Snow Trekking | |
---|---|
浅間山(前掛山)[敗退]【日本百名山】 | 2013/02/03 |
群馬県吾妻郡嬬恋村/長野県北佐久郡軽井沢町 /御代田町 [2524m(前掛山) / 2512m(到達点)] | 所要時間:8時間35分 |
消費カロリー:計測せず | |
本日天気晴朗ナレドモ風強シ | GPSログ記録はこちら(別窓) |
■Introduction 上信越道を走っていると、ひときわ目を引くのがこの浅間山。 特に真っ白な雪に覆われた時の姿は、他の山とは比較にならない迫力があります。 噴火レベルが「1」になり前掛山までの登山が可能になった今、登らない手はありません。 しかし独立峰のため天候の移り変わりが激しいのに加え、登山口から遠いこともあって 山頂到着時の天候を予測することは難しく、去年は悪天候で敗退。 今年こそは!と、不退転の決意で望んだのですが… ※タイトルでネタバレしている通り、結果としては今回も敗退しています。 そのため山頂からの展望などはありませんのでご了承ください。 ■滑り出しは上々 今回は写真が少ないのと敗退なので、超・飛ばし気味に書いていきます。 まずは登山の出発点となる、天狗温泉 浅間山荘の駐車場へ。 ご存じの通り浅間山は活火山なので、立ち入れる範囲が制限されています。 この時点(2013年2月)の噴火警戒レベルは最小の「1」ですが それでも通れる登山道は車坂峠からと、天狗温泉からの二つのみ。 このうち、車坂峠からのルートは積雪期に通るのは難しいので この時期に楽に登山するのであれば、天狗温泉からが唯一のルートになります。 ※違反者が目立つのであえて書きますが、浅間山の山頂は立ち入り禁止です。 (自己責任で入っていいのではありません) なので今日の目的地は、浅間山の山頂ではなく、外輪山である前掛山の山頂になります。 信濃毎日新聞の「信州山小屋ネット」の2006/10/23の記事に 「浅間山火口立ち入り対応に苦慮 登山者に問われる自覚」というものがありました。 自分の身勝手な行動が周りにどれだけ迷惑になるか自覚し、モラルを持って行動したいものです。 ----- 車は天狗温泉の駐車場に停めさせていただきます。 駐車上はそこそこ広く、30台ほど駐車可能のようです。(トイレもありますが冬期は使用不可?) 駐車場も林道も雪が積もっているため、スタッドレス以上の装備は必須です。 今はまだ夜明け前なので、駐車料金\500は下山してから払うことになりますね。 準備を整えて、6:04、駐車場を出発。 天狗温泉からゆるゆる登ること45分ほどで、一の鳥居へ(6:50) ここから傾斜が厳しくなり、また凍結している場所も多くなります。 特に不動滝のあたりは凍結が激しく急傾斜なので、ここからアイゼンをつけた方がいいかも。 なお、この道中に火山館で使う薪が置いてあることがあります。(ないこともあります) 軽いのでいいので持って上がるといいでしょう。ちなみに前回はやたら長いのを持って 「RPG〜!」とか言ってたら、火山館までに体力を使い果たしました… 道中で右手前方に見えていた牙山(ぎっぱやま)の脇に差し掛かると、ようやく傾斜が緩みます。 ただ、この辺になると今度はズボりはじめるように… 百名山とはいえ、さすがにこの時期になると登山者も少なくなるため しっかりしたトレースがついていることは多くないようです。 スノーシューを使いたいところですが、この後にまた急登が待っているため ここは我慢してツボ足で抜けていきます。 たまにカモシカに会えるのが救い、かな? 振り返ると八ヶ岳がきれいに見えました。 沢の脇、狭いトラバース道を抜けて対岸に渡ると… ルートのおよそ中間点である火山館に到着します(8:35) ■木々をかき分けて 毎回、ここまでは何だかんだ言いながらも順調にたどりつきます。 問題なのはここから。 火山館からしばらくの間は、この行程で最も雪が深い部分になります。 トレースがついていればいいですけど、そうでないとスノーシューでもズボりまくって一苦労。 更に、しばらく進むと道は木々の中に突入します。 雪のせいで自分の目線に枝があるので、かきわけて進むのが大変… 個人的には、ここが一番歩きたくないところです。 