Trekking
小太郎山2010/06/06
栃木県日光市 [2328m]所要時間:5時間47分
消費カロリー:4295kcal
奥日光屈指の展望台へGPSログ記録はこちら(別窓)

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鞍部から小太郎山への登りは、山王帽子山の登りに比べればそれほど急傾斜ではありません。
とはいえ、ここまでの疲労でペースはちょっと落ち気味。
くそ、ストックさえあればもっと楽なのに…

鞍部から16分ほどで、ハガタテ薙への分岐を通過(13:12)

ハガタテ薙分岐

分岐と言っても、ハガタテ薙は現在通行禁止です。
ハガタテ薙ルートなら山王帽子山の上り下りをすることなく小太郎山に向かえるのですが
落石におびえながら命がけでハガタテ薙を通るくらいだったら、僕としては
山王帽子山の急登でバテバテになる方を選びますね(^^;

ここまで来ると、コース上には残雪がちらほらと。

ハガタテ薙分岐

とは言え、6月ともなればもうほとんど溶けていまして、通行には全く問題ありません。
何度かズボりましたけど…

わずかな残雪

登山道は適度に日差しも届いていい雰囲気ですし、傾斜も前述のように急と言うほどでは
ないですから、登るのはさほど苦ではないのですが
そうは言っても、ここまで来てからの400mの登りはさすがに一筋縄ではいきません。

すれ違う下山中の方々はみんな元気そうなんですけどね〜
女子中学生(高校生かも)の集団が、全く疲れの色も見せずにワイワイガヤガヤと下りていくのを
見た時は、さすがに歳をとることの悲哀を感じずにはいられませんでした(笑)
若いっていいよね(´・ω・`)

それでも、ハァハァ言いながら何とか登り続けたら、急に視界が開けてきました。

山頂まであと一息

これは…! 山頂が近い予感がしますね。
この時に改めて思ったのですが、僕は登山をしている中で、この瞬間―――
つまり、樹林の中の長い登りを抜けて、パッと目の前が開けた瞬間が一番好きなのかも知れません。

ここまで来れば、もう頂上は間近です。
気持ちのいい笹原をほんの数分歩くと、ついに小太郎山・山頂に辿り着きました(13:51)

小太郎山・山頂

この時は、思わず「やった!」という言葉が口をついて出たものです。
いつも山頂に着けば内心では思いますけど、口に出したのは初めてかも。
どんだけ疲れてんの俺、って感じですね(笑) でも、本当にそれくらいの達成感がありました。



■小太郎山からの展望はまさに最高の一言

さて、一応隣の太郎山まで行けるかどうか見てみましたが…

太郎山への道は険しく…

う〜ん、ダメだこりゃ(汗)
画面中央下に見える岩場が「剣ヶ峰」と呼ばれる難所ですけど、そもそもそこまですら
行く気がしません。第一、今自分が立っているところでさえ、このまま右に転けたら
あの世行きだったりするので、高所恐怖症の人間としては落ち着かなかったりするのです。

しかも、ふと振り返ってみると…

男体山が目の前に!
クリックで少し拡大(903*600 185KB)

!? (  Д ) ゚ ゚

こ、これは…凄い!
日光連山は見晴らしの良い山が多いですが、小太郎山からのこの眺めはちょっと衝撃的でした。
何が素晴らしいって、南・東側斜面は傾斜が強くて視界に入らないため、自分と男体山の間は
ただ空だけで隔てられているように感じられて、とてもインパクトの強い光景だったのです。
こればかりは文章では上手く伝わらないでしょうから、ぜひ、現場で見てみて欲しいところ。

富士山の時も思いましたけど、自分の目の前に何もない(空しかない)という眺めは
普段見慣れないので、とても新鮮で不思議な感じがします。
こうして新たな発見があるから、登山はやめられなかったりするのでした。

