DIARY  2013/10
2013/10/20
もたもたしているうちに、今年の雪山教室の申し込みが近づいてきてしまいました。
放置していた雪山教室の記事のまとめを。

■東京都山岳連盟 雪山教室

5/18-5/19、ついに雪山教室の最後の実技がやってきました。
この六回目の実技は例年、唐松岳での雪中テント泊になります。

というわけで、いざ八方尾根へ。

平標山・元橋駐車場

!?

…すみません嘘です。ここは新潟県・平標山の登山口である元橋駐車場。

実は今回、ちょうどこの期間に、八方のゴンドラが点検のため臨時で運休だったのです。
ですので急遽代替案を検討し、リストアップされたのがこの平標山でした。
雪山教室の〆が北アルプスというのを楽しみにしていた受講生も多かったため
参加人数は少し減ってしまいましたが、個人的には瓢箪から駒でした。

というのは、去年の四月に谷川岳・天神尾根から平標山に続く稜線を眺めたときに
「いつかあの向こうまで辿っていこう」と思いまして、それに先だって
近いうちに平標山側の様子を見に行かないとな、と考えていたところでしたので。
下見に来る手間がはぶけて助かりました。
唐松岳は、夏山とはいえ既に二回登っていて、どうしても行きたい!というほどでは
ありませんでしたので、むしろこちらの方が良かったかも。
…ただ、やたら暑かったのには閉口(^-^;

平標山の家より

行程は、初日は元橋駐車場から平標山の家まで登ってテント設営、
二日目は稜線まで残雪の上を登った後、仙ノ倉山まで往復して下山、になります。
あまりの暑さゆえ、これは登っても雪がないんじゃないか?と懸念されましたが
上の方は雪が残っていて一安心。

仙ノ倉山への稜線

今回の講習は、唐松岳に行けなかった分、楽しい登山にしようという切嶋主任の配慮もあり
トレーニングのメインである二日目もそれほどハードな内容ではなく
稜線に出た後は半分ハイキングのようなものでした。
ちなみに、稜線までの雪面はそこそこの斜度があり、初回講習の頃のレベルなら
何人か下まで滑り落ちてもおかしくないようなところでしたが、
誰も問題を起こさずに登り終えたのは、この一連の講習の成果が形になったと言えるでしょう。

二日目は午後の早い時間には下山して、温泉に入ってから帰宅。
こうして、去年から始まった雪山教室は終わりを迎えたのでした。

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★講習を終えて

去年の11月から半年間に渡って受講したこの雪山教室。
少々苦労もありましたが、個人的にはとても有意義な半年間でした。

今は山ブームということもあり、受講するかどうか悩む人も多いと思いますので
僭越ながらそんな方々へのアドバイスを兼ね、感想を書いてみます。


まず、この雪山教室は「今まで雪山に登ったことがない人」向けの企画です。
参加者のレベルはピンキリでしたが、講習内容はあくまで初心者に合わせて行われます。
また、勘違いされている方も散見されますが、実技に登攀要素はないので
(ロープは使うもののそれはあくまで滑落防止のため)
ピッケル・アイゼンだけで比較的容易に登れるレベルの山が講習の舞台になります。

従って、既に山岳部などで雪山登山の経験がある方は、
この講習を受けても大きな経験は得られないと思います。

また逆に「これまで全く山に登ったことがない方」も、体力に不安があるなら厳しいでしょう。
いくら初心者向けとはいえ、雪山に登るにはそれ相応の体力が必要です。
例えば富士山講習だと、初日は氷点下の雪道を1,000m登り、そこから練習が始まるわけで
この1,000mの登りで疲弊してしまうようだと、斜面での練習ができなくなってしまい
何しにいったのか分からなくなってしまいます。


個人的には、この講習をもっとも有意義に受けられる層は
「これまでに登山の経験はあるが、雪山について山岳会や講習などで実技を学んでいない方」
だと思います。要するに、自分のように自己流で登山をしている層です。
更にこの講習を受ける目的が「難しい雪山に挑めるようになりたい」ではなく
「雪山にもっと安全に登れるようになりたい」だとベストでしょう。

