Trekking
涸沢カール2011/07/25-26
長野県松本市安曇 [2350m]所要時間:10時間57分
消費カロリー:6629kcal
涸沢…そこはガスと雨の殿堂※GPSログ記録なし

涸沢の朝

■Introduction

今年も第一回目の夏休み(7/23〜7/31)が始まりました。
テン場の混雑を気にしないですむ貴重な機会、これを逃すわけにはいきませんよね!

ということで、まず最初に向かったのは奥穂高岳。
北アも、平日なら静かな山歩きが楽しめそうです。



■上高地の天気はまずまず

さて…
見出しから明らかですが、今回、奥穂には辿り着けませんでした(´・ω・`)
上高地から涸沢まで往復しただけです。涸沢にテン泊に行ったようなものでしょうか…

ですので今回はどこのピークも踏んでおらず、天候が良くなかったため綺麗な写真もありません。
よほど暇で、時間をもてあましてしょうがない、という方だけ読んで下さい。

GPSがないのでコース図は省略します。コースタイムは以下の通り。

★7月25日
 上高地バスターミナル(8:28着/8:46発)→明神(9:32/9:32)→徳沢園(10:15/10:24)
 →横尾(11:10/11:24)→本谷橋(12:21/12:31)→涸沢(14:42)

★7月26日
 涸沢(8:27)→本谷橋(9:41/9:53)→横尾(10:43/10:56)→徳沢ロッジ(11:42/11:42)
 →明神(12:18/12:28)→河童橋(13:02/13:12)→上高地バスターミナル(13:18)

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では、初日の状況から書いていきます。

7/25、7/26の天気は、予報によれば芳しくなく、どちらも午後から雨とのことでした。
ただ今回のプランでは、初日は涸沢まで行くだけ、二日目は早朝に奥穂に登って
下山する予定でしたから、最悪7/26の朝さえ晴れていてくれれば、目的は達成できるわけです。

夏休みの週間天気予報はずっと曇り/雨ということもあり、一週間登山せずにつぶしてしまうのは
あまりにももったいないので、不安はありましたが、7/26の天気に賭けてみることにしました。

梓川SAから見た北アルプス

道中、梓川SAから見た北アルプス。思ったよりも悪くない…かな?

上高地の玄関口となる、沢渡(さわんど)に到着したのは7:30頃。
今日は涸沢まで行ければいいので、混雑回避のためあえて遅れての到着です。

沢渡大橋バス停

沢渡には多数の駐車場と、6つのバス停があります。
どこに車を停めるか…ですが、個人的には一番下のバス停である「沢渡大橋」周辺がお勧め。
上に停めれば停めるほど、バスで座れる可能性が低くなりますからね。
帰りも、降車でバタバタしないですみますし。


(2013/04/30追記) 2013年からはシステムが変わって、一つ先の「さわんどバスターミナル」から
乗るのが便利なようです。詳しくはアルピコ交通のホームページをご参照ください。

ちなみに切符は事前に乗車券販売所で購入し、降車する時に運賃箱に切符を入れるシステムです。
(往復券の場合、帰りの切符まで入れてしまわないように注意!)
沢渡大橋から上高地までは片道\1,200、往復\2,000でした。

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バスに揺られること30分ほどで、いよいよ上高地バスターミナルに到着。

上高地バスターミナル

いつもは観光客で賑わうこの場所も、平日の中途半端な時間とあってか人影は多くありません。
天気はやっぱり微妙。涸沢までもってくれればいいんだけど…

それでは登山者カードを記入して、本日の登山を開始しましょう。
バスターミナルを出てすぐに、あの"河童橋"が姿を現します。

河童橋

よく観光案内などで目にする憧れの光景のはず…なんですが、意識はどうしても前方の山に集中。
正面に見えるはずの穂高はすっかり雲の中です。本当に明日晴れるのだろうか…(^-^;

ここからは明神、徳沢、横尾を経て、涸沢に向かうことになります。
横尾までは梓川沿いのほとんど平地歩き。雨が降ってくるかも知れないので、少し急ぎましょう。



■横尾まではお気楽極楽ハイキング

ここから横尾までは、アップダウンのほとんどない道を歩いて行くことになります。

遊歩道

道もこんな整地された道で、登山道と言うよりも遊歩道という趣。
ですので、徳沢辺りまでは登山装備でない観光客の方々の方が多いかもしれません。

明神

明神着9:32。ここの名物はリンゴジュースですが、行きはスルーしましょう。

徳沢園

徳沢園着10:15。上高地BTからここまで1時間半でした。
ここの名物はソフトクリームですけど、帰りまで我慢、我慢…

まだまだ遊歩道

徳沢園を過ぎても、道は相変わらずゆるやかです。
多少石が目立つようになるのと、横尾までは遠いため観光客の数が減ってきますが
登山靴のような底の厚い靴で歩く分には快適そのもの。

横尾

横尾着11:10。平地歩きはここまでです。
トイレあり、水場あり、売店あり、自販機あり、の休憩適地ですので
これからの山歩きに備えてしっかり準備を整えておきましょう。
(こんな山奥に自販機がある、っていうのは、やっぱり不思議な感じがしますね)

なお、こんな曇りがちの天気でも、ふと日が差すと、その日差しは強烈です。
日焼け止めは忘れずに!