…と言うことで、小太郎山からの眺めがあまりにも素晴らしかったので、もう太郎山は
どうでも良くなりました(笑) 今日のゴールは予定通りここにします。

それでは、恒例のパノラマ写真と行きましょう。
ちなみにここは文字通り360°の展望ですけど、三脚なしで水平が取れていなかったためか
360°だとMicrosoft ICEが合成に失敗するので、東方面と西方面は分けて載せますね。

日光連山が一望
女峰山―男体山―日光白根山方面:クリックで拡大(3355*600 551KB)

日光連山が一望
日光白根山―燧ヶ岳―会津駒ヶ岳―太郎山方面:クリックで拡大(2799*600 544KB)

予想通り、空気は大分霞んできてしまっています。
もっと早く登っていれば…とちょっと悔やまれましたが、それでも、この大展望には十分満足。

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さて、今日は出発が遅いので、自分の後ろから登ってくるパーティはいません。
先ほどまで小太郎山にいた先行パーティは、太郎山への稜線を歩いていきましたから
当分帰ってこないでしょう。と言うことは、小太郎山の山頂は独り占めできるということです。
ちょっと暑いのが難ですが(20℃)、これだけの展望の中で一人というのは最高の気分(^-^)

誰も来ないと分かっているので、今日の昼食はのんびりモードです。

ベーコン餅ラーメン

いつもの通りシェラカップでコーヒーを飲んだ後、メインはカップヌードル+ベーコン+切り餅と
高カロリーの食事にしました。どの山行でも、食事量が消費カロリーに全く足りていないので
最近は意識して多めに食事を採るようにしています。脂肪が削れるのは願ったり叶ったりでも
筋肉まで減ったら意味がないので…
ベーコン&餅&しおスープの組み合わせがGoodでした。

そうそう、切り餅というのは薄切り餅で、少しお湯の中に入れておけば簡単に食べられるように
なるため、山での食事の時は便利です。ボリュームも付きますしね。
たぶん、スーパーの餅コーナーの片隅に置いてあるんじゃないかと思うので
興味のある方は探してみて下さい。



■山王帽子山への登り返しはやっぱりキツかった!

こうして、お腹も一杯、展望は最高、周囲は静か、と
なんとも贅沢な山頂でのひとときを満喫しました。
あまりにも気分が良くて、僕にしては珍しく50分近くもまったりしてしまいましたが
そろそろ時間も気になってきましたし、帰ることにしましょうか。
と言うことで、14:39、下山開始。

今回のルートは、登り行程は登り一辺倒、下り行程では下り一辺倒、と実にシンプルですから
ここから鞍部までの下りでも、途中に登り区間は一切なく、そういう意味では気が楽です。
今後、登るのは「鞍部から山王帽子山の間」だけって分かってますからね。

道としても特に難しかったり危険なところはありません。
小太郎山の北側斜面は切れ落ちているので、そちらに落ちたら死にますけど、夏であれば
よっぽどの勢いで走り下りたりしない限りは、落ちようがないでしょう。
積雪期はどうだか分かりませんが… 少なくとも僕は登らない方が賢明だなと思いました。

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さて、そんなこんなで、駆け下りること30分ちょっとで、一気に鞍部まで落ちてきました。

いよいよ最後の登りへ

いよいよここからが今日の正念場になります。この山王帽子山への登り返しさえクリアできれば
後はただひたすら下りるだけですから楽勝です。では、最後の一頑張りと行きましょう!

…なんてね。話を盛り上げるために大げさに書きましたが、所詮、たった160mの登り。
飯も食いましたし、今なら駆け上れるくらいの余力はあるだろうと、ガンガン登っていきました。

心拍数186… 心臓が、心臓があぁ!

