Trekking
太平山 - 大明神山 - 岩舟山   【栃木百名山】2009/12/19
栃木県栃木市/大平町/岩舟町
[419m (晃石山)]
所要時間:7時間5分
太平山発・周遊ロングコースGPSログ記録はこちら(別窓)>>

岩舟山 展望台

■Introduction

11月に入ってから始めた太平連峰(太平山〜晃石山〜馬不入山)ピストンも既に4回目。
馬不入山まで往復しても4時間強程度の行程に、だんだんもの足りなさを感じてきてしまいました。

そこで今回は、もう少し足を伸ばそうと思い立ちました。
「山歩き遊悠湯」さんを参照して検討してみたところ、馬不入山から西の大明神山に登り、
岩舟総合運動公園を経由して南下、岩舟山を登って馬不入山に戻る、という周回コースが組めるようです。
これなら水平距離で20kmオーバー、行程7時間前後、というそれなりに負荷の高い運動ができますね。
思い立ったら即実行、早速チャレンジしてみましょう。

※【栃木百名山】タグがついていますが、百名山なのはこの中で晃石山だけです。



■3℃の強風と引き替えにした澄み渡る空

いつもの通り、車は「あじさい坂駐車場」に停めました。9:44、駐車場を出発。
今日は行程が長いので、太平山登山にしては早い出発ですが、総行程を7時間と考えると
ちょっと余裕がないですね。多少、不安を抱えながら歩き出しました。
最悪、太平山の帰路はヘッドランプのお世話になるかも知れません。
太平山でヘッドランプかあ…通報されてもおかしくない(^^;

ちなみに、今日のようなシーズンオフ(もう紅葉も散ってしまいました)の場合は
謙信平の駐車場もガラガラですので、無駄に歩きたくない場合は謙信平に停めるのが無難です。
そちらにもトイレはありますしね。

さて、馬不入山までの行程は前回のレポートと同じですので省略しますが、
この日はかなり強い冬型の気圧配置だったおかげで、強風と引き替えに空気が澄んでいました。
おかげで遠景がクリアに見えましたので、太平山各所での展望画像だけをパノラマで載せておきますね。

まずは謙信平から。
前回は展望台はショートカットしていたので、今回はあじさい坂から太平少年自然の家を経由して
展望台を通ることにしました。

謙信平 展望台

謙信平展望台は、3階まで上れば樹木に遮られることのない展望が楽しめます。
目の前に広がるのは広大な関東平野。今日は富士山まで見えますね。

謙信平展望台から南方面を望む
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今日の目的地の一つである岩舟山も見えています(富士山の右下にある一際黒っぽい山)。
ちなみに岩舟山の向こう側に見えるのは、栃木百名山の一つである三毳山です。
200mちょっとしかない低山ですけど、ここから行ってみたら結構な運動になりそうですね。

<余談> この展望台は県南では数少ない夜景スポットでもありますが、展望台自体が木造のため
人が歩く程度で揺れてしまいますので、長時間露光で撮影するのは困難です。
夜景が撮りたい場合は、人がいないタイミングを狙いましょう。


続きましては、太平山神社の先にある展望台からの風景を。
…と言ってもいつもの通り、厳密には展望台からではなく、その上の登山道からの眺めです。
今日は茂木の高峯や雨巻山まで見えていますね(地平線上、画面右から三分の一辺りにある山塊)。

登山道から東方面を望む
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さて、どんどんいきますよ。
次は晃石山山頂から北西方面を見てみましょう。

晃石山山頂から北西方面を望む
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ここは刈り払いのおかげで那須から日光、足尾の山々を一望できる一大展望スポットになりましたが
今日の日光はあいにくの大荒れで、日光連山は雲に隠れてしまいました。
最近の日光連山は積雪で綺麗に見えるようになりましたから、写せなかったのはちょっと残念。



■寒さ対策は万全?

馬不入山

馬不入山到着11:47。ここから大明神山を目指すのですが、その前に…

先日、いつものように馬不入山までピストンした際、気温が8℃前後で、結構寒かったことがありました。
今日は寒波が来ていて気温が更に下がるであろうことが予想されましたから
先日と同じレイヤリングでは厳しそうです。そこで、2点ほど新しいウェアに変更しました。

・アンダーウェアを、ジオラインL.W.からM.W.へ
・トレッキングパンツを、ストレッチライトパンツからサウスリムパンツへ

実際、今日は家を出る時点で0℃、あじさい坂駐車場で3℃。
しかも強風が吹き付けていて、予想よりも相当寒いコンディションになりました。
そのため、歩き出すまでは、アンダーを変えたくらいで大丈夫なのかと不安でしたが…

