Snow Trekking | |
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雲竜渓谷 | 2011/01/29 |
栃木県日光市 [1370m] | 所要時間:6時間47分 |
消費カロリー:3609kcal | |
厳寒期 日光の秘境へ | GPSログ記録はこちら(別窓) |
![]() ■Introduction 僕が雪山登山を始めた理由、それは「冬ならでは」の景色が見たかったからです。 そして雪山装備が揃ってくると、それに伴って、行動できるフィールドは 山以外にも広がってくることになります。 そんな訳で、今回はピークハントは一回お休みして、新たな視点で「冬ならでは」の景色を 見に行ってみたいと思います。 向かう先は日光の雲竜渓谷。恥ずかしながら、2011/02の山渓を読むまでは知らなかった場所です。 地元にこんな場所があるとは… これはもう、行かない手はないでしょう! ■6時前にして林道ゲート前は一杯 さて、登山口までのアプローチが分かりにくい場合は、最初にその説明から入るのが恒例ですが、 今回はちょっと説明がしづらいです。 単純に書くと、日光宇都宮道路を日光ICで下りて左折 → 適当なところで右折して、 一本横を走っている119号線に乗る → 東照宮にぶつかる神橋のT字路で右折 → 川を渡る直前の左手にある林道に入る、となるでしょうか。 ちなみにこの林道は本当の林道で、道幅は完全な一車線で除雪も不完全ですし、傾斜もそこそこ、 待避スペースは多くなく、早朝はアイスバーンになっている…と、FF車にはかなり厳しい道でした。 念のため持っていったチェーンの出番はかろうじてなかったものの、スタッドレスでは ホイールスピンする場面もあり、道中はヒヤヒヤもの。できれば4WD車で来ることをお勧めします。 ----- 林道の途中にあるゲート前に着いたのは6:00頃。ゲートは閉鎖されていますので一般車はここまで。 で、山渓によると10台ほどの駐車スペースあり、とのことでしたが どう見ても7台が一杯一杯な感じで、既に先客さん達に停められており 自分たちが停めるスペースはありませんでした。 むりやり停めようとすれば停められたかも知れませんけど、あの傾斜地+アイスバーンで 他の人の車にこすることなく、狭いスペースに車をねじ込むのは至難の業なので… ※駐車スペースに関しては除雪の仕方によって変わるようで、過去の登山記録を見ていると 確かに10台停められるような場合もあるようです。 そのため、仕方なく、かなり下ったところにある広い待避スペースに駐車。 僕より後から来た方々はゲート前のすぐ下にある待避スペースに停めていたようですが、 その辺の待避スペースを埋めてしまうと、後から来た車が離合できなくなるので (実際、タクシーなどはそのせいでだいぶ困っているようですし) せめて待避スペースを完全に埋めないように、少し離れたところに分散して停めるのが マナー、というか一般常識じゃないのかな、と思います。 ----- ともあれ、とりあえず車は停められたので一安心。 今日は午後から曇ってくるようですけど、今日のお目当てである渓谷の氷柱群は 必ずしもピーカンの日の下で見たいというものではなく、曇っていてもそれなりの味がある画に なりそうな被写体ですから、猛吹雪にでもならなければ問題なしです。 と、朝食を採りながらのんびりしていると、何台かの車が脇を駆け抜けて行きました。 最初は複数人のグループかと思ったのですが、車列は途切れることなく続いていて、 よくよく見ると、中には栃木県警の車や、TVの取材車も混ざっているようです。 これは、ひょっとすると、恒例の「あの行事」とかち合ったのかも? ■道迷いの余地はなし… なのに、いきなり道間違い さてさて、それではいよいよ氷柱見学に出発しましょう。 まずは先ほどUターンしたゲートまで… ですが、ずいぶんと下りてきてしまったようで 登り返しは結構な重労働でした。後で地図を見てみたら2km近くもあるし(^-^; ![]() ゲート前着、7:12。 先ほど通り過ぎていった大量の車列は、予想通り影も形も見あたりません。 最初に来た時に、ゲートのところに地元の警察署の方がいたので、何をしているのかなと 思っていたのですが、彼らが通るのに備えてゲートを開けに来ていたのでしょう。 では我々も後に続きますか… と一歩踏み出したところ、横から「そっちは違いますよ!」