Trekking
那須岳 (茶臼・朝日・三本槍)【日本百名山】 【栃木百名山】
2010/08/22
栃木県那須塩原市/那須郡那須町/福島県西白河郡西郷村 [1917m(三本槍岳)]所要時間:7時間1分
消費カロリー:3989kcal
茶臼から北温泉へ 夏の那須岳を一周してみようGPSログ記録はこちら(別窓)

赤面山分岐

■Introduction

8/21に、東京から来た某会社時代の先輩方と共に那須岳に行ってみました。
しかし道中で渋滞に巻き込まれ、結局、不本意ながら茶臼岳の途中までで引き返すことに…

どうしても茶臼に登りたいわけではなかったのですが、これだと中途半端でモヤモヤしますね。
そう言えば以前、冬の三本槍に登った時に、北温泉から三本槍、朝日、茶臼と周回していた人に
会ったことがあるなぁ、と思い出しまして、どうせだから僕も一度そのコースを歩いてみるか、と
思い立ったのでした。



■制限速度は守りましょう

さて、今日は夏休み真っ最中。
ここで北温泉から反時計回りに茶臼岳を目指すと、朝日・茶臼辺りで
ロープウェー組とバッティングして大変なことになりそうです。
そこで、茶臼から北温泉へ時計回りで回ることにしました。

ということで、早朝に家を出て、まずは峠の茶屋駐車場に向かいます。
今までの記録には書いていませんでしたが、峠の茶屋駐車場へは、那須インターを下りた後
17号をただ道なりに山に向かって走っていけばそのまま辿り着けます。
最後はちょっとワインディングになりますが、片道一車線が完全に確保されている舗装路なので
走行に不安は全くありません。
朝っぱらなら車もほとんど走っていませんし、快適な高原ドライブが楽しめるでしょう。

ただ、空いているからってあんまり飛ばさない方がいいですよ。なぜかはあえて書きませんが…
前を走っていたバイクの兄ちゃんが犠牲にならなかったら、あわや僕は免停(ry

峠の茶屋駐車場は意外と盛況

4:40、峠の茶屋駐車場に到着。
どうしたわけか、この時間でもずいぶん多くの車が停まっています。
紅葉の時期ならともかく、夏でも朝早くから登り始めたい人が多いんですね、ちょっとビックリ。
テントで泊まっている人もいました。いつも思うけど、あれ、車中泊の方が楽なんでは(^-^;

那須野ヶ原は雲海の下

空は快晴、眼下は雲海。よし、今日は一日天気には恵まれそうです。



■まずは足慣らしで茶臼岳へ

それでは、まずは茶臼岳を目指しましょう。5:17、行動開始。
最初のランドマークである峰の茶屋跡避難小屋までは、何度も来た道ですので不安はありません。
道標は完備されてますので、よほどガスがひどい時でもなければ
初めて来たとしても迷いようはないと思います。

早朝の空の下

気温は16℃辺りで、高原の空気が気持ちいいです。抜けるような青空でテンションも上昇(^-^)
駐車場から255mほどの登りで、標高1725mの峰の茶屋跡避難小屋に到着しました(5:53)

避難小屋から茶臼岳を望む

ここで、大半の人は朝日岳に向かって歩いていくようです。
まあ、わざわざこんな朝っぱらに来て、ロープウェーで登れる茶臼岳に向かうのは物好きですよね。
でもここで茶臼をスキップすると那須岳を周回したことにならないので、
ここはあえて茶臼の山頂を踏んでおきましょう。

峰の茶屋跡避難小屋から茶臼岳山頂まではガレ場が続きますが、風さえ強くなければ
歩きにくいというほどではありませんし、傾斜も大したことはありません。
今日は快晴微風で最高の展望とあって、もはや早朝散歩と言った趣です。

そんな感じで6:20、まずは最初のピークである茶臼岳に到着。

茶臼岳山頂

駐車場からここまで約1時間。これから北温泉まで周回することを考えれば妥当なペースでしょう。
前述した通り人はほとんどおらず、最終的には自分しかいない静かな山頂でのんびりできました。
(茶屋跡から山頂往復で、すれ違った人はたったの五人)

せっかくなのでパノラマを撮っておきましょう。ただ、夏真っ盛りだけあって空気は霞んでいて
今日のパノラマはどれもあまり綺麗じゃありませんから、期待しないで下さいm(__)m
まずは山頂から西方面のパノラマはこちら。

茶臼岳山頂より南−西−北方面を望む
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南方面に見えるのは南月山、白笹山、西北西方面(山頂の向こう側)に見えるのが大倉山、三倉山
そして北方面に見えるのが三本槍岳、朝日岳になります。
しかしこうしてみると、大峠から流石山への登りは半端ないな…
いつかここから三倉山まで歩いてみようと思ってるんですけど、あれの往復は結構厳しそうです。

そして、山頂から少し東に戻ったところからの、那須野ヶ原方面のパノラマがこちら。
こちら側は完全に雲海に埋め尽くされていました。

茶臼岳山頂直下より那須野ヶ原を望む
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■続いて朝日岳へ 果たして鎖場の程度は?

