Trekking【日本百名山】
仙丈ヶ岳2011/09/10-11
山梨県南アルプス市/長野県伊那市 [3033m]所要時間:12時間12分
雲上に広がる大絶景! これぞ夏山の醍醐味GPSログ記録はこちら(別窓)


1日目 9/10(土) 【 北沢駒仙小屋 → 甲斐駒ヶ岳(敗退) 】
2日目 9/11(日) 【 北沢駒仙小屋 → 仙丈ヶ岳 】


2日目 9/11(日) 【 北沢駒仙小屋 → 仙丈ヶ岳 】

夜間は風もなく、十分な睡眠をとることができました。

2日目は朝3時半に起床。テントは下山後に畳めばいいので、時間に余裕があるのがいいですね。
見上げれば満天の星空、今日の展望に期待が高まります。
のんびり朝食を採って、4:36、サブザックの軽量装備で、いざ仙丈ヶ岳へ!

あ、今日は水はちゃんと持っていきますよ、過剰なほどに(^-^;

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テン場から一旦北沢峠方面に戻ると、途中、左手に登山道があります。
仙丈ヶ岳への登山道は、ここ以外に北沢峠を基点とする道があり、恐らく本来の道は
北沢峠から延びている道の方だと思うのですが、
この登山道を登っていっても、二合目で北沢峠からの道と合流しますので
わざわざ北沢峠まで行く必要はないでしょう。

樹林帯の急登

やがて夜も明け、ヘッデンなしで歩けるようになりました。

スタートから当分の間は、樹林帯の中を縫うように登っていくことになります。
見通しは効きませんし、それなりの急登、それに加えてまだ身体が登山モードになっていないので
きつく感じられる区間だと思います。焦らず、一定のペースでゆっくり登るのがいいでしょう。

大滝ノ頭

五合目:大滝ノ頭着、6:29。ゆっくり歩いた割にはいいペースで登れています。
やっぱりちゃんと寝られると体調がぜんぜん違いますね〜♪

あ、そうそう、仙丈ヶ岳に北沢峠側から登る場合、ピストンでなく周回ルートにするなら、
今回のように、北沢峠→五合目→小仙丈ヶ岳→仙丈ヶ岳→馬ノ背ヒュッテ→北沢峠、の
時計回りが断然お勧めです。
なぜなら、こちらの方が視界が開けるのが早く、展望の良い稜線歩きを朝から満喫できるからです。
夏場は、朝の空気の澄んでいる時間帯にどれだけ展望を楽しめるかが勝負ですからね。

ですので、五合目の分岐は正面(小仙丈ヶ岳方面)を選びます。

振り返れば甲斐駒の勇姿が

高度を上げていくと、徐々に樹林の密度が薄くなり、後方は展望が効くようになってきました。
振り返れば、晴れ渡った空に甲斐駒ヶ岳の勇姿が(・∀・)

ただ気になるのが、もう雲がだいぶ高いところまで来ていること。
甲斐駒の向こうに見える雲が上がってくる前に、山頂にたどり着けるかどうか…
雲との勝負ですね。

五合目から小仙丈ヶ岳までは今日の行程でもっとも厳しい登りになります。ここが頑張りどころ。
ペースを崩さず、一歩一歩着実に高度を稼いでいきます。

樹林帯を抜けるか!?

そして、五合目から登ること20分。
ふと顔を上げると、木々の間に青空が覗いています。これは、ひょっとして…!

気分爽快!

森林限界キタ━━(゚∀゚)━━!

同高度に視界を遮るような雲はありません。よし、よし、よし!



■この夏、もっとも楽しかった時間

さて、ここからがこの二日間のクライマックスと言える、至福の雲上散歩の始まりです。
周りはハイマツ、雲はまだ眼下を流れていて、視界を遮るものは何もありません。

日本の1位、2位が揃い踏み
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南東を見ると、北岳と富士山が揃い踏み。

まさに雲上散歩
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そのまま左に目を向ければ、栗沢山とアサヨ峰、その奥には鳳凰三山。

仙丈ヶ岳
クリックで拡大(1072*712)

そして南西には、これから向かう仙丈ヶ岳が、広大なカールを抱えてそびえ立っています。

これは凄い…!