と声が。 上の写真は林道ゲート分岐のうち、右側の方の道を写したもので、僕はこっちが進行ルートだと 思っていたのですが(正確には何も考えていなかったと言った方が近いかも…) 雲竜渓谷に行くなら、林道を道なりに(上の写真だと左方向に)登っていくべきなのです。 登山口でいきなり道間違いって(^-^; こういう人達が遭難予備軍なんでしょうね… 注意してくれたおじさん、ありがとうございました。 ![]() 改めて、本来のルートである林道へ。 ここからは赤薙山・女峰山に向かって、ひたすら高度を上げていくことになります。 目的の雲竜渓谷までは2時間弱の道のり。 登山者の中にはなぜか林道歩きを毛嫌いする人もいるようですが、僕は何度も書いたように 林道歩きは苦にならない質ですし、今日は無風だったので氷点下10℃でも寒くは感じず、 静かな雪景色の中を歩いていくこの行程は、それなりに楽しいものですらありました。 ゲートから45分ほどで、最初のランドマークである稲荷川展望台に到着。 ![]() 更にそこから20分弱で、洞門岩(の対岸?)に辿り着きます。 ここは広いスペースになっていまして、予想通り、栃木県警やNHK取材班を含む車列は ここに駐車していました。まあ、彼らはお仕事で来ているんですから、このくらいの特権?は 認められてしかるべきかも知れません。 この洞門岩で道は二手に分かれます。 右手に下っていく道は沢に出て、沢沿いに雲竜渓谷を目指す道。 そして左手に上っていく道は、これまで通り林道を通って雲竜渓谷を目指す道です。 沢沿いはなかなかアクロバティックな道だそうですので、素人ハイカーの我々が 即決で林道を選んだのは言うまでもないでしょう(^-^; ![]() 洞門岩を過ぎると積雪量も一気に多くなり、徐々に山深くに入り込みつつあることが実感されます。 稲荷川展望台の辺りと比較すると、カーブミラーの埋まりっぷりが激しいですね。 ![]() ここも今や人気スポットなので、先行者のトレースがない、ということはレアケースでしょうけど もし自分が最初にトレースをつけるのなら、スノーシューかワカンが欲しいぐらいの積雪でした。 今日は二番煎じどころか二十番煎じくらいですのでトレースはバッチリ。ツボ足で余裕です。 ただ、洞門岩を過ぎてからは林道がしばらくつづら折れになっているため、全部道なりに歩くと 結構な距離を歩く羽目になってしまいます。 上の道路までの傾斜が緩いところはショートカットしたくなりますが、電線がすぐ頭の上に あったりするので、もしショートカットするなら慎重に。 ![]() そんな林道を登り続けること約45分で、遂に雲竜渓谷の入口まで辿り着きました。 車を降りてからここまでは2時間以上の道のり。 それに対して、ここから雲竜瀑までは、コースタイムにしてたったの15分の距離しかありません。 しかし、その15分のためにここまで歩いてきたのです。 果たして、その労力に見合うだけの景色に巡り会えるのでしょうか…!? ■そこは雪と氷の殿堂 ここからは渓谷の中を歩くことになるので、ここで軽アイゼンを装着。 実際のところ、アイゼンがいるかどうか?と問われると微妙で、朝一でなければ アイゼンなしでも雲竜瀑手前(直下ではない)までは行けるだろうな、という感じでした。 (最初の階段のところで滑り落ちていくかも知れませんが…) ただ、徒渉が何度かありますし、より安全を期すならせめて軽アイゼンは持っていくべきです。 大した重量じゃありませんしね。 ![]() 徒渉を繰り返しながら、沢の奥に向かって進んでいきます。 登山ガイドにある"徒渉"という言葉はピンキリで、飛び石伝いに濡れることなく渡れるものも徒渉、 腰まで水につかって渡るのも徒渉ですが、ここの徒渉はこんな程度↓ ![]() 場所によっては登山靴は足の甲まで水没します。 もっとも、今の時期は渡る場所さえ選べば、足首まで水に浸かるようなことはないので 防水性がしっかりしたハイカットの登山靴なら特に問題にはならないでしょう。 (逆に言うと、防水性に難のある靴でここに挑むのは無理があります。足の指がなくなりますよ!) また、バランス取りのためにストックがあると便利だと思います。 こんなところで転んだら大変なことになりますしね。 ![]() 進むにつれ川幅は徐々に狭くなっていき、いよいよ核心部に近づいて来たことを予感させます。 