それではいよいよデッドニング作業を開始します。 まずはドアに貼ってある防水用ビニールを剥がします。 このビニールはブチルゴムでドアと接着されていますが ビニール自体は容易に剥がせるでしょう。 しかし、ビニールを剥がしてもドア側にブチルゴムは残ってしまいます。 制振材貼り付けの邪魔になるため、このブチルゴムをドアから剥がす必要があるのですが 粘着力が強力なため、この作業は非常に大変です。 経験者の意見を聞いてみると「冬に作業するべき」という意見がある一方 「夏に作業するべき」という意見もあり、二分されています。 僕の見解としては後者ですかね… 今回は冬(2月)に作業しましたけど 冬はブチルが固まっているので綺麗に剥がれる半面、剥がすのに非常にパワーが必要で プラスチックのヘラなんかでは役者不足なほど。とにかく疲れました。 逆に夏はプチルがやわらかいので、綺麗に剥がすのは難しくなりますが 反面、"だいたい剥がれた状態"にもっていくまでは容易だと思うんですよね。 ----- さて、苦節数時間、ようやくブチルも除去できましたので、次の工程に入ります。 次はドアのアウターパネルに制振材を貼り付けます。 ちなみに、車のデッドニングにおけるおなじみの制振材はレジェトレックスですけど、 レジェは一般的にブチルゴムによる貼り付けになるので、アウターパネルには使えません。 (ブチルゴムは耐熱温度が低いので、アウターパネルに貼ると熱で剥がれかねないため) そのため、エーモンのデッドニングキットにはアウターパネル用として 薄茶色の見慣れない制振材が入っていて、今回はこれを使用します。 制振材貼り付け後の画像はこうなりました。 まずは定石としてスピーカーの裏側に貼り付け、それ以外の部分は アウターパネルを叩いてみて、音が響いている部分を中心に貼りつけました。 なお、この制振材は量が限られていますので、左右のドア分をよく計算しないと 後から買い足す羽目になりますのでご注意を。 制振材を貼り付けたら、その上に吸音材を貼り付けます。 マニュアルにも書いてある通り、吸音材は保水性がありますので アウターパネルに直接張り付けてはいけません(錆びの原因になります)。 また、同様の理由でドアの底付近も避けた方がいいでしょう。 …これで、アウターパネル側の処理は完了です。 ----- それでは、続いてインナーパネル側の作業を開始します。 インナーパネルには上述の"レジェトレックス"の貼り付けを行います。 最初に防水ビニールを剥いでしまったため、今のインナーパネルは サービスホールが開いた状態で、このままだと雨水が車内に侵入しますよね。 そこで、全てのサービスホールをレジェトレックスで塞いでいきます。 また、サービスホール以外の部分も、叩いて音が響くところを中心に レジェを貼っていきましょう。 ※ちなみに、本格的なカーオーディオ屋さんなどに言わせれば こうしたサービスホール埋めをレジェでやっても意味がない(制振効果はない) ということで、確かにそれは僕ももっともだとは思います。 レジェはあくまで貼り付け元を制振するのであって、裏に何もないサービスホールに レジェを貼ったところで、何かが制振されるわけではないですよね。 ただ今回は素人のデッドニングもどきなので、そこまではこだわらないことにしましょう。 後は、インナーパネルのショルダー部(窓際)にエプトシーラーを貼りつけます。 これでデッドニング作業は一通り完了です。 ----- ということでデッドニングは終わりましたので、前回も書いた通り 続けてスピーカー交換作業に入ります。 (上の画像ではすでにスピーカーは取り外していますが) まず基本的にこの世代のトヨタ車のスピーカーはリベットで車体に止められているため スピーカーを外すには、まずドリルなどでリベットを破壊(汗)する必要があります。 リベットは固くないのでそれほど大変でもないと思いますが、力技でこじったりして インナーパネルを曲げたりしないように注意した方がいいでしょう。 ノーマルスピーカーが外せたら、次はいよいよ社外スピーカーの取り付けです。 なお、社外スピーカーを取り付けるにはインナーバッフルボードが必要なので (ノーマルスピーカーはインナーバッフルボード一体型) スピーカー交換の際には併せてインナーバッフルボードも準備しておく必要があります。 そこで今回用意したのが、carrozzeria(Pioneer)のUD-K101でした。 ※現在、レビン用のインナーバッフルボードで市販されているものはこれのみのようです。 ところが… このUD-K101は妙に剛性が低くて、手で簡単に曲がってしまうのです。 通常、インナーバッフルボードは剛性がキモだと思います。それなのにこの柔らかさは一体… 音響工学的に何か意味があってこの程度の合成にしているのかも知れませんが こちらとしては一抹の不安(というか不満)を感じずにはいられませんでした。 とはいえ、手元にこれしかない以上、選択肢はありませんので UD-K101を使用して、スピーカー(KFC-RS17)を取り付けます。 これで、後は内張りを元に戻せば作業はすべて完了です。 お疲れ様でした (´ー`)y-~~~ ----- <インプレッション> さてさて、作業も終わりましたので早速効果を確認してみましょう。 まず、第一目標の「ドア開閉音の改善」についてですが、 これはドアが重くなったこともあってか、かなり変わりました。 言葉で表現するのは難しいですけど、以前は軽自動車のような「バン!」という 開閉音だったのが、高級セダンのような「ドン!」といった重みのある音になりました。 これはとても気分がいいですね♪ ただ、まだどこか金属同士の干渉音がするので 後で調べて手を加えるつもりです。 次に、一般的にはこちらがメインであろう「カーオーディオの音質向上」ですが こちらは微妙な結果に… まず良い点から言うと、低音はノーマルスピーカーとは比較にならないほど厚みが出ました。 一時期はウーファーが欲しいな、なんて思ってましたけど もうウーファーは要らないと思うくらい。これは満足です。 しかし、中高音域は逆に解像度がかなり下がってしまって… このスピーカーは「リボルビング・ツィーターシステム」で高音の指向性を変えられる分 ノーマルスピーカーより大分有利なはずなんですが、なぜこんなことになったんだろう…? ちなみに2週間ほどエージングしたら多少ましになってきましたけど やっぱり音抜けが良くないです。仕方ないのでツィーターでも増設しましょうか… ※後日談ですが、別件で内装はがしをした時に、シートも外した状態で 車のフロアにじかに座って聴いてみたら、全く別次元に良い音で聴こえました。 中高音域の定位が低くて、シートに座った状態では耳まで届かないようです。 「リボルビング・ツィーターシステム」…役に立ってないな、これ(苦笑) >>PART3へ |