Trekking【日本百名山】
蓼科山2011/07/10
長野県茅野市/北佐久郡立科町 [2530m]所要時間:4時間8分
梅雨明け一発目は快晴の北八ヶ岳へGPSログ記録はこちら(別窓)

白樺湖より蓼科山を望む

■Introduction

2011年も待ちに待った梅雨明け宣言が発表されました。
これはさっそく夏山に…! というところですが、今年は震災の影響で春からほとんど登山をしていませんので、体力は落ちまくり、最初からハードな山に向かうのは無理があります。

そこで、最初はリハビリということで、蓼科山に向かうことにしました。
七合目駐車場からの登山なら標高差は630m、これなら今のヘタレな体力でも行けるでしょう。
更に、天気が良ければ、そのまま美ヶ原も制覇してしまおう、というプランを組んでみました。
一日に日本百名山のうち二山を回る贅沢プラン、果たして結果は…



■意外な急登

そんな訳で、まずは蓼科山に向かいます。
蓼科山への登山口は、大河原峠や女乃神茶屋など各方面から整備されていますが、今回はとにかく自分の体力がない&帰りに美ヶ原に寄りたい、ということで
最も北寄りにあり、かつコースタイムが最短になる「七合目」の登山口から登ることにしました。

蓼科山七合目駐車場・下

七合目駐車場に着いたのは7:40。何気に東京から北八ヶ岳って遠いんですよね…
北関東道が全線開通した今、栃木から北アに向かう方がむしろ楽になってしまいました。

※なお、中央道方面から来る時は、ルート沿いにある最後のコンビニは白樺湖畔の「ローソン白樺湖蓼科店」になりますが、このローソンは営業時間が7時から21時までです(2011/07/10現在)
つまり、早朝は閉まっています。正直これは予想外でした。
朝早くから登られる方は、市街地のコンビニで買い物を済ませておきましょう。


七合目登山口には駐車場が二ヶ所あり、ヤマケイアルペンガイド6「八ヶ岳」によれば、登山口に近い方の駐車場が約20台、そこから少し下の駐車場には約30台駐車可能とのこと。
今回は下の駐車場を通りがかった時点で既に5台駐車車両があった→上の駐車場は一杯であろうということで、下の駐車場に停めました。
僕が帰りに数えた限りでは、下の駐車場には35台前後停められそうです。

蓼科山七合目駐車場・上

こちら(上の写真の左奥)が上の駐車場で、右の鳥居が登山道入口です。
なお、下の駐車場は登山口からそれほど離れているわけではないので、上の駐車場を確保するために早朝に来る必要はないでしょうね。
登山口周辺には東屋とトイレがありました。

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それではいよいよ二ヶ月ぶりの登山の始まりです(7:45)
ここからはまず、蓼科山荘のある将軍平まで、樹林帯の中を登っていくことになります。

さて、ここが既に七合目ということもあって、このルートの登山道はバリエーションがありません。
将軍平までは樹林帯、将軍平からは岩場、という2パターンのみ。

樹林帯の登山道・前半

その樹林帯、最初の頃はこんな緩やかな上り坂です。
全般的に登山道は土より石が多いので、ソールの薄いシューズだと足の裏が痛くなるかも。

樹林帯の登山道・後半

登り進むにつれて、傾斜は徐々に厳しくなってきます。
登山道が直登気味で、GPS記録を見ると水平方向1kmに対して300m弱の登りですから、改めて考えると結構な急傾斜ですね。

登っていた当時は、しばらく運動してなくて体力がなかった&暑くてバテ気味、ということでペースが遅いのは自分のせいだと思っていたのですが、実は意外にキツイ登りだったようです。
そういえば、下山中にすれ違った人達もみんなきつそうだったかも。

将軍平・蓼科山荘

将軍平到着、8:51。
大河原峠方面からの登山道が合流して賑やかになる場所ですが、今は中途半端な時間なので静かでした。
そして、登山はここからが正念場。

登山道は岩場へ

ご覧の通り、岩だらけです。というか、岩登りですね。
両手両足でよじ登るところも多いので、それなりに体力を消耗しますし、時間もかかります。
蓼科山荘から山頂までの標高差はたったの170mなのに、コースタイム40分というのも納得。
混雑してくるともっと遅くなるでしょうから、時間には余裕を見ておきましょう。

なお、他の方のBlogなどを見ていると、高くて怖いといったような声もあるようですが、足を踏み外したら奈落の底、なんて場所はありませんし、将軍平まで転げ落ちるほどの傾斜があるわけでもなく、周囲は植生に囲まれていますので、僕としては高所恐怖症で苦労するようなことはありませんでした。

空が見えた!