ジオラインM.W.、暖かいですねこれ(^-^)
見た目的にはL.W.と大して変わらないんですけど、保温性は段違いです。
樹林帯の登りを歩いている時は、3℃ならむしろ暑いほど。
稜線で風に吹かれてちょうどいいくらいでした。

一方、サウスリムパンツの方は、考えていたほどには保温効果がありませんでした。
ストレッチライトパンツは防風性皆無の完全夏山用で、暑い時期には極めて快適な反面、
この時期に風に吹かれるとめっちゃ寒いのです。
そこで、オールシーズン用中厚手のこのサウスリムパンツに変えたわけですが、
防風性が劇的に向上したかと言えば、そうでもありませんでした。
下半身の防寒はアンダーを変更した方が効率が良さそうですね。



■未知の大明神山へ

話がそれました。では、大明神山に向かいましょう。
大明神山へは、馬不入山から林道の長坂峠を経由することになります。

上の写真でも分かる通り、馬不入山には長坂峠・大明神山方面を示す道標はありません。
ここから、岩舟駅とは反対側(関東ふれあいのみちの看板の向こう側)に向かって降りていきます。

ちなみに馬不入山は、桜峠から来るルート以外は結構な急勾配になっていまして、
この長坂峠への下りもかなりきつい下りになります。
下りだからまだ救いがありますけど、これが登りだったらきつそうだなぁ…
…と思っていたら、3名とすれ違いました。意外にメジャーなルートなのかも。

長坂峠へ

登山道は、太平山〜馬不入山の縦走道ほど踏まれているわけではないものの
比較的明瞭で、迷うことはないでしょう。
ただ、道幅は狭いので、夏になって周りの木々が伸びてくると難儀するかも知れません。

下りに下ること15分ほどで長坂峠に到着。

長坂峠

ここからが大明神山の登山道の始まりになります。画面右端に見える踏み跡が登山道入口ですね。

正直、この登山道は、僕の読図力では地形図上でイメージが掴めなかった上に
そもそもマイナーなルートなので、踏み込んでみるまでは少々不安があったのですが
いざ歩いてみると、案外踏み跡が明瞭で一安心。
馬不入山〜長坂峠の道よりもむしろ分かりやすいくらいでした。

大明神山への道標

初めての山では、こんな手作りの道標にもずいぶん勇気づけられるものですね。
尾根がはっきり分かるようになるとペースも上がり、左手に三谷へ下る道を見送って少し登ると
目の前が開けてきました。

大明神山・山頂

12:24、大明神山・山頂到着。

おー! なかなか雰囲気の良い山頂じゃないですか。
樹林の中の展望のない山頂をイメージしていたので、これはちょっと嬉しいです(^-^)
小さな木々に囲まれていますので、景色を見ながら座って休憩、というわけにはいきませんが
立ち上がってみればこの通り。

大明神山・山頂より
クリックで拡大(2858*600 859KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

辺りに人の姿はなく(というより、今、大明神山にいるのはたぶん僕だけ)
静かな山頂からの眺めを楽しみました。



■運動公園経由で岩舟山へ…でも道が分からない(><)

ここまでで、歩き始めてから2時間40分経過しています。お昼も食べていないし少し休みたいところですが、
帰路を考えると時間に猶予がないため、すぐに次の目的地である岩舟総合運動公園に向かうことに。

登山道は山頂で行き止まりですので、少し戻って先ほどの三谷への分岐を南に下っていきます。
途中にいくつか分岐がありますから、道標を見逃さないように。
最後、墓地(?)の分岐を左折してしばらく行くと、民家の裏手に出ますので、

運動公園まであと少し

この橋を渡って道路に降り、右に向かったところが岩舟総合運動公園です。

岩舟総合運動公園

ここはトイレあり、ベンチあり、水道あり(冬期は凍結防止のため使用できませんが)と
休憩にはうってつけです。
ちなみに敷地の中央には「遊楽々館(岩舟町健康福祉センター)」という施設がありまして
入浴施設が利用できますので、マイカーで岩舟山や馬不入山を周遊する時は、ここを起点にすると
山歩きで一汗かいた後にお風呂でさっぱりできていいかも知れませんね。
駐車場のキャパシティもかなりのものでしたから、通常は停められないことはないでしょう。

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さて、ここまではいいのですが…
地形図を印刷する時にミスがあって、ここから岩舟山への道が分かりません(^^;
位置関係から考えて南東に向かえばいいのは分かるんですけど…

