Trekking
篠井富山連峰   【栃木百名山】2015/05/03
栃木県宇都宮市 [561m(本山)]所要時間:3時間13分
消費カロリー:計測せず
意外と手強かった宇都宮アルプスGPSログ記録はこちら(別窓)

篠井連峰

■Introduction

アルプスと聞いて、まず思い浮かべるのは日本アルプス。

しかし日本各地には、それ以外にもご当地アルプスがあったりします。
ここ宇都宮市の篠井・富屋連峰もその一つ。
誰が呼んだか、山屋の間では「宇都宮アルプス」として知られているこの山々は、果たしてアルプスの名にふさわしいのでしょうか…?
今回はそれを試しに行ってみることにしました。



■今回は「篠井」だけ

今日の山旅の始まりはこちら、宇都宮市篠井町にある「うつのみや平成記念子どものもり公園」。

子どものもり公園

ここから時計回りに山々を辿っていくことになります。

なお、この篠井側から富屋側まで全山縦走してしまうと戻ってくるのが大変ですし、初見ですから無理は禁物。
今回は「篠井」部分である、榛名山、男山、本山、そして飯盛山を歩くことにしましょう。
8:54、駐車場を出発。



■いきなり手強いぞ、男山!

駐車場を出てすぐ、スロープを上った左手に「榛名山 男山」の標識があります。

登山道入口

これに従って、山道に分け入っていきます。

※ただ、これは下調べが足りなかった故の失策かも…
 ここで曲がらずに公園内を登っていくと、あずまやの先に榛名山への直登ルートがあります。
 直登なので急ですし岩場もあって少々きついルートではありますが、時間的にはだいぶ短くなるため
 体力に自信があるなら直登した方がよさそうだと思いました。


林道を行く

登山道は林道と交わりつつ、ゆるやかに高度を上げていきます。
この辺りは道標が充実しているので安心ですけど、作業道など登山道以外の道が多いので、できれば地図は用意しておきましょう。

登山道へ

林道と分かれると徐々に傾斜は大きくなり…

男山・榛名山分岐

やがて、男山と榛名山への分岐が現れます。

…ここで、またもや判断ミスをやらかしました。

今日は低山歩きということで計画をきちんと決めておらず、地図は持っているもののろくに見てもおらず、ルートが正確にイメージできていない状態での登山でした。
ネットで見た登山記ではみなさん悩んでいないようなので、榛名山、男山、本山、飯盛山は一筆書きのように歩けるものと思っていたのですが…

分岐イメージ

登った後での感覚では、この場所での位置関係は次のようになっています。(左下から登ってきた状態です)
あれ、一筆書きでは歩けませんね? (;・∀・)

男山側から登ってきたら榛名山は通らず、榛名山からなら男山は通りません。
そう、単に尾根だけを辿っていくとすべての山頂は踏めないのです。
これはこの後の本山も飯盛山も同じで、山頂には「寄り道」していく形になります。

この時はそれが分かっていなくて、単にどちらから廻るかだけの違いだろうと思っていました。
(なんていい加減な…)
なのでまず最初は男山を目指したのですが…

男山への急登

そこに待ち受けていたのは殺人的急登。

ううう、今思い起こしてもここはきつかった…

ハイキング道とはほど遠く、好事家の方に切り開かれたのではと思うようなまさに直登ルートです。
この辺りは広いし土だからただ辛いだけでしたが、後半は細い尾根の岩場になってちょっと緊張を強いられるところも。
本格的な山に比べれば危険度はほとんどないものの、このルートに初心者を連れてくるのは嫌だな、と思うような道でした。

上のイメージ図は距離感がいい加減なので遠回りに見えますけど、先に榛名山に向かうのが無難だと思います。

男山

男山着、9:47。
しょっぱなから予想外にハードな登山になりました(^-^;
なんか、思っていたより本格的かも。



■意外と人影は少なく

さて、気を取り直して榛名山に向かいましょう。
男山から本山方面に少し進み、榛名山への分岐に従って右手へ。

榛名山へ

厳しい登りは終わり、ここからは稜線のゆるやかなアップダウンを楽しめます。

道中では、新潟から訪問したというパーティとすれ違いました。
へえ、県外からも来るんだ、結構人気の山なのかな… と思ったのもつかの間、他には登山者の姿はほとんど見えません。
GWなので混み混みかと思いきや、意外なものですね。
皆さんこんな時は遠出してしまって、近場にはかえって来ないのかも。

