Trekking | |
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安達太良山 【日本百名山】 | 2010/10/23 |
福島県二本松市/郡山市/安達郡大玉村 [1700m] | 所要時間:3時間29分 |
消費カロリー:1775kcal | |
紅葉のピークは過ぎたけど… | GPSログ記録はこちら(別窓) |
■Introduction 10月も下旬になり、山で紅葉が見られる場所も限られてきました。 日光や那須の紅葉は去年見ましたから、今年はどこか違うところに行きたい――― そう思って、今回狙っていたのは磐梯山でした。 ところが、当日は寝坊という大失態をやらかしまして、起きたのは4時半… 今から出かけるにしても、同行者(弟)を東京まで迎えに行って、更に弟の都合で 彼を17時までに東京に送り届けなければならないとなると、磐梯山登山は不可能です。 そこで、今回はゴンドラでお気楽登山ができる安達太良山に目標を変更しました。 先週のヤマノボリさんの写真は綺麗でしたから まだギリギリ紅葉は残っているかと思ったのですが… ■紅葉はもうほとんど終わり 東北道をかっ飛ばして二本松→あだたら高原スキー場に着いたのは9:00過ぎ。 紅葉シーズンだし、この時間じゃ停められないかな…と少々不安で、 案の定、スキー場1km手前あたりから渋滞が始まりましたが、 それでも何とか、スキー場から500mほど手前の臨時?駐車場に停めることができました。 今日はもうシーズンも終わりですから、まだ余裕があったのかも知れませんね。 ピークの時はもっと早く着くことを強くお勧めします。 さて、改めて山を見回してみると… う〜ん、もうだいぶ葉が落ちちゃってるみたいですね。 紅葉情報サイトだとまだ見頃になっていたので もしかしたらと思っていたんですけど、さすがにもう赤い葉はほとんど見られません。 ちょっと残念(´・ω・`) でも折角ここまで来たんだし、今日は普通に登山を楽しむことにしましょう。 …と言っても、前述の通り今日はゴンドラに乗っちゃいますけどね。 そんなわけで、ゴンドラ「あだたらエクスプレス」山麓駅へ。 紅葉は終わりかけですが、絶好の外出日和とあってか、それなりの行列でした。 20分くらいは待ったでしょうか。往復\1,600の乗車券を購入していざ出発。 およそ8分ほどの空の旅を終えて、標高1350mの山頂駅に到着(10:19) パッと見る限り、半分以上の人は登山者と言うよりは観光客という様相でした。 ■山頂駅から安達太良山まで渋滞2km ここから安達太良山・山頂までは高低差350mの登りで、コースタイムは1時間半。 観光客の人が多いのもうなずけるほど、のんびりハイキングコースです。 時間もないことですし、ここは1時間くらいでチャッチャと登っちゃいますか! …で、今日の登山レポはシンプルにいきたいと思います。 というのも、道中はあまり書くことがないんですよね。 山頂駅から薬師岳パノラマパークにちょっと立ち寄って、あとは一直線に山頂へ向かいました。 ここから山頂までは、山頂にかなり近づくまで、低木の間の見通しの利かない一本道の登山道を 淡々と登っていくことになります。 登山道は木道だったり、土だったり、階段だったりと、整備はそれなりにきっちりされていまして 歩きづらいところやよじ登るところはありませんし、傾斜も緩やかなんですけど ただ、いかんせん狭いです。 ゴンドラ経由で山頂に行くと帰路は同じ道をピストンするしかないので、 早立ちの方々が降りてきていまして、すれ違いに難儀しますし、 登り組も登り組で渋滞して、追い越しもできないため、ペースは全然上げられません。 そんな訳で、山頂に近づくまでに撮った、というか撮れた写真は上の一枚だけです。 