Trekking【日本百名山】 | |
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薬師岳 | 2012/07/23-24 |
富山県富山市 [2926m] | 所要時間:12時間41分 |
雲ノ平は夢幻のごとくなり | GPSログ記録はこちら(別窓) |
■Introduction 今年も夏休みの大型連休が始まりました。 空いている北アルプスを楽しめるこの時期、向かう場所は去年から決めていました。 それは黒部源流・雲ノ平。 北アルプス再奥の地と呼ばれるあこがれの場所を満喫するつもりだったのですが… ※2日目へのショートカットはこちら。 1日目 7/23(月) 【 折立 → 薬師峠 】 2日目 7/24(火) 【 薬師峠 → 薬師岳 → 薬師峠 → 折立 】 ★ 1日目 7/23(月) 【 折立 → 薬師峠 】 今回の夏休みは、せっかくの長期休みを活かして過去最長の山ごもりを計画しました。 目的地は、去年三俣蓮華岳から見て一目惚れした黒部五郎岳、それにあこがれの地である雲ノ平。 折立から入り、雲ノ平→三俣蓮華→黒部五郎と時計回りに歩く、四泊五日のプランです。 折立起点の登山としては定番コースですね。 他の方の動画をお借りすると、だいたいこんな予定でした。 ということで、まずは登山口である折立を目指して、家から車を走らせます。 北アもこう何度も行っていると、扇沢や上高地、新穂高温泉などの長野県側の登山口には 目新しさを感じなくなってきますが、今回の折立は初めての地。 それどころか、そもそも富山に足を踏み入れること自体も初めてなのです。 海なし県・栃木の住民としては、海も山もある富山はある意味理想郷でして そんな富山の景色を見ることも楽しみな、わくわくドライブのつもりでした。 …しかし… 富山遠すぎるだろ… 今回は自分としては珍しく、23時には家を出たのです。 折立に至る有峰林道のゲートが開くのが朝6時なので、まあ7時間も前に出れば 道中で何度か休憩を挟んでも余裕であろうと。 でもですね、いくら高速道路中心とはいえ、500kmドライブするのはやっぱり疲れるのでした。 4時間走ってきて、まだ242kmも残ってるってどういうこと… 例によって半徹夜ドライブなので、日本海側に回り込んだ頃にはもうヘロヘロに。 たまに海が見えると一時的にテンションが(・∀・)!と上がるのですが すぐに眠い(-_-)zzzに切り替わってしまいます。 この 海だ(・∀・)!→眠い(-_-)zzz を何度か繰り返して… 折立にたどり着いたのは7:55。すでに疲労困憊でございます。 今日は早く着いたら一気に雲ノ平まで… と思っていましたが、 雲ノ平どころか薬師峠に行けるのかさえ不安になってきたのでした。 ■いきなりの急登 あれ、話が違う… さて、とにもかくにも準備を整えて、8:27、登山開始。 まず初めは三角点(1871m)までの500m強の登りになります。 事前に他の方の感想を見ていた限りでは、ここはそれほどキツイ登りという印象はなさそうでした。 出だしですし、時間も押しているので軽快に歩きたいところです。 ところが… いやいや、きっついじゃんこの登り! 傾斜はきつく、地面はドロドロ。樹林帯だから風は吹かないし、それでいて木漏れ日は強烈。 歩き出して少しも経たないうちに、信じられないくらいの汗が噴き出してきました(´ヘ`;) 後続に次々と道を譲り、登っては休み、登っては休み… 夏休みに入る前にもそれなりに登山には行っているのですが、 軽装での登山とテン泊ザックでの登山は別物なのかもしれないな、と思うのでした。 毎年、シーズン最初のテント泊では苦労している気がするし。 ----- と、そんなこんなで悪戦苦闘すること1時間少々。そろそろ"あれ"が見えてくるころです。 "あれ"とは、知る人ぞ知る、アラレちゃんの看板のこと。 今は四代目で「目が怖い」と一部で評判なアラレちゃん。お、あれかな?と近づいてみると… ア、アラレちゃ━━━Σ(゚д゚lll)━━━ん!!! そこには無残にもバラバラになったアラレちゃんの遺体が! もはや目が怖いとかいうレベルではありません。いったい何があったのだろうか… そんなアラレちゃんの遺体に手を合わせ、更に登ること40分。 