Trekking
金峰山   【日本百名山】2012/05/27
山梨県甲府市/長野県南佐久郡川上村 [2599m]所要時間:8時間11分
消費カロリー:計測せず
夏の気配はすぐそこにGPSログ記録はこちら(別窓)

山頂から五丈岩と南アルプスを望む

■Introduction

季節は春から夏に向けて、少しずつ、でも確実に変わりつつあります。
高山も場所によっては新緑に包まれてきました。

栃木の高い山はまだ残雪が多いので、どこか南の方の高い山にでも行こうかな…
ということで、今回は奥秩父の名峰・金峰山(きんぽうさん/きんぷさん)に足を運んでみました。

※今回はお散歩登山なので、レポートは軽めに行きます。



■ヘッデンでGO!

金峰山にもっとも早く登るコースは、大弛峠から尾根を西に辿るコースになります。
しかしそれでは運動量が物足りないですし、そもそも大弛峠に至る林道・川上牧丘線は
この時期はまだ冬季閉鎖中。
ということで、今回は瑞牆山荘から尾根を東に辿るコースを選びました。

-----

瑞牆山荘の正面を入ったところにある大駐車場に着いたのは1:45頃。
前日から山に入ったと思われる方々の車などでそれなりに埋まってはいますが、
それでもこの時間なら、まだ3割埋まっているかどうか、というところです。
(駐車場にはトイレはないですが、山荘まで戻れば外トイレを利用できます)

ちなみに、到着が早いのは、駐車場を確保したかったからではなくて、早く登って早く下山したいから。
というのも、帰りの中央道は混みますから… 登山で疲れるのは本望でも、渋滞で疲れるのはちょっとね。
ですので、できればお昼前に下山できるように、ヘッデン登山を敢行することにしたのでした。

登山口

2:18、瑞牆山荘の向かいにある登山口からスタート。
当然こんな時間から登りたがる物好きは自分たちだけなので、辺りは静まり返っています。
久々の夜間登山。たまにはこういうのも新鮮でいいですね。

…ただ、はじめてこのコースを登るのであれば、明るくなってからの方がいいかも…
人気の山ゆえなのか、登山道の分岐が非常に多いです。
たいていは少し登ると合流→また分岐→また合流…を繰り返すので、事前にそれを知っていれば
問題ないですけど、そうでないと、どっちに進むべきか悩むことに。
また、途中で左手に里宮神社への分岐がありますので、迷い込まないように注意が必要です。

富士見平小屋

富士見平小屋通過、3:04。
テン泊組の中にはもう起きだしている方もちらほらと。

なお、最初に説明していませんでしたが、今回のコースは
スタートの瑞牆山荘が標高1520m、金峰山・山頂が2599m、つまり標高差1079mを
水平距離6kmで登りきることになるという、それなりに体力勝負のコースになっています。
特に序盤は延々と登りが続きますので、ペース配分には気をつけてください。

大日小屋

大日小屋通過、3:51。
大日小屋に近づくと下り坂に転じますので、登りから解放されてほっと一息つけるようになります。
ただ、この辺りは周りに背の低い木が多いためか、登山道にクモの巣が張っていたり
毛虫が垂れ下がっていたりして、やたらと引っかかるのには閉口(^-^;

ストックがあれば、振り回しながら歩けばいいので助かるんですけどね。
先遣隊にはやはりそれなりの苦労があるのでした。

大日岩付近

…とまあ、写真がないこともあって、あっさりと大日岩(の下部)に到着。
時刻は4:34、そろそろヘッデンも不要な時間になりました。

なお、天気はご覧の通り…
駐車場についた時は満天の星空だったんですが、どうもガスがだいぶ沸いてしまっているようです。
う〜ん、今日は展望は期待できそうにないかも。



■そして稜線へ

大日岩の分岐を過ぎる頃には、朝日が差し込むようになってきました。

朝日が射してきた

ガスのおかげで光が分散されて、オレンジに染まる林。
まあ、これはこれで悪くないですね。

砂払ノ頭付近 凍結箇所

そしてこの頃から、徐々に残雪が目立つようになってきます。
最近は気温も高かったですし、登山道の雪もいい加減解けたかな…という希望的観測もむなしく
特に砂払ノ頭の直下にある残雪はカチコチに固まっていました。

場所を選べばツボ足でも歩けるレベルでしたが、一応軽アイゼンは持っていったほうがいいでしょうね。
大して重いものでもありませんし。

砂払ノ頭

そんなツルツル地帯を登り終えて、砂払ノ頭に着いたのは5:33。
そしてここからが今日のハイライトになります。なぜなら、ここが森林限界だから。
つまり…

南側は絶壁

展望キタ━━(゚∀゚)━━!

