Trekking
雲取山   【日本百名山】2011/12/31-2012/01/01
東京都西多摩郡奥多摩町/埼玉県秩父市
山梨県北都留郡丹波山村 [2017m]
所要時間:11時間43分
消費カロリー:計測せず
年越し登山で耐寒訓練GPSログ記録はこちら(別窓)

新年と言えばこのカットは外せない

■Introduction

夏山テント泊がそれなりに苦労なくできるようになると、今度は冬山テント泊に挑みたくなってきました。
しかし、9月の双六、10月の鹿島槍で体感したように、山の夜はとても寒く
いくら装備を調えたといっても、真冬にいきなり標高の高い山にいくのは不安があります。

そこで、まずは手近な雲取山で冬山テント泊を体験してみることにしました。
雲取山ならアルプスや八ヶ岳ほどには寒さは厳しくないでしょうし、
過去に登ったことがあるため、行程が分かっていて安心です。

そしてどうせなら、年越し登山と洒落込みましょう。
初日の出を山頂から見る ――― 一度やってみたかったんですよね!

※今回はシンプルなレポになります。
※2日目へのショートカットはこちら。

1日目 12/31(土) 【 鴨沢 → 雲取山 → 雲取山荘 】
2日目 1/1(日) 【 雲取山荘 → 雲取山 → 鴨沢 】


★ 1日目 12/31(土) 【 鴨沢 → 雲取山 → 雲取山荘 】

冬山テン泊装備を満載したデカザックを乗せて、栃木から鴨沢へ。

留浦バス停駐車場

留浦バス停駐車場着、7:24。

前回(日帰り、天候が悪くて写真の見栄えがしないので登山記は無し)と同様、
冬に日当たりの悪い北側の尾根を歩くのは嫌なので、今回も定番の鴨沢ルートから登ることにします。

鴨沢ルートから登る場合、駐車場は大きく分けて三つ。山頂に近い方から言うと…

1. 小袖駐車場
→これは鴨沢からだいぶ車で上ってしまう分、何かショートカットしている気がするので却下。

2. 鴨沢バス停の駐車場
→ここが登山道の正面の駐車場になりますが
 ここは地元の方のための駐車場のようなので、停めるのは気が引けます。

3. 留浦バス停の駐車場
→ということで、登山口から都心方面に徒歩10分ほど戻ったところにある
 この駐車場に停めさせてもらいました。
 飲み物の自販機もありますし、トイレもきれいでお勧め。



■山頂までの長き道のり

−6℃の凍てつく空気の中、山頂を目指して出発(7:37)
まずは鴨沢バス停に向かい、そこから民家の前を通って小袖乗越の駐車場へと登っていきます。
バス停から先は道標が完備されていますので、初めてでも迷う心配はありません。

ただ、意外とこの小袖乗越までが長いんですよね…
格別面白い道というわけでもないので、先ほど書いたことと矛盾しそうですが
車で来た場合は小袖乗越に停めた方が、あとあと楽になると思います。

小袖乗越(鴨沢権現平)駐車場

小袖乗越着、8:29。雲取山荘で年越しイベントがあるためか、なかなかの盛況ぶりです。
ここからは5分ほど舗装路を歩いて…

登山口

ようやく登山口へ(8:34)
では、改めまして登山道のご紹介、と行くべきところですが…

すみません、今回は山頂まで飛ばし気味に説明します。
というのも、この鴨沢からの登山道は、見所とか、注意すべきところといったような
ポイントがほとんどないのです。

樹林帯を淡々と

写真の順番は前後しますが、道はこのように、山頂近くまで樹林帯の登りが続きます。
傾斜は平均12%程度と、かなり緩やか。
この坂はきつい!というような区間はほぼありません。

ですので、最初はズンズン登っていけます。
しかし、鴨沢から山頂までの標高差は約1,500mと、かなりハードなコースのはず。
そんな簡単に登れるなんて、何か変ですよね。

心が折れる…

…そう、このコースは傾斜が緩い分、距離が異常に長いのです。
山頂までの距離は、実に13km。
長い長いと言われる丹沢の大蔵尾根でさえ、塔の岳までの距離は9kmにすぎません。
丹沢山まで足を伸ばしても、まだ12km… と考えると、いかにこのコースが長いかが分かります。

しかも傾斜が緩いぶん、歩行速度が速いため、ハイペースで登れていると錯覚してしまうのも罠で
チェックポイントでコースタイムを確認すると、全然早くないのに気づいて愕然としたりします(^-^;

上の看板は、例年いつも心が折れるところでして、
ここまで2時間登ってきているのに、あと2時間45分も残っているのか… と思うと魂が抜けそうに(笑)

スリップ注意

ですので、いつも七ツ石山の山頂はスルーして、西側に巻いてしまいます。
ただ、この巻き道は日が当たりにくいため、ここだけ凍結していることも多く
歩きやすくはないです。
実は労力もそう変わらないようですし、七ツ石山を経由していく方が賢明なのかも。

視界が開けた!

