Full Marathon
第1回 日光ハイウェイマラソン2014/11/29
(栃木県日光市)
行きはよいよい、帰りはこわい…GPSログ記録はこちら(別窓)

復路 今市IC

■Introduction

今年、栃木に新設されたフルマラソンの一つであるこの大会。
有料道路(日光宇都宮道路)を舞台とした珍しい大会なのでエントリーしてみました。
初回となる今回、運営面などに不安もありますし、コースも往路は激下り→帰路は激登りという厳しいものですが、果たしてどんな大会になるのでしょうか…



■あいにくの雨

大会当日は事前に危ぶまれていた通り、どうにも危なげな空模様。
夜が明けるにつれて雨が降り出してしまいました。

大会参加6戦目にして、ついに雨の中のマラソンか…

舞台は日光ですから相当寒いのが予想され、テンションが上がりません。
でも仕方ない、これも経験になるし… ということで東武線に乗り込みました。

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東武日光駅のホームに降り立つと、駅員さんと係員さんの案内でスムーズにバスに導かれます。
バスの台数も充分で待たされることもなく、おっ、第一回にしてはやるじゃん!という印象でした。

大会会場1

バスを降りて会場入り。

スタッフさんの案内で手荷物預け所である清滝体育館に入りました。
(全般的にスタッフの方の対応は良かったですが、特にこの案内のスタッフの方はとても頑張っていた印象でした。ありがとうございます)
荷物は入り口でビニール袋を受け取り、ゼッケン番号を書いて所定の場所に置いておくシステムです。
貴重品は預けられないので、各自で管理することになります。

外は雨なので、体育館や隣の休憩所の中は人でいっぱい。
今回は参加者が1,400人強でしたから何とかなりましたが、これが当初の予定通り5,000人だったら(もちろんそれなりの対応はとられたと思いますが)悲惨なことになったかもしれません(;・∀・)

大会会場2

そうこうしているうちにスタート時刻の9:30が近づいてきました。

皆さんがスタート位置に移動する中、ギリギリまで建物の軒下でねばります(^-^;
だって寒そうだし…

なお、この日は初の雨中マラソンということで、いわゆるゴミ袋カッパ(ゴミ袋に頭と腕が出る穴を開けたもの)を用意してきました。
雨はさほど冷たくはなかったですが、これがなかったら危なかったかも。

スタート地点

スタート10分前になって、ようやくスタート位置に移動。
事前申告の予想タイム順に並ぶようになっているため、安定の最後尾をゲットです。

やがて時刻になり、号砲(聞こえませんでしたが)と共にレースがスタートしました。
死の42.195kmの始まりです。果たしてどうなることやら。



■行きは楽だったな〜

ゲートをくぐるまでのタイムロスは2分30秒程度でした。
今回はネットの記録しか出ないのでグロスは関係ない…のですが、自分は関門にひっかかる可能性があるので、タイムはグロス基準で考えなければなりません。
(次回はグロスのタイムも記録してもらえるとありがたいです)

往路1

清滝のファミマ前の道路を走り、やがて日光宇都宮道路に入っていきます。
有料道を走っているという非日常感がちょっと楽しい(^-^)

往路2

2つのトンネルも走り抜けます。こんな体験はめったにできませんからね〜!
この途中でゲストランナーの谷川真理さんが戻ってきて、ハイタッチをしてくれました。

往路3

日光ICの料金所も通過。何とも不思議な気分です。
行きは下りですから疲れず、この辺りはかなり楽しく走れていました。

往路4・日光口PAエイド

10:31(1時間1分経過)、8.9km地点の第2エイドである日光口PAに到着。

エイドには水・ポカリの他にバナナと日光甚五郎煎餅が置いてありました。
今回の大会では公式には食事ができるエイドはこの日光口PAしかなく、ここを逃すと帰路の日光口PA(30.6km地点)まで食べ物を口にできないため、お煎餅もバナナもいただいていきます。

往路5

14km辺りで折り返してきた先頭ランナーとすれ違い、15〜16km辺りになると折り返しのランナーの数がだいぶ増えてきました。
向こうは登り坂なのですが、皆さんそんなことを感じさせない力強い走りで駆け抜けていきます。さすがですね。

この大会、コースは高速道路ですから沿道での応援はありません(できません)。
ただ、数は少ないものの、高架橋の上や近くの脇道、道路沿いのマンションなどから応援してくれる方々もいらっしゃいました。
雨の中で寒いでしょうに、ありがたいことです m(_ _)m