こうなるともう、今日の目的だったはずの「仙丈ヶ岳の登頂」がどうでも良くなってきます。
僕が山に登る理由は、ピークを踏みたいからではありません。
山を歩いて、普段見ることのできない景色を見、普段味わうことのできない感覚を感じることで
心身をリフレッシュさせると共に、日々の生活で忘れがちな、生きている幸せを実感するためです。

その意味で、今ここをこうして歩いていること、これ自体が今日の目的であると言えるでしょう。
日差しは強くとも、吹き抜ける風は涼やかで、まさに今がベストコンディションと言える状況。
この時が、この夏の登山の中で、一番気持ちのいい時間だったと思います。


今が一番厳しい登りであることなどすっかり忘れ、
半ば夢うつつの状態で、辺りを見回したり、写真を撮ったり…

小仙丈ヶ岳・山頂

そしてふと気づけば、そこが小仙丈ヶ岳でした(7:27)

展望の様子は以下二枚のパノラマをご覧ください。
いまや一部の山以外は雲海に沈みかけているため、展望の説明用としてはいまいちなパノラマですが
雰囲気という意味では、この夏に撮ったパノラマの中で一番のお気に入りです。

小仙丈ヶ岳から東方面の展望
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小仙丈ヶ岳から西方面の展望
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■登るのが先か、雲が来るのが先か

ひとしきり展望を満喫したら、いよいよ山頂を目指して出発。

仙丈ヶ岳へ

この頃になると、目の前をガスが横切ることも多くなってきます。
山頂での展望を期待するならできるだけ早く登頂しなければなりませんが、
既に今日の登山には十二分に満足してしまっている上に…

雲海に浮かぶ鳳凰三山
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雲の流れる様子が芸術的で、写真を撮っているとちっとも前に進まない(^-^;
ということで、相変わらずのんびりペースになりました。

なお、この北沢峠からのコースには、体力的にはともかく、技術的に困難な箇所はありません。

ちょっとした岩場

もちろん3,000mを越える高峰ですから、さすがに岩場の一つや二つは乗り越えないといけませんが
険しいところでもこの程度。足元に不安がなければ難しくも何ともないでしょう。
高所恐怖症の人も、怖く感じるところはほとんどないと思います。

頂上まであと少し、焦らずに!

山頂近くのトラバース。ここを越えればもう山頂は目前です。
ガスは目の前を流れたり切れたりしていますが、ここまで来たらもう運任せ。
どうせなら、晴れてくれるといいけど…

仙丈ヶ岳・山頂

登山者で賑わう山頂に着いたのは8:59。ちょうどよく、ガスは流れてくれました(^-^)



■下山はやっぱり長かった

仙丈ヶ岳の山頂は、その大きな山容とは裏腹に、かなり狭いです。
上の画像に写っている範囲がほぼ山頂全体と言ってもおおげさではないくらい。

それほど疲れてはいませんでしたので、展望を楽しんだら、仙丈小屋に降りることにしました。

仙丈ヶ岳から北西方面の展望
クリックで拡大(3568*600 905KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

と、その前に、パノラマを一枚。晴れてくれていてよかったです。
何だかんだ言っても、これが撮れなかったらやっぱり心残りだったかも。

時刻はまだ9時ですが、ほとんどの山はもう雲の中。
鳳凰三山や富士山も雲に飲み込まれつつあります。
夏の山はいかに朝早くから行動できるかが命運を分けるよな…と改めて思ったのでした。

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さて、それでは下山を開始しましょう。
まずは眼下の仙丈小屋まで。ここはパノラマを見ていただければ分かる通り
山頂からすぐ近くですので、辺りの景色を堪能しながら歩いていれば、あっさり到着します。

仙丈小屋

仙丈小屋着、9:14。
表から見る限り、高所にある割にはずいぶんキレイな山小屋ですね。
晴れた日にここに泊まれたら、朝晩の風景は最高なんだろうな、と思うようなロケーションでした。

ここで昼食を兼ねてしばし休憩。

南アルプスの天然水

なお、小屋からほんの少し下ったところに水場があります。
夏場は涸れることもあるというこの水場も、今日は水がこんこんと流れ出ていました。

昨日の反省で水は大量に担ぎ上げてきたので、ザックの中にはまだ水が2L以上入っていますが
どうせなら冷たい水が飲みたいよね、ということで一口飲んでみました。すると…

うま━━(゚∀゚)━━い!