前方に目指す氷柱群が見えてきますが、この辺りでも既に、普段は目にすることのできない光景が 広がっているため、写真を撮るのに忙しくてなかなか足が進まなくなってきました。 例えば上の写真の左岸(遡行しているので、向かって右側の岸のことです)ならこんな感じ。 ![]() クリックで少し拡大(903*600 191KB) 氷柱って、本当に青く見えるものなんですね! ![]() クリックで少し拡大(903*600 174KB) 振り返って見た雰囲気も良かったので一枚パチリ。う〜ん、この非日常感がたまりません。 ----- そして遂に核心部にやってきました。 まずは左岸から。 ![]() この辺りからは両岸の崖の高さが上がるため、見上げる形になって迫力が更に増します。 それにしても、あの崖っぷちの氷柱、あれだけの重量のものがぶら下がっていて よく落ちないな、と思わずにはいられません。 そしてクライマックスとも言うべき、最大の見所になる右岸の景色はこちら。 ![]() クリックで少し拡大(903*600 183KB) これを実際に現地で見た時の感覚は、僕のヘタクソな写真ではとても伝えきれないものでした。 綺麗だとか不思議だとか神聖だとか、見た人によって感想は様々でしょうけど、 個人的にはとにかく"凄い"と思いました。ここまでのスケールだとは予想していなくて… そのスケール感もうまく伝わっていないと思いますので、ちょっとだけ分かりやすくなるかも?と 改めて最初に載せた写真を持ってきました。 この写真には実は中央部に人が写っているんですけど、分かりますか? って分かりませんよね。ですので、クリックで中央が拡大表示になります。これでどうでしょう? ![]() クリックで中央部を拡大(838*600 148KB) ちなみに写真の方々はご覧の通り氷柱の裏側に回り込んでいるわけですが、これはこれで結構な チャレンジャーだったりします。と言うのも、この頃になると気温も上がってきて (まだ氷点下ですが)直射日光を浴びて溶け始めた氷柱がたまにバキッ…バシャアアァァン!!と 折れて落下していまして… 数百キロの氷の塊が落ちてくるわけですから、もし万一直撃を食らったら それこそ一巻の終わりなのです。 自分達も氷柱のすぐそばまでは寄ったんですが、裏側に回り込む勇気はなかったですね。 ということで、遠景ばかりになってしまってすみません。 ![]() クリックで少し拡大(903*600 232KB) 上流側からも。それから動画も撮ってみました。少しでも雰囲気が伝わるといいんですけど… とにかく、期待以上の光景に巡り会うことができました。来て良かった(^-^) ■雲竜瀑と訓練と さて、上の写真のところを過ぎると小さな(もちろん凍結した)滝があります。 これを登れば雲竜瀑まではすぐですが、滝はアイスクライミングの心得がなければ とても登れたものではありません。 ですので、山渓もそうでしたが、登山記によってはここで引き返している方も多いと思います。 ただ今回は、滝の右手に高巻きする道が作られていたので、我々はそこを通って雲竜瀑まで 行くことができました。 ※この道は結構な急傾斜なので、10本爪以上のアイゼンを使用することをお勧めします。 僕は軽アイゼン(6本爪)で登りましたが、あのチンケな爪はイマイチ信用ならなくて 正直ちょっと怖かった… ※更に余談ですが、この時、高巻きする道の取りつきを間違えて(またかよ!) 別の道に一歩踏み出しかけたら、横から「そっちは違いますよ!」との声が… 振り向いてみたら、声の主は、ゲート前でも注意してくれたおじさんでした。 きっと「ダメだこいつら…」と思われていたに違いありません(^-^; たびたびありがとうございました(恥) ![]() 雲竜瀑の下では、ご覧の通り、日光署と市遭難対策協議会の方々が救助訓練中。 そのため、滝壺周辺はずいぶんな賑わいになっています。 訓練をボーッと眺めながらのんびり昼食。気温はちょうど0℃、相変わらず無風なところに 冬の日差しが差し込んで、何とも穏やかな昼食休憩を取ることができました。 ----- さて、名残惜しいですが後はもう帰るのみです。 帰りも同じルートを往復することにしました。急ぐ必要もないのでのんびりと。 いつもいつもピークハントばかりでなく、たまにはこうした観光登山(?)もいいですね。 想像以上の光景だった雲竜渓谷、山渓効果もあってますます人気が出そうなスポットでした。 |