■ついに雨が…

さて、横尾大橋を越えると雰囲気は一変、いよいよ登山者の領域に入ってきます。

山道になってきた

道も狭くなり、岩も目立つようになってきました。
ただ、この区間はまだそれほどの登りではないですね。
横尾大橋から最初のランドマークである本谷橋まではコースタイムで1時間。

本谷橋

本谷橋着、12:21。
ここからが今日の行程のハイライトになります。涸沢までの標高差500m強、コースタイム2時間。
今までは平地歩きでしたのでテン泊15kgザックでも平気でしたが、ここからはちょっと不安です。
去年、それなりに登山を繰り返した後でも、やっぱりテン泊装備での登山は辛かったんですから
今年のこのヘタレな体力で、500mを簡単に登れるとは思えません。どうなることやら…

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…で、結果から言うとやっぱりバテたのですが、
問題だったのは、登りよりもむしろ雨が降ってきたこと。
上の本谷橋の写真を撮った2分後くらいから、それなりに強い雨が降ってきまして…

実は僕は今までの登山で雨に打たれたことは一度だけで、その一度(鹿島槍の時)も
弱雨で、念のために着てみた、という程度のものでしたから、
実質的に今回が初めてレインウェアを着ての登山ということになりました。

それでですね… そもそもこの本谷橋⇔涸沢は、沢沿いなうえに風が吹かないので蒸すわけです。
更に急登ですから、必然的に暑くなるわけですね。もう服なんか着てられない!ぐらいに。
そこにレインウェアを羽織ったら… どうなるかは言うまでもないでしょう。

そう、むちゃくちゃ蒸すのです。

もはや、レインウェアに透湿性があるとかないとかそういう次元の話ではありませんでした。
あっという間に体温上昇→汗ダラダラ→余計蒸れる→体温上昇…の悪循環。
とてもじゃないけど、一定ペースで登り続けるなんて事はできません。
少し登ったらオーバーヒートして休憩、休憩…でペースは死ぬほどダウン。

更に、この雨がくせ者で、降ったと思ったら止み、止んだと思ったら降り…の繰り返しで。
降る時は結構本気で降るので無視するわけにもいかず、そのたびにレインウェアを脱いだり着たり…
これも堪えました。

僕の前後には5パーティくらいいたのですが、みんなレインウェアの脱ぎ着で頻繁に小休止するので
そのタイミングの違いで、追い抜いたり追い抜かれたり…が多かったです。
2時間の行程で、あんなに同じ人に何度も追い抜かれたのは初めてかも(笑)
後半になると、何か妙な連帯意識が生まれていました(^-^;

そんな訳で、カメラが出せなかったのでこの区間の写真はありません。
雨が止んで視界が開けた時は、それなりにダイナミックな景色だったんですけどね〜
なお、コース後半は雪渓が残っているのでそれなりに涼しくなります。これはホント助かりました。

涸沢野営場

とまあ、ヘロヘロになってようやく涸沢のテン場に辿り着いたのが14:42。
本谷橋を出てから2時間11分。予想通りのコースタイムオーバーでした…

涸沢のテン場は涸沢小屋と涸沢ヒュッテの共同管理で、テン場の中に受付小屋があります。
受付を何時から開始するかは日によって違うようで、今日は15時半から受け付け開始とのこと。
この場合、先にテントを張っておいて、後から受付に向かうことになります。

シーズンには混み混みになってしまうこのテン場も、平日でこの天気とあってテントはまばら。
(最終的に、この日のテントは40張り程度でした)
おかげでヒュッテに近いサイトも空きが多かったのですが、周りに気を遣うと疲れるので
あえて遠くに張ってみました。
静かな夜を過ごせた反面、(当然ですが)ヒュッテまで遠いので、水汲みとトイレが大変でしたね。
ちなみに小屋のトイレも使えるのですが、小屋は辿り着くまでがプチ登山だったので
今のヘロヘロの身体では小屋に向かう気力はなく…(^-^;

涸沢ヒュッテのテラス

関係各位の努力ですっかり復旧したヒュッテのテラス。
ありがたいことです。
ちなみにスタッフはテン場の受付をしたり、翌日は雪渓にステップを切ったり…と大忙しの模様。
ろくろく風呂にも入れない環境での奮闘ぶりには本当に頭が下がります。

いつも思いますけど、テン場利用者としては、一泊\500というのは安すぎて
なんか申し訳ない気になってしまうものです。
せめて\1,000くらい取ってもいいと思うんですけど…

…あ、そうそう、余談ですけど、ヒュッテの水は伏流水を使用しているそうで
汗だくの身体にとっては、キンキンに冷えた水がとてつもなく美味く感じられたのでした。

雨のテン場

テン場に着いても天候は相変わらず。
前穂はかろうじて見えたり見えなかったりで、奥穂と北穂はどこにあるのかすら分かりません。
テントを張り終える頃には、もう結構な勢いで雨が降り続くようになってしまいました。

今日はもう夜までこの調子っぽいので、19時には寝てしまうことにします。
最近はずっと寝不足なので、これはこれでちょうどいい機会かも。

明日は晴れて欲しいなぁ… 続きは後編で>

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