これは旨い! 冷え切った水が、火照った身体に染み渡っていきます。
去年、鳳凰小屋前で飲んだ水も旨かったですが、これはそれ以上かも!
腹が冷えたらヤバいよな…と思いつつ、ついついがぶ飲みしてしまったり。

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これで腹も一杯になったし、冷たい水で暑さもだいぶ和らぎました。
ここからは一気に行きますよ!

馬ノ背ヒュッテ

仙丈小屋からしばらく展望の尾根を歩き、樹林帯の中を急降下すると馬ノ背ヒュッテへ(9:57)

沢に沿って下る

そして馬ノ背ヒュッテから少し歩けば、藪沢に降り立ちます。
ここからは仙丈藪沢小屋を経由して、五合目(大滝ノ頭)に戻ることもできるのですが
同じ道を帰るのもなんですから、このまま藪沢沿いの登山道を降りていきます。

ただ、この道はあくまで沢沿いの踏み跡のような道ですから、歩きやすくはないです。
小屋関係者の方々?が整備してくださっているので、要所要所にはロープがあったりして
「ここはどうやって通るんだ!?」なんて悩むようなところはないものの
足にはあまり優しくなく、山登りに慣れている人でないと戸惑うかもしれませんね。

小さな滝も

その代わり、こんなちょっとした滝があったりするので、視覚的にはこちらの方が楽しいかも。
谷間なので日が差さない=暑くないのもメリットです。

※余談ですが、この下山中に、若い男女ペアのパーティに追い抜かれました。
 そのパーティ、服装や装備を見る限り、どうもどこかの小屋のスタッフのようなのですが
 ボッカは人力なんだ…ということにちょっと感動。
 そしてそのお二人、さすがに歩くのが早い! 
 それでいて、道に落ちている小さなゴミも見逃さず拾い集めていくその姿を見ていると、
 やっぱり山で働く人は、モラルと言うか、山に対する姿勢が違うんだな、と感心しきりでした。



終盤で登山道は沢を離れ、森の中へ。

大平山荘

馬ノ背ヒュッテから1時間強、山頂からだと標高差1,000mほどをひたすら降り続け
そろそろ疲れてきたぞ…と思いだした頃、ようやく車の音が聞こえ始めて
やがて太平山荘に降り立ちました。(11:23)

で、やった〜、着いたぜ! と思ったのもつかの間、
ここから北沢峠まではまさかの登り返しなのでした。(しかも樹林帯の急登)

これは本当にきつかった… 標高差たったの70m程度なのに、もう息も絶え絶え(^-^;

北沢峠に帰還

そんなこんなで、今度こそ本当に北沢峠に到着です(11:35)
最後はバテバテでしたけど、昼前に帰ってこられてよかった(^-^)

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ちなみに、昼前に帰ってきたかった理由は、北沢峠→仙流荘のバスが13時発だからなのですが、
この後、長衛荘で「かちわりカフェミルク」を堪能したり、テン場に帰ってのんびりしていたため
結局13時のバスは乗り逃しました(笑)

次は16時発なので3時間待ちか… とブルーになりかけるも、人が集まり次第
臨時便を出してくれるとのことで一安心。
でも、待ってみるとこれがなかなか集まらないんですよね(^-^;

結局、2時半くらい(だったかな?)にようやく人数も揃い、仙流荘まで帰ることができました。
これで今回の登山は本当に終わりです。お疲れさまでした!



終わってみれば、期待以上の展望に大満足した今回の南アルプス。
本来の目標だった甲斐駒への登頂は果たせませんでしたが、これは不可抗力でもなんでもなく
自分の不注意が原因ですから、むしろ諦めがつくというものです。
それよりも、夏の登山でこれだけ天気に恵まれたということは、本当にラッキーでした。

今回のコース、特に仙丈ヶ岳は(行程は長いものの)技術的に難しいところがないわりに
展望が抜群ですから、ある程度の体力と万全の装備がある人には、ぜひお勧めしたいコースです。
甲斐駒は…最後まで登ってないので終盤は分かりませんが、こちらもそれほど難しくはない様子。

ただ、夏だと、特に甲斐駒は早い時間から雲が沸きやすいですから、北沢峠周辺で前泊するか
遅くとも仙流荘を始発のバスで出ることをお勧めします。

甲斐駒はいつかリベンジします、必ず!

EXIT