GPS記録を見て頂ければ一目瞭然ですが、結局、市街地をぐるぐる回りながら
「大体あっちの方だろう」といった適当な感覚で歩いて行った結果、ずいぶん遠回りしてしまいました。
地図を見る限り、282号線から八幡宮神社への道が通れるのなら、そちらに向かった方が良さそうですね。

岩舟山の特異な山容

岩舟山が見えるところまで来れば、後は何とでもなります。
ちなみにこの画像で言うと山の右側から登り、左側の奥に抜けていくのが登山ルートです。

そんな訳で、時間がかかってしまいましたが、13:33、岩舟山参道(登山口)に到着しました。

岩舟山参道




■復路は階段、階段、また階段

参道の先から、山頂近くにある高勝寺までは、階段を延々と上っていくことになります。
今の足には階段はちょっときつい… でも、振り返るとどんどん視野が広がっていって
簡単に高度が稼げているのが分かるので、それが励みになります。

階段を上り終えたところにトイレと見晴台がありました。

岩舟山・見晴台より
クリックで拡大(1966*600 606KB 画面下スクロールバーで右方向へ)

岩舟山には展望ポイントがいくつかあり、ここからは南方面を眺めることが出来ます。
ちなみに右端の樹木の向こう側に見えているのが三毳山で、ここまで来るともうすぐ近くのように
見えるのですが、これでもここからまだ4kmほどあるようです。
でも、いつかは行ってみたいですね。

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岩舟山の山頂はここから三重塔を経由した先にあるそうなのですが、今日は時間がないので
山頂には向かわずに、そのまま高勝寺の前を通過して、裏側に降りてしまいましょう。
「太平山」という道標に従って進み、そのままつづら折りの舗装路を下っていきます。

しかし、この下り終えたところで、また道が分からなくなりました(><)
結局この時は間違わずに進めたのですが、平地に降りたら行き止まりで左折し、
そのまま緩やかに右に弧を描いている道を進んでいって、その突き当たりを再度左折する、という
ルートになります。
低山とは言え、地図はちゃんと持って行くべきですね。次からは横着しないようにします。

馬不入山まで2.0km

二度目の左折のところにはこの道標があり、これで一安心。
この後はもう、過剰なほどに道標がありますので道迷いはしないと思います。
ただ、この舗装路から途中で左方向の登山道に分岐するところだけは
道標がこちらを向いていないので見逃さないように。


さて、この時点で14:03。馬不入山から太平山神社まで2時間近くかかることを考えると、
暗くなる前に駐車場に帰り着けるか怪しくなってきました。
ということで、後はもうひたすら馬不入山目指して突き進むのみです。

ただ…
馬不入山から長坂峠に降りる時にも書きましたが、岩舟駅〜馬不入山の登りは
ちょっと馬鹿に出来ないレベルの急登になっていまして…
道はよく整備されてますので歩きにくくはないんですけど、
行きならともかく、帰りにこの登りはちょっと厳しかったですね。

そんなことで、息も絶え絶えになりつつ、何とか山頂に辿り着きました(14:49)

馬不入山山頂

普段の休日なら人が途切れることがあまりないこの山頂も、今は無人。
加えて言うと、馬不入山からの周回途中で会ったハイカーは
先ほども書いた馬不入山〜長坂峠での3名と
馬不入山への登り返し中にすれ違った8名ほどのパーティーだけで、
ここから太平山神社に帰るまでの間も晃石神社で1名に会っただけでした。

冬本番になると、さすがにこのコースも静かになりますね。
まあ今日は特別寒かったですし、時間も時間なので無理もないかも知れません。

ここまで来れば、後はいつもの慣れ親しんだ道になりますから、気楽なものです。
と言っても、距離だけ見れば長丁場でしたから、ペースは上がりませんでしたけど…
晃石神社15:44(山頂は巻き道通過でパス)→太平山山頂も巻き道通過で、太平山神社16:24。
あじさい坂駐車場着16:49と、真っ暗になる前にどうにか帰ることができました。

謙信平を通る頃にはもう夕景が撮れるほどでしたから、ギリギリでしたね。
一応、だいたい推定時間通りの行程ではあったんですけど、やはりこの時期の登山は
最悪でも15:00には下山しているように計画すべきだと思います。



ということで、全行程7時間、歩行距離24kmになった今回の登山。
マンネリ化しつつあった太平山登山にいい変化をもたらしてくれました。
下山後の筋肉痛が気持ちいいです(笑)

次は、今回は時間の都合でただ通過しただけになった岩舟山を、もう少し歩いてみたいですね。
それと、どうにか三毳山も行程に組み込めれば、より一層面白い山歩きになりそうです。
帰りの馬不入山の登りで挫折するかも知れませんけど(^^;

EXIT