それよりも見て下さい、この空の青といい植生の緑といい、コントラストの高いこと!
山頂近くになると樹林帯から抜けるので開放感は抜群、一年ぶりの夏山ということもあってテンション上がってきました。
最後の頃は勢いでガンガン登っていくと…

蓼科山・山頂

遂に山頂に到着です(9:30)
七合目登山口から1:45。弟単独だったらもっと早く登れたんでしょうけど、自分はバテバテでこれが精一杯でした。



■山頂は360°の大展望! でも、少々歩きにくい…

そんな山頂は視界を遮るもののない、期待通りの超・大展望が広がっていました。
ただ、この山頂はだだっ広いので、一つの場所から360°を見渡すことはできません。
例えば富士山の山頂から同時に南方面と北方面を見ることはできませんが、それと同じ感覚。
一度に見渡せるのは100°ちょっとの範囲といったところでしょうか。

そこでまずは、蓼科山頂ヒュッテの近くから、南八ヶ岳方面(南西)の展望をひとつ。

蓼科山・山頂より南東方面の展望
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雲が沸いて出てしまっていますが、ドピーカンよりもむしろ夏っぽくていいかも。
正面には横岳(北横岳)、そしてその右奥の南八ヶ岳の勇姿が目に飛び込んできます。
やっぱり南八ヶ岳の山容はそれなりに威厳がありますね。今年は向こうにも行ってみたいな。

さて、次は方位盤のある西側の展望を、と思うわけですが…
この山頂、広いだけならともかく、全て岩で構成されていますので、歩きにくいことこの上なく…
火山の山頂はこんなものとはいえ、例えば那須岳と比べると、岩の大きさは倍くらい。
変に足を踏み外したら、簡単にポッキリいきそうです。
そんな訳で、山頂の散策には結構神経を使うのでした。

少々苦労しながら辿り着いた西側の展望はこちら。

蓼科山・山頂より南西方面の展望
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北アルプスは雲の中ですが、それを差し引いてもこの展望、この開放感、素晴らしい(^-^)
少し早いですがここでお昼休憩にしました。
気温自体は25℃もありましたけど、風が吹き抜けるので何とも清々しい気分です。
寝不足もあって、もうここで昼寝したいくらい…

岩塊と夏の空
クリックで少し拡大(903*600 150KB)

でも、後ろを振り返ると、西側や北側からはだいぶ雲が立ち上ってきています。
このまま帰るならまだ余裕でも、この後に美ヶ原が控えていることを考えると、あまりのんびりとしてもいられません。
結局、30分ほどで山頂を後にしました。

下山は慎重に

帰路は予想通り、山頂→将軍平の岩場で渋滞が発生して時間がかかりましたが、そこから先は下り一辺倒なので体力的には楽勝。
11:43に七合目登山口に帰り着きました。これでまず今日の一山目は終了です。



■山の天気は移ろいやすくて

それでは、次の目的地である美ヶ原に向かいましょう。
道中で寄り道をしたり、飯を食ったりしていたので、山本小屋ふる里館に着いたのは13:50。

遠くから見た時から予想はしていましたが…

山本小屋ふる里館・駐車場

やっぱり美ヶ原は霧の中でした。
僕は美ヶ原には既に来たことがあるので、この天気ではもうテンションは下がりまくり。
ただ百名山ハンターの弟が行きたがったので、彼には一人で行ってもらって、自分はその後をのんびり散策していました。

美ヶ原は雲の中

でも、歩いているうちに周囲で雷鳴がとどろき始めて…
やがて雨も降ってくるに至って、弟も断念して撤退することに。
まあ、この天気じゃしょうがないよな、と思いながら駐車場に戻っていきます。

晴れてきた!

ところが…
駐車場に近づく頃になると雨は止み、薄日が差し始めて…
あれ?と思っているうちに霧は一気に晴れ、青空が広がり始めました。
山の天気は変わりやすいといいますが、この時は本当に激変でしたね。
少し晴れてきたかな?と思ってから10分もしないうちに、辺り一面すっかり夏の空になりました。

ただ、流石に今からもう一度歩いていく気力はなかったので、駐車場から5分で上がれる牛伏山で展望を満喫して、今日の山歩きは終了。

牛伏山からの展望
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こういう天気なら、歩いていても気分爽快でしょうね。いつかまた来る日を楽しみに。

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