ひとしきり展望と雰囲気を満喫したら、峰の茶屋跡避難小屋に戻ります。

峰の茶屋跡避難小屋

避難小屋着6:58。それでは次の目標である朝日岳に向かいましょう。

ここから朝日岳への道は、今まで僕は歩いたことがないルートです。
(途中に鎖場があると聞いたので敬遠していたのでした)
果たしてどれほどのものなのか、少し不安を抱きながら歩いていきます。

剣が峰は東に巻く

まずは剣ヶ峰を巻いて。
ここのトラバース道は、積雪時に見ると「ねーよ!」と叫びたくなるような
滑ったら最後、下まで落ちていく恐怖のトラバースになりますが、
夏道ならご覧の通り、何の不安も感じさせないのんびりハイキングコースです。
ただ、ここから朝日の肩までは道幅があまり広くないので、混雑時にはすれ違いで難儀するかも。

茶臼岳からの道のりを振り返って

茶臼岳を振り返って。なんだかもうずいぶん遠くに見えますね。

さて、剣ヶ峰から朝日の肩までには、高所恐怖症持ちの僕が最も恐れていた鎖場がある…
…はずなのですが、というか確かに鎖場はありましたが…

これ、危険なのかなぁ。足下の整備が行き届いているので鎖に頼る必要がありませんし、
高度感もなく、たぶん落ちても死なないですよ。
この僕が一度たりとも鎖に触れなかったことが、怖くなさの何よりの証拠かと(^-^;

常念岳の「これ、落ちたら死ぬよね…」みたいなところは"危険箇所なし"で、ここは危険箇所って
なんか判断基準が違うような気がするのですが。これが北アと栃木の差なのだろうか…
まあ、常念とここじゃ登山者のレベルが違うので(ここは観光客も来ますし)、危険、危険と
言っておいた方が、事故防止の面では良いんでしょうけどね。

あ、それと、強風の時は確かに超危険箇所になるかも知れません。
もっともそんな時は、ここに来ること自体が無謀だと思いますけど。

朝日の肩(朝日岳の肩、とも)

朝日の肩着、7:27。太陽の下に見えているのが朝日岳山頂です。
ちなみに、三本槍岳はこの画像では左手方向なので、単に三本槍岳を目指すだけなら
朝日岳はスルーできます。
ただ、朝日岳はこの三つのピークの中で最も展望が良い(と個人的には思う)ので
時間に余裕があるなら寄っていきましょう。片道10分くらいですしね。

朝日岳山頂

こうして本日二つ目のピーク、朝日岳山頂に到着(7:36)

さすがにこの時間帯になると登山者も増えてきました。他のパーティの記念撮影をしたり
パノラマを撮ったりと、何気に多忙。天気が良いのでみんな楽しそうです。

山頂からのパノラマはこちら。(なぜか北方面しか撮っていませんでした)

朝日岳山頂より三本槍岳方面を望む
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今日はこの後、画像中央にある三本槍に登り、尾根沿いに画面右手に下りていくことになります。
画面右端の森の中にポツンと見えるマウントジーンズ山頂駅が遙か彼方に感じられますが…
まあ、見なかったことにしよう(^-^;



■ラストは三本槍、今度こそ晴れるかな?

さて、それではいよいよラストの三本槍岳目指して出発しましょう。

…と言っても、三本槍までは少々のアップダウンがあるだけで、特に朝日から向かう分には
特に厳しい登りなどはないんですよね。

清水平へ急降下

逆回りだと、清水平からのこの登りが多少厳しいかも。

本日最後の登りへ

清水平の辺りは雨が降ると泥だらけになって悲しい思いをしますが、今日の登山道は問題なし。
そんな訳で特に苦労することもなく(ただ、距離はそこそこありますけど)
後は目の前のこの登りさえクリアしてしまえば、一年ぶりの三本槍山頂です。
去年はガスガスで全く展望のなかった山頂、今回は期待できそうですが、果たして…!?

三本槍岳はいつ来てもガスの中

おいいいいいいいい!! (ノ`Д´)ノ彡┻━┻

またかよ…_| ̄|○ 他は晴れてるのになぁ。
ここも曇っている訳じゃないんですが、北西側からガスが間断なく上がってきて
視界が開けないんですよね。

山頂には他に二組ほどのパーティがいましたが、何と言うかただ黙々と食事をしています。
ちなみに山頂到着は8:40。朝日岳からは一時間弱の道のりでした。
さっきの活気にあふれた朝日岳山頂からたった一時間なのに、えらい違いだ…(^-^;

でもその分、周りに気を遣わずにゆっくりできるかも。この山頂が一番広いですしね。
ですので、早いですがここで昼食を兼ねて大休止することにしました。



■北温泉からの登り返しはきつかった!