ようやく、最初のランドマークである三角点にたどりつきました(10:19) ■晴れていれば… この時点でもう体力はほとんどゼロ。…しかし、休むわけにはいかないのです。 というのは、今回は本気縦走なのでイーサー70に荷物満載で、デカザックが目立つんですよね。 こうして人が多いところに来ると「それは何リッターなの?」とか「どこまで行くんだ?」など 質問の嵐でして…(^-^; 若い人はすごいね〜!と言われてしまうと、下手にダラダラするわけにもいかず 休憩もそこそこに歩き出すことになりました。ひえぇ、休みたい… ただ、先に進むと木道がでてきて、登山道がだいぶ整備された状態になります。 傾斜そのものはあまり変わりませんけど、視界も開けて気分が楽になってきました。 脇にはキスゲの花もチラホラと。 やがて高い木はなくなり、周囲を完全に見渡せるようになりました。 この登山道、腫れていれば薬師岳から日本海まで見渡せて、さぞかし気分の良い尾根歩きが 楽しめそうな雰囲気なのですが、今日はガスってしまっています。残念。 ただまあ、そうは言っても、行く手がはっきり分かるようになったのは大きいです。 樹林帯歩きよりもはるかにペースを整えやすくて、歩くのは苦ではなくなりました。 この辺からはもう大きなアップダウンもありませんしね。 12:36、曇り空の中、太郎平小屋に到着。 のんびり歩いているうちに晴れないかな…と期待するも、そううまくはいきませんでした。 ■今宵の宿は薬師峠に決定 そんな小屋前から見える山々はすべて雲の中。 体力的にも時間的にも雲ノ平には行けないので、結果としては同じですが この光景を見てはっきりと心が決まりました。今日は薬師峠にテントを張って、とっとと寝よう! ということで、薬師峠にあるテント場へ。 この太郎平小屋は太郎兵衛平に建っているのに対して、テント場は薬師峠にあるため 小屋からテント場までは20分ほど離れています。 この日はテントの受付はテント場で実施されていて、ビールなど飲み物もそちらで売られていましたが シーズンや時間帯によって違うようなので、向かう前に要確認ですね。 テント場まで行ってしまってからまた小屋まで往復するのはキツイので… クリックで拡大(4383*600 1005KB 画面下スクロールバーで右方向へ) そんな薬師峠への道すがら。 日本海側から分厚い雲が流れてきて、次々と山々を覆っていきます。 う〜ん、今日は晴れると思ったんだけどな…(´・ω・`) 平坦な木道を10分ほど歩くと、眼下にテント場が見えてきました。 事前に聞いていた通り広いテント場ですね。時間が早いのでまだ先客さんはまばらでした。 登山道を挟んで右側がテント場、左側には管理小屋とトイレ、水場があります。 テント場は木々に隠れている部分にも広がっていて、公称の100張りはともかく 50〜60張り程度であれば余裕かな、という印象です。 ただ場所が斜面なので、平坦なサイトに張りたければ早めの到着が望ましいでしょうね。 13:22、テント場に到着。 登山口からおよそ5時間の道のりでした。たったの5時間の割にはやけに疲れてますが(;・∀・) まあともかく、これでやっと休める…! ■明日はどうする? さて、ということで疲れ果てた僕はテントでうたた寝したり、本を読んだりして過ごしていたのですが そのうちにふと、今回の夏休み山行は本当にこのプランでいいのだろうか? という思いに とらわれるようになりました。 とにかく晴れそうな感じがしないんですよね… 予定通りだと明日は雲ノ平ですが、雲ノ平だけはとにかく晴れている時に行きたいと思っていて それが実現できそうにないことがテンションを著しく下げていたのです。 それに、これ以上先に進むと一日で下山できなくなりますから もし二日目以降も天気が優れなかったら、夏休み登山はブルーのまま終わってしまいます。 だったら、今年は思い切って雲ノ平は断念。 明日は一度下山し、少しは好天が期待できる&一日で街と山頂を往復できる後立山に回って ワンチャンスにかけた方がいいんじゃないか? と、そう思うようになったのでした。 進むか、戻るか… すべては明日の天気次第で決めることにしましょう。 >2日目へ |