking【日本百名山】
薬師岳2012/07/23-24
富山県富山市 [2926m]所要時間:12時間41分
雲ノ平は夢幻のごとくなりGPSログ記録はこちら(別窓)


1日目 7/23(月) 【 折立 → 薬師峠 】
2日目 7/24(火) 【 薬師峠 → 薬師岳 → 薬師峠 → 折立 】


★ 2日目 7/24(火) 【 薬師峠 → 薬師岳 → 薬師峠 → 折立 】

運命の夜が明けました。

薬師峠テント場

どよ〜ん…

予想通りの空模様です。まあ、仕方ないか…

テント場の空気も心なしかよどんでいます。
面白いもので、天気が良い時と悪い時とではテント場の活気が明らかに違うんですよね。
もう4時過ぎなので、いつもなら出発準備でかまびすしくなるものですが
今日はまだテントの中でダラダラしている人が多いようでした。

さて、この空を見て、今日は下山して長野の宿に泊まることが決定したわけですが
そうは言ってもただ下りるのでは芸がありません。
そこで、朝の散歩がてらに薬師岳に登ってみることにしました。
山頂まで往復するのに4時間半。それから下山しても明るいうちに下りられるでしょう。
もしかしたら上の方は晴れているかもしれませんしね!

ということで、4:21、サブザックでテント場を出発。

薬師平へ

テント場からは沢沿いに登山道がつけられています。
この最初の区間、いきなりの急登な上に、沢なので大きい岩が多くて登るのが大変。

上の写真は上部に来てから撮ったものですけど、足下の悪さは伝わるかと思います。
なお、雪が多く残っている時は登山道が分かりにくいようなので、その意味でも要注意。
左手の雪渓の方がゆるやかに見えますがこれは罠です。登山道は右手へ。

薬師平

急登を越えると開けた平地、薬師平に出ます。
意外にも槍の穂先がきれいに見えますね。
これを見る限りだと、2600〜3000mにただよっている雲がこのまま流れていってくれれば
もしかすると晴れるのではないか?という期待が膨らみました。

しかし、薬師岳方面を見上げてみると

薬師岳は雲の中

そうは問屋が卸さないぜ!という感がひしひしと…(;・∀・)

日が差さず風が強いので寒いし、他に登山者もおらず寂しい雰囲気なのもあって
もうここで止めようかな…という気もしてきますが、とりあえず小屋までは上がってみます。

薬師岳山荘

薬師岳山荘着、5:52。展望についてはコメントするまでもないでしょう…

ガスが流れてくれないかな…と小屋の周りを15分ほどウロウロするも、状況に変化はなく。
何も見えない山頂に登ることに意味を感じないので、今回は運がなかったということで
登頂は諦め、下山することにしました。



■下山すると晴れる

登山道は相変わらず閑散としています。
この天気じゃ、登ろうという気にもならないんでしょうね。
下山中にすれ違ったのは、太郎平小屋から登ってきた中高年の1パーティだけでした。

さて、いつものことですが「悪天候で諦めて下山」した場合は、たいてい下り始めると

下ると晴れる

この通り、ガスが切れて晴れの予兆が出てくるわけです。

まだ高度としては50mも下りていないので、ガスを抜けて下に出たわけではなくて
先ほどまでこの高度をただよっていたガスは流れたということになります。



う〜ん、どうするかな…

経験則から考えて、これは下山すると更に晴れるけど、登り返すとガスるパターンですね。
なので登り返しても山頂の展望は期待薄です。
でも、まあ、もうキツイ登りは越えたし、あとは稜線歩きだから、1%の可能性に賭けてもいいか…
ということで再びUターン。薬師岳山荘に戻ることにしました。

薬師岳山荘2

本日二度目の薬師岳山荘着、6:33。
40分ほどのロスになりましたが、その代わり視界はだいぶクリアになっています。
なんせ、さっきは

薬師岳山荘

これでしたからね! これはないでしょ〜 これはない。
でも今は(一応)山頂も見えますし、まだ歩こうという気が沸いてきます。

ガスが…

もっとも、実際に歩いてみるとこんな感じになりましたけどね(^-^;

道中で先ほど太郎平小屋から来たパーティを追い抜きます。
あちらのパーティは小屋泊とはいえフル装備、一方こちらはサブザックに最低限の荷物しかなく
ほとんど空身ですから、こちらの方が有利なわけです。

こういう時は、荷物をテントに置きっぱなしにできることのメリットを実感しますね。
ただ、あまりに荷物を持ってきてなく、防寒着がレインウェアしかなかったので
稜線の風で寒さに打ち震えることになりましたが…

中央カール?

