Trekking
鳴虫山   【栃木百名山】2015/05/02
栃木県日光市 [1103m]所要時間:3時間29分
消費カロリー:計測せず
新緑を励みにアップダウンを行くGPSログ記録はこちら(別窓)

鳴虫山

■Introduction

花粉症の季節も終わった5月からが、いよいよ私の春山シーズンの始まりです。

今年は4月末の気温上昇により木々の芽生えが早まり、GWには標高1,000m前後までが新緑に覆われるようになりました。
しばらく山歩きはご無沙汰だったこともあり、まずは新緑を楽しみに低山からスタートしてみましょう。

ということで今回向かったのは、日光にある鳴虫山(なきむしやま)。
ちょっとしたハイキング気分でしたが、これが意外と歩きごたえのある山だったのでした。



■登山口はどこ?

鳴虫山の登山は周回コースを辿るのが一般的のようです。
どちら周りにするかはどこに車を停めるのかによるわけですが、二ヶ所ある登山口のうち、西側の登山口の駐車場(憾満ヶ淵の駐車場)は小さく、ここに登山者が停めっぱなしにすると観光客の迷惑になりそうなので、東側の登山口から時計回りに廻ることにしました。

日光総合支所

東側の登山口の近くにある日光総合支所に着いたのが8時。
GW中なのでこの時間には停められないかと思いましたが、まだ数台分の空きがありました。
ここは土日は無料開放されていて、トイレもあるので登山には便利ですね。

8:11、駐車場を出発。
ちなみに今日は登山靴を忘れるという、出だしから問題のあるスタートになりました(^-^;
まあ、ウォーキングシューズでも何とかなるか… 何とかなるよね?

志渡淵川

さて、歩き出したら歩き出したで、今度はどう行けば登山口にたどり着くのか分かりません(笑)
地形図しか持ってこなかったので市街地ではいまいち要領を得ず…

文章で説明するのは難しいため、GPSログを拡大してみてください。
聖アントニオ幼稚園を過ぎたところの四差路で直進しているのは間違いで、ここは左折するのが正解。
その先で志渡淵川の橋を渡ると、すぐ先の左手に登山口があります。(8:22)

登山口

なお、登山口はここより東に、少なくともあと二つはあるようです。
日光駅や消防本部方面から来た場合は、そちらの登山口から登ることになります。
そちらは案内看板が充実しているようで、迷うこともなさそうでした。



■下りは分岐に気をつけて

まずは杉林の中を登っていきます。

杉林の中

ちなみに、日光駅方面から登ると最初に「天王山神社」を通るのですが、その天王山神社はこの写真でいうと左上辺りにあります。
今登っているルートは神社を通らず、この坂を登り切ったところで神社方面からの登山道と合流するルートです。

そんな感じで、登る分には問題なくても、ここを下る場合はいわゆる「低山あるある」で、分岐が何度も現れます。
どこかの登山口に通じる分岐ならともかく、行き止まりや旧道だと困ることに。

分岐が複数あり

幸い、分岐には道標や、上の写真のように目印(左の赤印はルートを示し、右の倒木はルートでないことを示す)が多々ありますので、見落とさないように注意してください。

神ノ主山

尾根道をひたすら登って、最初のポイントである神ノ主山へ。(8:48)
(今日は思うところがありまして、というかこの靴で長時間行動するのが不安なので、飛ばし気味に歩いています。適切なタイムは例えば東武鉄道のこのページなどが参考になると思います)

日光市街を望む

ここは、木々に覆われた登山道を歩く今回の山行において、数少ない展望が開けた場所になります。
見えるのは北側だけなので大展望というわけではないですが、この先は山頂まで休憩適地がないため、ここで一息つくのもいいかもしれません。



■新緑のトンネルを抜けて

さて、続いては2km先にある鳴虫山の山頂を目指します。

自然林の光

登山道は尾根に沿って山頂まで続いていきます。

この登山道、南側斜面は人工林とおぼしき杉林が延々と広がっていて季節感も何もない反面、北側斜面は自然林のようで、新緑の輝きが目に鮮やかです。
例年のGWはここまで芽吹いてはいないようですから、今年はタイミング的にはラッキーだったと言えるでしょう。
さわやかな空気の中、清々しい気持ちで歩いていけます。

木の根に覆われた急登

ただ登山道そのものは、ハイキングコースにしてはいささかハード。
危険だったり難しい場所こそないものの、上の写真のような急登がいくどとなく行く手を阻みます。
また、こうした急登を登り終えるとしばらく下りになり、また急登…というようにアップダウンが激しいため、距離の割には疲れる道です。
ペース配分には気をつけていきましょう。