…すみません死にそうです_| ̄|○

っていうか…マジで…きつい…! ここに来てのこの登りはやっぱり堪えました。
行きですれ違った方々の苦悶の表情が思い起こされます。
きっと今の自分も同じ顔をしているんでしょうね(^^;

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それでも何とか登り切って、山王帽子山・山頂に辿り着いたのが15:35。
やった! これで今日の登りは終了です。暗くなる前には帰れそうで良かった。

山王峠登山口着が16:01、山王見晴らし着が16:05。

山王見晴らしの夕暮れ

辺りはすっかり夕方の様相を呈してきました。
もう真っ暗になるまで帰れないなんてことはありませんから、このベンチでしばらくのんびりして
気分をリラックスさせていきたい気もしましたが(ここは雰囲気良いんですよね)、
ふと「光徳牧場の売店(アイスクリーム売り場)は何時まで営業してるんだろう…?
やっぱりここに来たら帰りはあれを食べないと!」と思いついて、急いで戻ることにしました。

※ところで、道標にある「光徳―山王峠 2.1km」の"2.1km"ってのは直線距離なんでしょうか?
 GPS記録を見てみると3km前後ありますし、結構な勢いで駆け下りたのに
 光徳牧場まで40分もかかってますから、どう考えてもやっぱり3kmはあると思うんですよね。
 2.1kmだと思っていたのにずいぶん時間がかかって焦りました。

そんなこんなで、16:42、無事に駐車場まで戻ってきました。
(光徳の売店が混んでいたので、先に駐車場に戻ったのです)

光徳駐車場、だいぶ車も減りました

シェイクダウンした新しいトレッキングシューズは全く問題なしでした(^-^)
5時間、それなりのアップダウンを歩いて問題が出なかったということは、自分の足に
ちゃんとフィットしていると考えていいでしょう。
これからしばらく活躍してくれそうで良かったです。

さてさて、それでは荷物はここに置いておいて、光徳の売店まで戻りましょう。
あれだけは買わなくては!

光徳牧場と言えばこれ!

ということで、定番の、光徳牧場のアイスクリーム(\300)と牛乳(\150)をゲット(^-^)

僕は味音痴なので、実はいつもはこれが特別美味しいとは思っていないんですけど
運動後に食べるとやっぱり(゜Д゜)ウマー!ですね。タンパク質の補充も出来て一石二鳥。
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さて、これで今日のミッションは全て終了、帰ろうか… ということで車で片付けをしていたら
隣でプチキャンプをされていた初老の方と話が合って、延々と話し込むことになりました。
その方はスケッチと登山が趣味とのことで、昨日からこちらに逗留されているとのことでしたが
年齢が70越えだと聞いてちょっとビックリ(外見は60そこそこにしか見えませんでしたので)。
やっぱり、歳をとってもそれなりに本気で趣味に取り組んで、充実した日々を送っている人は
老いるのも遅いんだろうな、と思わされたものです。

そうそう、話の途中で、今日の僕の行程について「健脚ですね〜」と褒めてもらいましたが、
たぶん実際には、僕は健脚じゃないんですよね。
確かにコースタイムはそれなりですけど、他の方が僕より遅い理由は、パーティを組んでいて
道中で景色を見ては止まったり、花を見ては止まったり、と、山歩きを楽しんでいるからでしょう。
一方こちらは単独行なので、道中はもう苦しくても登れ!登れ!止まるな!という
ある意味ストイックな山行になりがちなんです。そりゃ時間も短かろうというもの(^^;
本当の意味で健脚になるには、日々のトレーニングも必要だろうな、と思いました。



と、そんなこんなで、シューズの試し履きも無事に終わらせられた今回の小太郎山登山でしたが
とにかく、山頂からの展望は一見の価値ありです。
距離が結構長いのと、山王帽子山への行き帰りがキツイのが難点ですけど、それを差し引いても
余りあるくらいの絶景が堪能できますよ(天気が良ければですけど)
ある意味では、日光連山の中でもっとも楽しく登れて、展望が楽しめる山かもしれません。
山王峠周辺では路肩に少し駐車スペースが
あるようなので、自信のない方は光徳〜山王峠間はマイカーでショートカットできますしね。

ただ、前述の通り行程は長いですから、くれぐれも途中で雷に遭わないように
登る時は早立ちを心がけて下さい。

EXIT