Trekking
西鎌尾根2011/09/23-25
長野県松本市/大町市/岐阜県高山市 [3060m(槍ヶ岳山荘)]所要時間:16時間20分
消費カロリー:計測せず
あのトンガリを、もっと近くで見てみたいGPSログ記録はこちら(別窓)

槍ヶ岳

■Introduction

登山をしていて、遠くに北アルプスが見えた時に
たとえ山座同定に自信がなくても、確実にこの山だけは分かる、という山があります。
それが北アルプスのシンボル、槍ヶ岳。
この山が見えると、何となく嬉しくなる人も多いのではないでしょうか。

そんな槍ヶ岳を遠くから何度も見ていたら
いつしか、もっと近くから見たいと思うようになりました。
高所恐怖症なので穂先に登りたくはないけれど、せめて槍ヶ岳山荘までは行ってみたい…
ということで、秋分の日の三連休、西鎌尾根経由で槍ヶ岳を目指すことにしたのでした。

※2日目以降へのショートカットはこちら。

1日目 9/23(金) 【 新穂高温泉 → 双六小屋 】
2日目 9/24(土) 【 双六小屋 → 西鎌尾根 → 槍ヶ岳山荘 → 槍平小屋 】(前半)
2日目 9/24(土) 【 双六小屋 → 西鎌尾根 → 槍ヶ岳山荘 → 槍平小屋 】(後半)
3日目 9/25(日) 【 槍平小屋 → 新穂高温泉 】


※見出しの通り、今回、槍ヶ岳の穂先には登っていません。
 穂先の様子が知りたい方は、他の方の登山記をご参照ください。


1日目 9/23(金) 【 新穂高温泉 → 双六小屋 】

今回、出発してからも全体のルートをどうするかは決めかねていました。
決まっているのは、できるだけ混雑を避けたいので、表銀座からではなく新穂高温泉から登ること、
槍ヶ岳山荘に行くこと、そして、下山は膝の負担を考えて飛騨沢コースを使うということだけです。

で、理想を言うなら、1日目は南岳小屋でテントを張りたいというのが希望でした。
新穂高温泉から南岳まではコースタイム8時間35分という長丁場。
そのため、家を出るのは早くしないといけなかったのですが、連日の残業のため
先々週の仙丈ヶ岳の後片付けもろくにできていない→当然今日の準備もできていない、と
バタバタしているうちに、出発はずるずると遅れてしまい…
新穂高温泉に着いたのは、朝の5時半を過ぎた頃でした。

鍋平園地駐車場

無料駐車場は言うまでもなく満車です。
そのため、結局、また鍋平園地の駐車場に停める羽目に(6:20)
うっ、先月と同じ展開だ…

この時点で、もはや南岳ルートは無理になりました。
(Myルールでは、テン場には14:00までに着くべき)
そこで、今日は双六小屋に向かい、明日、西鎌尾根経由で槍ヶ岳山荘まで行くことに決定。

まあ正直、仕事と徹夜ドライブの疲れを引きずった状態で、南岳まで登れる自信はなくて…
一方、双六の方は、先月お世話になったばかりで、道を知っているという安心感があります。
初日からあまりハードな登山はやりたくないので、今日はのんびり行くことにしましょう。
6:40頃、駐車場を出発。



■暑かったり寒かったり

前回はここからロープウェイに乗りましたが、今日は時間に余裕がないこともあり
ロープウェイの始発を待っていられないので、歩いてバスターミナルに向かいます。

距離は少々あるものの、まあ、行きは下りなので楽ですよね。
下まで降りたら、ロックシェードの中を歩くのは危ないので、一旦無料駐車場に入り
駐車場の突き当たりから歩道を進みます。

新穂高温泉 バスターミナル

新穂高温泉のバスターミナル着、7:35。
空模様はまずまず。三連休は晴れ続きの予報…当たってほしいと願わずにはいられません。

前回と同じく、左俣林道を通って小池新道へ。

小池新道

行く手の曇りっぷりも前回と同じ。う〜ん不安だ(^-^;

それにしてもさすがは高所、9月末でも日差しは強烈です。
期待の風穴もこの時期には涸れてしまっています。こ、これは暑い!

秩父沢

秩父沢は涼を求める登山者でいっぱい。

それにしても、今日はテント泊装備の方が目立ちます。
前回は平日でしたからテン場が一杯になるようなことはありませんでしたけど、今日は不安。
少し急ぐことにしましょう。

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と言いつつ、そうそう急げるものでもなく(^-^;
例によってシシウドヶ原への急登では汗だく&バテバテで、後続にガンガン追い抜かれ、
更に、進めば進むほど視界は悪くなり、鏡平に着く頃には…

鏡平

やっぱりね(T▽T)

そして、ガスったらガスったで、今度は肌寒くなってきました。
鏡平山荘の前のテラスには、バーナーでお湯を沸かして暖をとっている人が大勢いましたけど
そんな事をしている余裕がない我々は、休憩もそこそこに出発。

弓折岳を巻いて

しかし、弓折乗越への登りで早くも体力の限界が(笑)
思えば前回はわさび平に泊まったわけで、やはり徹夜の長距離ドライブ+テン泊装備の状態で
双六まで一気に行くのは、僕にとっては少々厳しいようです。

最後の尾根は競争!

ただ、疲れているのは我々だけでもないようで、弓折乗越には倒れている登山者が数名(^-^;

そしてそんな他の方々を見ているうちに、気力だけは復活してきました。
ここから先にはハードな登りはありません。後は根性の勝負!

双六のテン場に到着

ということで、最後はもう半分駆け足でテン場へ(15:08)
(みんな同じ事を考えていたらしく、終盤はトレラン大会のような様相でした)

テン場の混みようはご覧の通り。
さすがに三連休だけあって、先月(お盆の平日)とは段違いでしたが
そうは言っても張るスペースはまだまだ残っており、狙い通りのポジションを確保できました。



■恐怖の夜

さて、それではテントを設営… ということで準備をしていると
これまでに増して寒く感じられるようになってきました。

風が強いからかな、と思いながらふと温度計を見ると、気温は1℃になっています。


1℃!? Σ(゚д゚lll) 1℃って何だ!? まだ3時だぞ!
下界は残暑なのに…

ここでボケッとしていたら疲労凍死しそうな勢いなので、フルスピードでテントを設営。
当然、今日の行動はこれで終了です。
双六小屋でカレーをいただいて(寒さのあまり、外のテーブルは自分たち以外無人でした)
今日はもう寝てしまうことにしましょう。


…そして、酷寒の夜がやってきました…

今夜が寒くなるのは事前に分かっていたため、ネックゲーターやゾウ足など、耐寒装備は万全。
上下とも化繊インサレーションを着込んだ上に、ウォームアップシーツ+U.L.S.S.#3と、
手持ちの装備を惜しみなく投入して、これなら…! と思いながら就寝。

で、どうにか寒さに耐えて寝つくことはできました。
でも、熟睡とはいかずに何度も目が覚め、そのたびに気温が着実に下がっているのを実感します。
風はいつまでも収まらず、テントの中は徐々に凍りついていき…
果たしてこのまま無事に朝を迎えられるのか、不安な時が流れていくのでした。

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