鳴虫山

9:43、鳴虫山・山頂に到着。
山頂は大勢の登山者で賑わっていました。



■こっちのルートはきついかも

山頂で食事をしながらしばし休憩。
この山頂は広いですが、ベンチなどは最小限しかないため、もし気になる方は敷物を用意した方がいいかも。

男体山

また、周囲が木立に囲まれているため展望は良くなく、木々の向こうに日光連山が見える程度です。
山頂の展望よりも、道中の花々を楽しむのがメインの山という印象でした。

階段

さて、今日は下山してからやりたいことがあるので、休憩は10分ほどで終了。
周回コースなので、下りは憾満ヶ淵を目指して北西に降りていきます。
下りはじめは急なので階段が整備されていました。

新緑の輝き

階段を下りた先はしばらくなだらかな道が続きます。
振り返ってみればこのように、そこに広がっているのはまさに春の彩り。

これぞ緑

この辺りは人工林がなく、周囲には広葉樹しかないため新緑が実に綺麗です。
この林などは、これを緑と言わずして何を緑と言うのか、というほどに原色の緑色。
生命の息吹が感じられるかのようでした。

急降下

ただ、この鳴虫山⇔憾満ヶ淵は、さきほど登ってきたルートよりも更に厳しいルートでした。
合峰から先は急降下の連続。
お助けループが随所に張ってあるのですが、確かにこれは初心者はロープに頼りたくなるよな…と思うような角度だったりします。

しかもアップダウンが多く、すれ違った登山者が「登ってるんだか降りてるんだか分からない」とこぼすほど。
全般的に急なので、こちらから登るのはあまりお勧めできなさそうでした。

綺麗な道を抜けて

最後は林道と出合いますが、登山道の標識に従って直進すると林を抜けて…

登山口(発電所)

憾満ヶ淵側の登山口(発電所横)に出ます。(11:09)
登山そのものはこれで終了です。お疲れさまでした(^-^)



■憾満ヶ淵を抜けて日光観光を

ここからは憾満ヶ淵を通って駐車場に戻ります。
日光宇都宮道路の下をくぐって右に進むと、左手に憾満ヶ淵への降り口があります。

憾満ヶ淵への降り口

※ちなみにただ帰るだけならここで憾満ヶ淵に降りずに直進してもいいのですが、結局は憾満ヶ淵の先で合流するのでショートカットにもならないため、どうせなら憾満ヶ淵に寄っていくことをお勧めします。

化地蔵

下ると、右手には化地蔵と呼ばれている多数のお地蔵様が並んでいて…

憾満ヶ淵

左手が憾満ヶ淵になります。
GWということもあってか、外国人観光客の姿が目立ちました。

ちなみに、ここから直接対岸には渡れません。
では正面右に見える見晴台のようなところにはどうやって行くのかというと… それは後ほど。

憾満ヶ淵
クリックで拡大(1024*680)

大谷川を渡る

憾満ヶ淵を抜け、市街地へ向かう橋の上から上流を望んで。
両岸の緑と、川面を吹き抜ける風が心地よく、少し立ち止まっていました。
今が一年で一番気持ちのいい季節かもしれません。今日ここに来たのは本当に正解でした。

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さて、今日はこの後に寄り道をしていくのですが、寄り道の話は後にすると、ここからは川沿いに歩いて120号線に出て、駐車場まで帰ることになります。

120号線

120号線沿いはさすがの混雑でした。
ちょっと不思議だったのは、お昼の時点で奥日光から日光市街に向かう車線が早くも混んでいたこと。
東照宮の辺りは道路の問題もあって普段からスムーズに流れないところですので、車で観光する方は時間に余裕を見ておいてください。

神橋
クリックで拡大(1024*680)

神橋を横目に駐車場へ。空が飛んじゃったのが残念ですけど、それにしても色鮮やかな景色でした。
やっぱり春はいいね!



■余談

登山の行程としては上記の通りですが、実際には憾満ヶ淵を抜けて大谷川を渡った後、日光植物園に寄り道しました。

田母沢御用邸記念公園

道中、田母沢御用邸記念公園の脇にて。
水の流れっていいですよね〜(^-^) こうして飛沫が日差しに輝いているのを見ると、何とも涼やかな気分になります。

日光植物園

憾満ヶ淵から20分少々で、目的の日光植物園(東京大学大学院 理学系研究科附属植物園日光分園)に到着。

日光植物園・園内

普段、植物にはあまり興味のない私。
しかし今日は鳴虫山が新緑真っ盛りなのを知って、この植物園もちょうど花のピークなのではと思ったのです。

日光植物園・園内

植物園というだけあって、広い敷地には山野草から水生植物まで、多種多様な草花・木々が植えられていました。
また、憾満ヶ淵の対岸から見えた見晴台のようなところにも、この植物園から行くことができます。

日光植物園・園内

広葉樹林が日差しを遮ってくれるため適度に涼しく、その中でツツジが咲き誇る様を見ていると、まるで先ほど登った鳴虫山の自然をこの敷地に凝縮したかのように感じます。
森林浴は人体のNK細胞を活性化させる身体に良い行為だそうです。たまには森林浴もしたいけど、登山まではちょっと…という方は、ぜひこちらで木々に触れてみてはいかがでしょうか。

EXIT