…と言うほどにはきていませんが(^-^;
ガスが沸いている上に大気自体もモヤっているようで、視界ははっきりしません。

でもまあ、道中で予想していたよりは酷くなく、これだけ見えていればむしろラッキーなのかも。

振り返れば瑞牆山

振り返れば瑞牆山も視界に。

なお、この稜線、南側(山梨側)は絶壁です。
ハイマツのおかげで恐怖感は少ないと思いますが、登山道が結構がけっぷちギリギリを通っていますので
風景に見とれて足を踏み外さないようにご注意を。

五丈岩が見えてきた

また、この時期はまだ至るところに残雪があり、朝は凍っています。
ただでさえ岩場なので両手も使うところに、氷がミックスされるとちょっとやっかい。
三点確保…というほど本格的な登りではないものの、登山初心者を連れて行く時は要注意です。
また、手袋があった方がいいですよ。寒いですし…(この時点で気温は5℃)

山頂広場

と、そんなこんなでちょっと苦労しながら登ること約50分で、山頂広場に到着。

金峰山・山頂

そしてすぐその先が、金峰山・山頂です(6:25)

金峰山小屋の泊り客はあらかた出発した後のようで、先にいた三人パーティが下山すると
山頂には自分たち以外、誰もいなくなりました。
こういう静かな山歩きができるのがヘッデン登山のメリットですね。
初めての山だと道が分かりにくいので、やたら時間がかかるというデメリットもありますが(^-^;

金峰山・山頂からのパノラマ
クリックで拡大(6687*600 934KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

山頂からの320°パノラマ。ガスガスですが雰囲気だけでも。



■緑を楽しみながら下山

しばらく人が来なかったこともあり、山頂で食事を兼ねて大休止。

五丈岩

ちなみに五丈岩は眺めただけ。登ろうという気は全然ありませんでした。
登るのはともかく、登ったら降りてこられなくなりそうですから…


さて、山頂も満喫しましたので、そろそろ下山することにします。7:06、下山開始。

今日は時間に余裕があれば瑞牆山にも足を伸ばす予定でしたけど、
下山が午後になってしまうため瑞牆山は見送り。
またいつか、空気の澄んだ日にリベンジすることにしましょう。

新緑の登山道

ということで、急ぐ必要もないためのんびり歩いていきます。
清々しい朝の樹林帯。新緑が目に鮮やかですね。

よくよく見てみれば、栃木の山とは植生が違っていて、あまり見ないタイプの樹林だったり。
こういうことにも興味を持っていけば、山歩きがまた一段と楽しくなるのかもしれません。

瑞牆山荘

登りとは打って変わって大勢の登山客とすれ違いながら、10:25、瑞牆山荘に帰還。

瑞牆山荘 大駐車場

駐車場は予想通り車で満杯。
幸いにして今日は路駐が出るほどではなかったようですが、いずれにしても早めの到着が無難ですね。

今日は8時間の登山でした。
のんびり歩いたので疲労感はさほどでもなく、久しぶりの山歩きとしては
ちょうどいい行程だったと思います。

登山コース上に技術的に難しい場所はありませんので、残雪が解けたら
登山初心者でも問題なく歩けるコースだと思います。森林限界の上は展望もいいですしね。
ただ、体力的には中級コースだと思いますので、厳しそうなら大弛峠から登るのもありかと。
それと、稜線ではくれぐれも滑落に注意してください。



■余談1

下山したらまずは温泉だぜ!

増富の湯

ということで、今回向かったのは瑞牆山荘から車で少し下ったところにある「増富の湯」。
ここは良かったですよ。施設自体は何か特筆するような特徴があるわけでもないんですけど
設備一つ一つが使いやすくて、居心地が良かったですね。
(ただ、時間帯によっては下山者が大挙して押しかけてくるので、修羅場になるかも…)

なお、この温泉はひとっぷろ浴びるか、というような軽めの温泉ではなく
ぬるめの温泉(25℃〜37℃)に長く浸かって体調を向上させましょう、というコンセプトのようなので
俺は熱い風呂じゃないと入った気がしないんだ!という方には向かないかもしれません。



■余談2

帰りがけに、道中にある「みずがき湖」に寄ってみました。
山頂のパノラマがもやもやだったので、代わりにこちらのパノラマを(^-^;

みずがき湖ビジターセンターよりみずがき湖を望む
クリックで拡大(2617*600 760KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

夏はもうすぐなんだな… 雲を見上げながら、そんな風に思ったのでした。

EXIT