榛名山

男山から榛名山への道のりは短いものでした。10:05、榛名山着。

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山頂で一休みしたら、さきほどの分岐まで戻って最高峰の本山へ向かいます。

本山への尾根から

この尾根歩きはなかなか爽快でした。
葉が茂りきっていないので適度に視界があり、市街地を見渡すこともできます。
木漏れ日と風のバランスも絶妙で、いい時期に来られたなぁ…と実感。

飯盛山へのメインルートを右手に見送ると傾斜が厳しくなりますが、頑張って60mほど登れば…

本山

そこが本日の最高峰、栃木百名山でもある本山です。(10:31)



■春の日差しに輝く

本山からは北方面に視界が開けています。

本山・山頂から北方面を望む
クリックで拡大(2403*600 818KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

今日登る山の中ではここが一番見晴らしがいいですね。
周囲に植生があるので、遮るもののない眺めというわけにはいきませんけど、低山でこれだけ周囲が見渡せれば文句なしです。
少し休んで、雰囲気を楽しんでいきましょう。

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山頂からの眺めを満喫したら、次はいよいよ最後の飯盛山へ。
ここからはまず150mほど下りていくことになります。

岩場の下り

道中には少し急な岩場の下りもあったり。
男山への登りでも思いましたが、この篠井連峰、意外に本格派ですね。
低山なので(県南の)大平山のような道だろうと想定していたんですけど、なめてかかるとちょっと驚くかも。
技術的に難しくはないものの、大平山が入門者向けだとしたらここは初心者向けだと言えるくらいレベル差がある印象でした。

飯盛山へ

下りきったところにある分岐から飯盛山方面に向かい…

最後の登り

本日最後の登りとなる飯盛山への急登に挑みます。
この100mほどの登りもなにげにハード。足下はザレなので滑らないように気を遣いながら登り切ると

飯盛山

はい、飯盛山・山頂に到着しました。(11:14)

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今日登った山の中で、唯一まったく展望がないのがこの山頂。
でも今日はここで終わりですし、周りには登山者の影もなく山頂を独占できていましたので、昼食休憩を兼ねてのんびりしていくことにしました。

飯盛山・山頂で一休み

ふと頭上を見上げれば、葉を透かした春の日差しが緑色の光になって降り注いでいます。
サワサワ…と風が木立をそよがす音を聞きながらこうしていると、ああ、今年も自分にとっての登山シーズンが始まったなと実感するのでした。


他の方の登山記を見ると、この宇都宮アルプスには冬に訪れる方が多いようです。
栃木の高い山は冬場は積雪で危険度が上がりますから、そんな時は低山で足慣らしを…というところでしょうか。
もちろんそれはいい判断だと思います。

でも自分としてはやっぱり、この山はこの時期に来たいなぁ…

茶色一色に塗りつぶされ、沈黙の中に沈んでいた冬枯れの季節から一転。
芽吹き始めた木々に囲まれていると、山は生きているんだということを確かに感じることができます。

ただこうして座っているだけでも、前に進むエネルギーを与えてくれるような新緑の季節。
この感覚を味わえなかったら、自分はたぶん登山を趣味にしていなかっただろうな、と思ったのでした。

子どものもりへ

結局誰も来なかったので、ずいぶんゆっくりしてしまいました。
この先に進むのは次の機会にして、今日は帰りましょう。

下山はまっすぐ子どものもりに向かいます。
こちらも何度か林道と交差しますが、そのたびに道標があるわけではないので、こちらから登ってくると道が分かりづらいかも?
このルートを周回するなら、今回のように時計回りで歩く方がおすすめです。

子どものもりに帰還

12:07、駐車場に帰還。
登山だけでなくバーベキューなどもできる公園だけあって、駐車場はすっかり満車になっていました。



3時間少々という短い行程にしては密度の濃かった今回の山歩き。
低山ということでもっとお気楽かと思っていましたが、意外や意外、それなりに歩きごたえのある面白い登山ができました。
アルプスの名を冠するのも納得… ちょっと大げさな気もしますけど、まあ納得かな(笑)
もっとも今日歩いたのは半分だけですし、富屋側まで縦走すれば体力的にはアルプス級になりそうです。

それにしても、この時期の低山歩きは気持ちいいですね(^-^)
昨日の鳴虫山に続いて、快適な登山ができて満足、満足。
真夏になれば暑くて歩けなくなりますから、今のうちにできるだけ多くの低山を巡っておこうと思ったのでした。

EXIT