山荘から山頂までもそこそこの登りですけど、足下が悪くないのと
こうしてたま〜に景色も見えるので、苦には感じませんでした。

これは中央カールでしょうか?
これらのカール群は特別天然記念物だそうで、さすがの迫力です。

薬師岳・山頂

と、そんなこんなで後半は特に苦労することもなく
快調に歩くこと約40分で、薬師岳山頂に到着しました(7:11)



■一瞬の機会を待つも…

山頂の状況はご覧の通り。しかしガスはかなりの勢いで流れていますから
もしかするとどこかで一瞬でもシャッターチャンスが訪れるかもしれません。

今日は時間に余裕があるので、というか余裕があると思っていたので
(実はプランニングが間違っていて全く余裕はなかったのですが)
風の当たらないところで、ひたすら晴れを待つことにしました。

そうこうしているうちに先ほどのパーティが山頂に到着。
こちらは暇きわまりないので、撮影なりなんなりと少し手助けをしていたら
お礼に魚肉ソーセージをいただきました。
肉だ! 縦走中の食事としてタンパク質を用意するのは大変なので助かりますね!
…もっとも、今回の縦走はすでに断念しているわけですが…

ともかく、ありがとうございますm(_ _)m

薬師岳・山頂から
クリックで拡大(3154*600 605KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

さて、待つこと1時間… 結局、晴れ間には巡り会えませんでした。
悔し紛れに撮った悲しいパノラマがこれになります。
今改めて見ると、この雲の厚さではどうにもなりませんね。
せめて雲があと200mほど高いところにあってくれればよかったんですけど…

仕方ないので、今回は諦めて下りることにします。
今度は晴れている時に来てやるさ!

登山道は沢に

そんな下り行程は、薬師平まではスタスタ、そこから薬師峠まではノロノロ。
やはりこの沢沿いの急降下は疲れました。段差は大きいし、滑りますしね。

今度来る時は折立からのピストンではなく、立山から縦走しようかなと考えていましたが
スゴ乗越からテントを担いで5時間歩いたあと、ここを下るのは辛そうです。
真面目に鍛えておかないと、膝をやられそうな気がする…(;・∀・)

薬師峠・テント場

9:28、テント場に到着。さすがに閑散としていました。



■安曇野は遙か遠く…

これで朝の散歩は終了。テントをたたんで折立に戻ることにします。

太郎平小屋

太郎平小屋、11:22。天気がこれなので小屋前も活気がないようです。
ただ、こういう天気だとそれはそれでいいこともありまして

雷鳥!

彼らが登山道近くに出てくるようになります(・∀・)

この頃はまだ雷鳥が珍しかったんですよね〜 なのでしばらく観察していました。
2013年に、7月・8月の二ヶ月間だけで30羽ほどを目撃するという大量遭遇があってからは
レア感はすっかりなくなってしまい、今や自分の中ではスズメ並の存在になりましたが(笑)

気持ちの良い登山道

さて、小屋から先はほぼ下り一辺倒ですし、登山道もご覧の通り整備されていますから
もう楽勝だろ… と思っていたわけですが
朝の散歩が地味に効いたらしく、思うようにペースが上がりません。

これもいつものパターンですね。
小蓮華の時といい奥穂の時といい、朝、サブザックで歩いている時は
テン泊装備から解放された反動なのかやたら早くて、その後でイーサ―70を背負い直すと
今度はとたんに遅くなるという…

直射日光が熱い!

更に、下りるに従って雲が切れて、夏の直射日光が追い打ちをかけてきました。
ぎゃああ、やめてくれ!

折立登山口

と、結局最後はバテバテになり、ふらつきながら折立に着いたのが14:47。
余裕のコースタイムオーバーでした(^-^;

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これで本日の"登山"は終了。
縦走するはずが一泊で下りてきてしまいましたが、これはもう自分の中では納得しているので
心残りはありません。いつかまたリベンジすればいいだけの話ですしね。

ただ問題なのは、今日はここから長野側まで運転しないといけないということです。
後立山のどこかの山を狙いますから、今日の宿泊地は安曇野と考えています。
で、長野の県境までは直線距離で言ったら15kmぐらいですから
車で安曇野まで走るのにそれほど時間はかからないだろう、と思っていたのですが
ナビで検索してみたら、安曇野まで130km 4時間半という衝撃の数字が Σ(゚д゚lll)
なん…だと…!?

ということで、このドライブが本日最大の山場でした。
しかもこの時はガソリンもなくて(Emptyをぶっちぎってまして…)
ガソリンスタンドにたどり着くまでは恐怖のドライブでしたね。
林道だから人家はないし電波も入らないしで、もしここでガス欠になったら
どうなるんだろうと思うと…(( ;゚Д゚))

疲労のため、4時間半ノンストップで走り続けられるはずもなく
ひらゆの森でひとっ風呂浴びたりしていた結果、安曇野のルートインに着いたのは22時近くでした。
明日も登山ですが、この状態で大丈夫なのだろうか…?

EXIT