20分ほど休んだおかげで体力回復。これで後はもう下るだけです。
(冷静に考えると下るだけじゃないんですが、この時はもう楽勝だと思っていた)

ところで、ガスガスの山頂から下りて中ノ大倉尾根に差し掛かる頃になると、直射日光が厳しく
さすがに夏らしい気温になってきました。
しかもこの日はどうしたわけか、水は少しでいいと思っていて
持参した水はハイドレの1L+駐車場でほとんど飲んでしまったペットボトル1本のみ。
この時点でペットボトルは空、ハイドレももうなくなりそうです。これはちょっとヤバイかも?

…なんてね。今日は秘密兵器があるのです。それがこちら↓

みっくちゅじゅーちゅ(サンガリア)

みっくちゅじゅーちゅ〜!(ドラえもんの声で)

磐梯山で熱中症で倒れかけた時に「氷晶 ポストニックアミノ」に救われて以来、夏の登山には
この手の凍らせられる飲み物を持ってくることにしました。
今回のみっくちゅじゅーちゅも事前に凍らせておいて、クーラーボックスで持参。
溶けかけのシャーペット状態で飲んだらこれがうまい!

しかもコイツは恐ろしいことに、100mLあたりのカロリーが何と60kcalもあります。
コーラも目じゃないですね。一本=300kcalは、もはや飲み物の領域を越えています。
大量にカロリーを消費する登山にはまさにうってつけでしょう。
(でも凍ってるから、身体が冷える分でだいぶ相殺される気もするけど…)

ともかく、これで水問題は解決です。

風が吹かない…

でも実際は、うめえ!とか言ってあっという間に飲み尽くしてしまい、
結局、最後の二時間くらいは水なしで歩く羽目になったんですけどね_| ̄|○
これはマジできつかった…

って、登山自体の話から逸脱してますね。まず中ノ大倉尾根については、以前の三本槍の記録にも
書いている通り、登り一辺倒(=今回は下り一辺倒)ではあるものの、急登と呼べるところは
ほとんどなく、整備もしっかりされていますし、一本道だから迷いようもない、と
登山としてはかなり楽なルートになります。見晴らしも良く、気分良く歩けるところです。

一方、マウントジーンズのゴンドラ山頂駅から北温泉まではというと、
こちらは完全な樹林帯の中の薄暗い山道である上に、中ノ大倉尾根のようなお散歩道ではなく
普通の登山道なので、木の根なども多く、あまり歩いていて楽しい区間ではありませんでした。
しかも(GPS記録はおかしくなってますが)こちらは結構な勾配なので、下りはともかく
登りで使うと辟易するかも知れません。

北温泉

そんな道でしたので、北温泉の建物が見えた時はホッとしたものです。
北温泉通過11:06。三本槍発が9:02なので、約2時間の行程でした。意外とここが疲れました。

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でも、今日の行程で最も疲れたのは、ここから峠の茶屋駐車場まででした。
まず北温泉から歩きだと、ボルケーノハイウェイまでがやたらに遠いです。
それに、ボルケーノハイウェイに出たら出たで…

駐車場ははるか上

う〜ん、分かってはいたけどやっぱり遠いなあ…(^-^;
中央に見える白い建物がロープウェー山麓駅、駐車場は更にその上です。
しかも、後で知ったことには、ここから那須自然研究路に出られるらしいのですが、この時は
大丸までボルケーノハイウェイを歩いて戻ったので、車が怖すぎ(車側から見ても怖いでしょうね)

大丸の県営駐車場着が11:39。ここで一旦休憩して、峠の茶屋駐車場には12:13に辿り着きました。

この時間の駐車場は激混み

朝、ここを出てから約7時間、19kmの行程がこれで終了。
天気にも恵まれましたし、なかなか歩き堪えのあるいいコースで、夏の那須岳を満喫できました。
やっぱり緑が豊かな時期は歩いていて楽しいですね!

今回のように周回にすると若干体力勝負の面が出てきますけど、
(道中ですれ違ったおばちゃんにコースを訊かれたので答えたら驚愕していました(笑))
茶臼〜三本槍の往復なら高低差もさほどでなく、風さえ強くなければ
初めての登山としてもぴったりのコースだと思います。
ただ、駐車場が足りないので、マイカー登山の時は早めに着くのを心がけましょう。



それでは最後に、恒例の(恒例なの!?)ソフトクリームコーナーです。
今日ご紹介するのは那須高原SA(上り)の、とちおとめミックスソフト(\380?)

とちおとめミックスソフト

※食べかけじゃないよ! 駐車場まで持ってくる間に溶けたの…

以前ここでミックスではないとちおとめソフトを食べた時は、とちおとめがふんだん過ぎて(?)
イチゴの酸味がかなり強く、甘みがかき消されている感があったので
今回はミックスにしてみたのですが、個人的にはやはりこちらが正解でした。
イチゴの酸味にソフトの甘みがうまくマッチしていてウマー!です。

EXIT