ブナ坂を過ぎると、ようやく視界が開けます。
ここからの石尾根歩きが、鴨沢コースの真骨頂と言えるでしょう。
テンションも上がってきます。

しかし、登り始めてからここまでで、既に4時間半…
今日はテン泊装備なので重い&雲取り山荘までたどり着けばいい、ということで
あえてゆっくりペースにしましたが、それにしても遅いですね(^-^;

ちなみに前回は日帰りだったのでもっと早かったですけど、正直この季節に日帰りというのは
あまりお勧めできないです。バスで来ると終バスに乗り遅れる可能性がありますし
マイカーでも帰路は日が沈むことになるかもしれません。
過去に道迷い遭難や疲労凍死などもしばしば起きている山ですから、
日帰りに挑むのなら、くれぐれも準備は万端にしてください。

ひえぇぇ…

やがて、雲取山の山頂が見えてきます。

しかし、勝負はここから。
これまでのぬるい坂道歩きとはうってかわって、厳しい登りが続くようになります。
特に小雲取山の登りはキツくて… ここまでの疲労も相まって、敗退したい気分でいっぱいになります。
もう左手前の無名のピークが山頂だってことにして帰っていいんじゃね?と毎回思ったり(笑)

振り返れば大展望

まあ実際には帰るわけにもいかず、死にそうになりながら登っていきます。
振り返れば大展望なので、その景色にエネルギーをもらって一歩一歩。

なお、この時期、尾根に雪がなくても、小雲取山への登り斜面は凍結していることが多いです。
アイスバーンになっていて全くグリップしなかったりしますので、軽アイゼンは用意しておきましょう。

雲取山・山頂

そんなこんなで、命からがら、ようやく山頂に到着しました(13:56)
駐車場から6時間19分。遅い、遅すぎる(^-^;



■意外と寒くない?

さて、そんな苦労の末にたどり着いた山頂ですが、
実際のところ二度目なのでそれほど感動もなく、それより早くこの重いザックを降ろしたい、ということで
滞在もそこそこに、雲取山荘を目指して駆け下りていきます。

北側の尾根は積雪多し

ここからは北側斜面になりますので、登山道の様子も一変。
気温が低いので雪が溶けきらず、アイスバーンがあちらこちらにあって要注意でした。
こういう中途半端な積雪が一番歩きにくいですよね。斜度も急ですので慎重に。

雲取山荘

雲取山荘着、14:20。
ふ〜っ、これで今日の行動は終了です。長い一日でした…

さて、受付をして早速テン場へ。
ちなみにこの日は、水場は凍結していて使用不可、小屋からの購入も×とのことでした。
自分はプラティで2Lほど担ぎ上げているので問題なかったですが、テン泊される方はご注意を。

テン場はほどほどの混み具合

雲取山荘のテン場は、小屋から北方面、登山道の脇のスペースになります。
ご覧の通り横幅はほとんどないため、数が増えると小屋から相当離れたところに張ることになるでしょうね。
正確なキャパは分かりませんが、50〜60張は張れるようです。
ちなみにこの日は15〜20張ほどでした。

ところで、お気づきの方もいらっしゃると思いますが
雲取山にはもう一つ、奥多摩小屋周辺にもテント場があります。
奥多摩小屋のテン場は、展望がよく、日当たりも良く、広いという恵まれたテン場で、
特に鴨沢コースから来た場合、その奥多摩小屋を通り越して、わざわざ雲取山荘のテン場に張るメリットは
ほとんどないと思います。

しかし今回はあくまで耐寒訓練。今の装備でどの程度の低温まで耐えられるのかを確認するのが目的なので
暖かい奥多摩小屋のテン場に張ってはいけないのです。
そんなわけで、あえてこちらまで足を伸ばしたのでした。
なお、この時点での気温は−6℃。さすが北側斜面は違いますね。

U.L.スーパー スパイラルダウンハガー #0

で、装備の一番大きな変更点がこちら。シュラフを#3から#0にグレードアップしました。

選択肢としては#1やEXPも考えられましたが、#1は中途半端すぎる、EXPはでかすぎるということで
少々オーバースペックな感もありますが、今後の本気雪山登山のことも考慮して#0に。
シュラフカバーも併用しますので、今夜は寒くて眠れないということはないでしょう。

さて、これでもうやるべきことは全て終わりましたので、着替えて読書モードに。
ちなみに上半身のレイヤリングは、行動中の[フラッドラッシュスキン+ジオラインEXP+シャミース]から
[フラッドラッシュスキン+ジオラインEXP+R2+U.L.サーマラップパーカ]に変えました。
この頃は風が強くなかったこともありますが、−6℃でも寒くないのはさすが山着といったところでしょう。

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そうこうしているうちに日が落ち、あっという間に暗くなってきました。
今日は早めに寝ることにします。夜、どれだけ寒くなるのかを楽しみに。
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