なにせ常に目の前に人がいるので… しかも今回は前にいたのが若い綺麗なお姉さんでしたから、 その後ろ姿を至近距離(1mも空いてない)でバカバカ撮ってたりしたら 下山後に二本松警察署に連行されてもおかしくない(^-^; 写真を撮らないでいいならむしろ歓迎すべきシチュエーションなはずなのに、 正直この時は「前が爺さんだったら気楽に撮れるのになぁ」と思ってました。 登山レポートを書くのも楽じゃないね… ----- そんな過酷(?)な登山道も、50分ほど登ると急に視界が開けて道幅も広くなります。 と思ったら、もう目の前には安達太良山の山頂が。 ここまで来ればもう着いたも同然です。 いや〜、久々に恐ろしく楽な登山でした。一ヶ月前の鳳凰三山では登りに六時間以上かかって 死にそうになっていたことを思うと、同じ百名山でもこうも違うものかと(笑) あ、ここで一つ注意を。 今日は快晴でしたから道迷いのリスクは皆無で その意味では、観光客ルックの人でもここまで登ってくるのは苦労しないと思いますが、 この山は西風が吹くことが多いらしく(今日もそう) その場合、この尾根まで来ると、今まで山に遮られていた風が 一気に押し寄せてきます。 ですので、ここまでのポカポカ無風登山道で汗をかきながら登ってくると、 ここでいきなり冷たい強風に襲われることになり、一気に体温が下げられてしまって危険です。 ゴンドラでピストンするだけの予定でも、防風着(できれば何らかのインサレーションウェア)は 必ず持ってくることを強くお勧めします。 ■山頂から見る「ほんとの空」 さて、1時間で登ってやろうという意気込みはすっかり消え失せてしまいましたが あとはもう目の前の岩場を登るだけです。 道は正面から右斜め上に上るコースと、左手から回り込むコースの二通りありまして、 人の流れで見ると、右から登って左から下りるのが賢明なようです。 …というか、いっそのこと一方通行にしちゃえばいいのになぁ。 すれ違えないところで人の流れに逆らって無理に下りてきたり、登ってきたりする人がいるので 無駄に渋滞気味になっています。どうしようもないのは見て分かると思うんですけどね。 ちなみに右は鎖とロープ、左はハシゴがありますが、技術的には難しくも何ともありません。 右は巻道もありますしね。 でもおばちゃんから「若い人は(巻道を使わずに)真っ直ぐ登れるわよ!」なんて言われて 「若い人? 若い人って誰? ひょっとして俺!?Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)」と 結局直登する羽目になりましたが… いつまで若者扱いなんだ(^-^; ただ最近は、例えば親子連れを追い越す時に、若いお母さんが子供さんに 「後ろから速い"お兄ちゃん"が来たから避けて」と言っているのが、果たしていつから 「後ろから速い"おじさん"が来たから避けて」になるのかとビクビクしているので(笑) そういう意味では、まだ若者扱いされているほうがマシなのかも知れませんけど。 11:35、そんなこんなで、あっさり安達太良山・山頂に辿り着きました。 ゴンドラ山頂駅から1時間16分の、のんびりハイキングでした。 ※混雑していたので、写真はやっつけ気味に… 安達太良山の上空には、「智恵子抄」でいうところの"ほんとの空"が広がっていました。 紅葉は残念でしたけど、やはり今日出てきたのは正解だったと思います。 山頂からほんの少し西に下ったところでお昼にしたんですが、こちらは風もほとんど吹いておらず 頭上の空は雲一つなく、太陽の日差しは暑くも寒くもない実に快適な環境で、気分爽快でした。 そんな山頂からのパノラマはこちら。 ICEが頑張って、北北東から北西まで300°以上の画像を見事に繋いでくれました。 クリックで拡大(6035*600 0.97MB 画面下スクロールバーで右方向へ) ■稜線は開放感で一杯 これで一応今日の目的は達成されました。 しかし、前々回の鳳凰三山は12時間、前回の女峰山は9時間ときて、今回の安達太良山が 2時間半というのはあまりにも物足りない感があります。