講習で教わるのは基礎です。
雪上でいかにしっかりと歩くことができるか、滑落停止とはどのようなものか
雪庇に乗るのを避けるにはどうするか、低体温症をいかに防ぐか…といったことを学びます。
冬の剱に登るにはどうするか、ということを学ぶのではありません。
この講習を受けただけで冬の剱に挑んだら、まず間違いなく生きて帰ってこられないでしょう。

なので、例えば既に独学で冬の八ヶ岳に何度も登っていて、
それらの登山で特に不安を抱いたことがないような方は、
この講習内容だとちょっと物足りなく感じる部分があるかもしれません。

一方、たとえば自分のように、これまで何度か雪山に問題なく登れていても
今回は天気が良かったから登れたけど… とか、
この程度の斜度なら登れるけどこれ以上角度がついたら厳しいよな… というように
独学での雪山登山技術に自信がないなら、この講習は間違いを正し、逆に合っているところは
自分のやり方が正しいんだと自信を持って言えるようになる、そんな機会になると思います。

山岳会に入っていない/入ったことのない登山者にとって、
山を生業にしているような技術の高い人から、きちんとした技術を教わる機会というのは
そうそうあるものではありません。
ですので、僕にとって今回の雪山講習はまさに得難い経験になりました。
また、山に対してどう向き合っているかというのは人それぞれですが
やはり本気で山に取り組んでいる方は、考え方が自分のようなハイカーとは全く違いまして
そういう方々と話せることで、これからの自分の方向性について改めて考えることができたのも
とてもありがたいことでした。


今日は微妙に酔っぱらいなので支離滅裂になっている部分もあるかと思いますが
受講料77,000円を払って(実際には実技の交通費などもあるため10万超)講習を受けるかどうか
お悩みの方々に、少しでも参考になりましたら幸いです。
僕は栃木からの参加なので交通費がかなり痛かったですけど、それでも参加して正解でした。
講師の方々、本当にありがとうございました。

2013/10/06
前回予告した通り、9月の3連休は南ア・北岳へ。
9/21、9/22の土日両日とも晴れて、最高の山行になりました。

北岳山荘・テント場

北岳には山頂近くに二つのテント場がありますが、今回お世話になったのは北岳山荘の方。
富士山の展望が見事な、開放感のあるいいテント場でした。

北岳山荘から西方面を望む
クリックで拡大(2237*600 380KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

ただ、さすがは3連休。
近年の山ブームと、その前の3連休が雨だったこともあって、南アルプスにも人が殺到。

大樺沢を登る

ここは富士山か!?と言いたいくらい、登山道に人が溢れていました。

芦安の大混雑(AM4:00着なのに駐車場は第八、バス10台発車でも足りず)を見ていて
これはヤバイ、と急ぎに急いで登った結果、12時前にはテン場につけたため
自分たちはテント場で張る場所を選び放題でしたが、その一時間後にはもう一杯に。
快適な場所に張りたい方は、くれぐれも早めの到着を心がけるようにしましょう。

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さて、結局南アルプスはこの北岳のみになりましたが、快晴に恵まれて満足してしまったので
今年のアルプス登山はこれで終わりにしようと思っています。
10月に入るとテント泊はだんだん辛さが楽しさを上回るようになってくるんですよね、寒いので…

それと、実は8月の会津駒で転倒してD90を壊してしまったのも
モチベーションの低下につながっていたり。
今回はコンデジを持ち出したんですけど、やっぱり写真を撮っている感じがしないんですよね。
思う通りに撮れないし… ですのでD90を直すか、買い換えるかするまでは
これまでの登山記をまとめたりして過ごそうかと思っています。

7月から裏銀座(敗退)、笠ヶ岳、立山、白馬三山、北岳と
今年は例年になくアルプス入りする機会に恵まれ、テント泊は合計で9泊。
後半は天気も良かったので、充実した夏シーズンになりました。

次の高所登山は、毎年恒例の年越し登山。雲取→甲武信ときて、次はどこで初日の出を見ようかな…?


EXIT