枝を変に手で払ってしまうと、跳ね返ってきて顔面をヒットするので痛い!(TДT) パーティで進む時は、自分だけでなく後の人にも当てないように注意しましょう。 しかし、ここを抜けさえすれば… パッ!と視界が開け、ついに浅間山がその姿を現します。 ここからは吹きさらしになるため積雪が少なく、歩くのは楽になりますね。 なお、今のルートを振り返るとこんな感じで、遠目からではどこから出てきたのか分かりません。 樹林を抜けた時に写真を撮るなどして、帰りに迷わないように工夫するのをお勧めします。 山裾をしばらくトラバース気味に歩くと、いよいよ本日のハイライトであるシェルターへの登りへ。 今回の行程で唯一緊張するところです。 斜度はそれほどでもないんですけど、吹きさらしなので雪がクラスト気味で アイゼンが刺さりにくく、少々足下が不安。 また、このあたりから徐々に風の強さが増してきました。 今日は天気図によると午前中は強風。昼頃には弱まる予想ですが、もとより風が吹く地形なので 右手から容赦なく風が吹き付けてきます。 耐風姿勢を取りつつ、風の合間を見て一歩ずつ確実に歩を進めていきました。 ■ゴールはもう目の前! なのに… 緊張の数十分間が過ぎ、ようやく前掛山のふちに到着(10:56) これでもう難しいところは全てクリアしました。 あとはこの旧火口壁沿いに前掛山の山頂を目指すだけ。 画像右側から山頂に向かってゆるゆる登っていくだけなので楽勝です。 山頂までの高低差はもう100mちょっとを残すのみ。 果たして、あの超絶快晴の山頂ではどんな展望が待っているのか…!? 期待に胸を膨らませながら、ウィニングロードへ歩み出しました。 …ところが、数分も歩くと突然 ビュオオオオ〜! と右前方から勢いよく風が吹きつけてきました。 思わずよろけるほどの強風。 風は南西方向からのもので、さきほどまでは尾根の影にいたので影響がなかったのですが 尾根に上がったことでモロに直撃を受けることになったようです。 しばらくはよろけながら歩けたものの、進むごとに風は強くなり、やがて ドゴオオオオオォォォー!! と爆風に! 2、3歩ほど火口壁の崖側によろめいたので、とっさに雪山教室で覚えたての耐風姿勢に移行。 習って良かった耐風姿勢! しかし、待てど暮らせど風は一向に弱くなりません。一瞬弱くなるタイミングすらありません。 ですので立ち上がれず、耐風姿勢のまま氷点下の風をあびて冷やされ続けるだけに。 意味ないぜ耐風姿勢!(笑) そんな中腰体勢のまま、これからどうするかを必死に考えます。 とにかくここから立って歩くのはまったく不可能。 這って進めば行けるかもしれませんが、この先も同じ風の強さが保証されているわけではないので もし更に風が強くなったらそこで進退窮まってしまいます。 ミスって崖側に吹っ飛ばされたりしたら人生終了。 …だめだな、こりゃ(´・ω・`) 山頂がもう目の前である今、引き返すのは悔しいですけど 無理して事故ったら迷惑千万ですからね。 今日は天気図の読みが甘かった自分のミスですから、仕方ないです。 またいつかリベンジすることにして、今日は撤退することにしました。 なんとかシェルターまで逃げ帰って昼食。 この辺りは静かなもんなんですけどね… ■帰路は疲労困憊 さて、そうと決まればもう下るだけ。 ただその前に、中途半端な位置からですがパノラマを取っておきます。 クリックで拡大(4965*600 895KB 画面下スクロールバーで右方向へ) クリックで拡大(2967*600 650KB 画面下スクロールバーで右方向へ) この日は過去の雪山の中でもずば抜けて空気がクリアでした。山頂まで行ければなぁ… 下り斜面は登り以上に慎重に。 今日は行程が長い上に、スノーシューを履いたりアイゼンを着けたりで足が重かったため この頃になると徐々に疲労が蓄積されてきて、ただ下るだけとはいえ一苦労でした。 14:36、天狗温泉に帰還。8時間半の山旅が幕を閉じました。 天気そのものには恵まれたものの、強風に阻まれた今回の登山。 ちょっと風を甘く見ていて反省です。進めなくなるほどだとは予想していませんでした。 空気がきれいな時期なら最高の展望が楽しめそうなので、いつかまたリベンジします。 |