(太平アルプスより短いし…) それに、ここからゴンドラ乗り場に戻ると、行きにも増して 大渋滞に辟易しながら歩くことになるでしょうから、それはちょっと避けたいです。 そこで帰路は、噴火口である沼ノ平方面に寄り道することにしました。 と言ってもあまり時間はありませんから、安達太良山から牛ノ背〜峰ノ辻を通り、 くろがね小屋には向かわずにそのまま下山することにしましょう。 ということで、まずは安達太良山から北、沼ノ平に向かって歩いていきます。 安達太良山は火山だけあって、稜線に出ると植生のほとんどない砂礫の中を歩くことになります。 富士山を除けば、これほど荒涼とした山を歩いた経験はありませんから、新鮮な眺めでした。 今日は快晴ということもあって、ここから牛ノ背、船明神山、鉄山などに向かうトレイルが 実に気持ち良さそうな道に見えます。 特に船明神山への稜線歩きは、アップダウンも少なく展望も良く あそこを歩くのはさぞかし楽しいだろうなと思ったものでした。 今日は時間がないのでスルーしちゃいますけど、個人的には稜線に出るまでの低木の間を登る道は 別にどうでもよくて、安達太良山のハイライトはこの稜線歩きだと思います。 ゴンドラで山頂まで行って、そのまま往路を辿るのはあまりにももったいないと感じました。 稜線一番の見所スポットと言っても過言ではない、牛ノ背に辿り着いたのが12:12。 眼下には沼ノ平の、月面かと思うような不思議な光景が広がっています。 上の写真だとスケール感が伝わらないので、こちらでもパノラマを撮ってみました。 船明神山から鉄山、矢筈森、これから向かう峰ノ辻、そして背後の安達太良山まで。 クリックで拡大(5981*600 2.13MB 画面下スクロールバーで右方向へ) あ〜、それにしても船明神山への稜線(画面左の三脚を立てている人がいる稜線) 歩いてみたいなぁ! 今年はもう厳しいので、来年にでももう一度訪れてみることにしようと思ったのでした。 ■馬車道か旧道か、それが問題だ さて、これで今日の見所は全て回り終わりました。 後は下山するのみ。時間に余裕がないので全速力で下山してしまいましょう。 下山ルートは先ほども書いた通り、牛ノ背から峰ノ辻を通り、くろがね小屋への分岐は無視して まっすぐ奥岳登山口(ゴンドラ山麓駅)方面に下りていくことになります。 峰ノ辻通過12:27。 登山道は、ここから少し先までが岩と土のミックス、後は土の道になります。 くろがね小屋からの下山道と合流するまでは、土砂の流出でえぐれてしまった狭い登山道を 延々と歩いていくことになります。 雨の後は泥濘化していて、ところどころ水たまりに踏み込まざるを得ない場所もありますので、 それなりの靴で来ることをお勧め。 くろがね小屋からの下山道と合流した後は道幅も広くなり歩きやすくなりますが、 やがて現れる「馬車道」と「旧道」の分岐でどちらを選択するかは悩みどころかも知れません。 (どちらを選んでも最終的に辿り着く場所は同じ) この二つの道は何度か合流を繰り返しますので、もっとも楽に歩くとしたら 最初の分岐では馬車道、合流したら以後は旧道、がベストでしょうか。 旧道の最初の部分は登山道の荒廃がひどいですし、逆に後半は、馬車道は遠回り過ぎで だいぶタイムロスをしてしまうことになります。もっとも登山道保護の観点で言うと 旧道はもう通行止めにしてしまった方がいいのかも知れませんけどね。 奥岳登山口到着、13:43。 牛ノ背を下り始めてから約1時間半。急いだ割には大して早くないような… ともかく、これで今日の登山は終了です。たまにはこういった軽いハイキングもいいですね。 最近はずっと(自分にとっては)ハードな山登りばっかりしていましたけど 別に僕はマゾじゃないので…(^-^; それと余談ですが、今回から遂にCW-X(エキスパート)を導入してみまして、 前回の女峰で痛めた膝が、下山中に痛くならなかったのは収穫でした。 この程度の距離では何とも言えませんけど、少しでも効果が出てくれることを 期待したいところです。 |