往路6

雨は断続的に降っていて、一時期はかなり強く降ったりもしていました。
ただゴミ袋カッパと帽子のおかげで走りには影響なし。

さて、折り返しの大沢ICまであと2kmです。
下りで快調に走れるのはそこまでで、後は登り坂ですが、どこまで走れるか…



■復路の22kmは死の行軍

11:43(2時間13分経過)、20km近くの大沢ICで折り返し。

大沢IC・折り返し

スタッフの方々や、ゆるキャラの日光仮面と(写っていませんが)KINUちゃん、雨の中ありがとうございます。

ここまではまあ、自分としては快調でした。疲労感もほとんどなし。

でも、それもそのはず。
スタートからここまではほぼ下り一辺倒で、しかも下ってきた高度は430m以上。
走っていて「こんなに下って大丈夫なのか…」と思うような坂を、ここからは登り返すことになります。

復路1

そして実際に登り返してみれば、やはりこれはきついの一言…

とにかく、ほとんどずっと登りです。
先ほどまでとは前に進むのに必要なパワーが段違い。ラップタイムもかなり落ちてきました。
しかもこの先も延々と登りが続くことが分かってしまっているため、精神的にも救いがないのが痛いです。
体力がどうこうという前に、精神力を試される展開になってしまいました。

大町の時は28kmから歩いたので、今日の目標は35kmまでは走ること。
でも登り坂に根性がどんどん削られ、32kmまでにするか、いや30kmまで、いや30kmは無理だろ… と目標を縮めていった結果、27kmで歩きに転じました。
お〜い、退化してどうすんの!(;・∀・)

(左の道路脇に、ランナーの移動に合わせて場所を変えて応援してくれた男性の方がいらっしゃったのですが、自分は計3回応援されたタイミングで全て歩いていたので、何だか申し訳ない気分になったり…w)

復路2

この頃になると周りの方々も疲れてきたのか、歩いている選手が目立つようになってきました。
30kmを過ぎる頃にはもはや走っている人の方が少ない状態に。
大町の時は、30kmではまだ周りの方々は走っていてガンガン抜かれたものですが、ここでは歩きでも前の方を抜いたりします。
過酷だ…

唯一良かったのは、ようやく雨が上がって景色が見えてきたこと。
正面、中央のピークは日本二百名山である女峰山。
いつも車でここを通るたびに、ここで女峰の写真を撮ってみたいと思っていたのでラッキーでした。

※余談ですが、この付近のエイドで日光銘菓「きぬの清流」が用意されていました。
(パンフレットには載っていなかったので急遽用意されたか、スタッフの方の機転?)
これが美味しかったんですよね〜! 山登りでもそうですが、疲れている時の食事(特に甘味)は普段の数割増しで美味しく感じるもの。
「きぬの清流ってこんなに美味しかったっけ!?」なんて声も聞こえましたし、帰りにおみやげに買って帰った方もいるようで宣伝効果としても良かったのではと思います。
これこそが地元コラボの最たるものではないでしょうか。次回も期待です。


復路3

さて、歩きでも何でもとにかくゴールはしたいもの。
ただ終盤は登りが更にきつくなり、特に日光ICを越えてからの急登は殺人的。
歩きでも決して楽ではないのです。というか、ただ歩くのがこんなに辛いとは…

残り時間を計算すると10分/kmより早く歩かないとやばそうなのに、なかなか10分/kmが切れません。
確か第7関門の制限が厳しめだったんですけど、何時に〆切なのかを忘れてしまい焦ってきました。

復路4

それでも何とか第7関門を突破し、39.5km地点の第8関門へ。
これでタイムはともかくゴールはできることになりました!

ちなみに第8関門のすぐ先にゴールがありますが、このままゴールインできるわけではなく、いったんゴールを通り過ぎて残りの2.695km分を稼いでくることになります。
自分は事前にコース図を見ていたので覚悟の上でしたが、まだゴールでないと知った周りのランナーから悲鳴が上がったりも(^-^;

復路5

しかもこのたった2.695kmが長いのなんの(><)
折り返しまではかなりの登りですから脚のダメージも大きいです。
周りのランナーも目が死んでいる方が多かったですが、5人に1人くらいは走っている方もいまして、その根性には脱帽。

自分はヘタレなのでただ惰性で歩き続けて、5時間48分でようやくゴール。
目標は達成できなかったけど、大町より5分ほどタイムは縮みましたから、まあ今回はこれでいいか…というところでした。

ゴール後は完走証と参加賞をいただき、体育館に戻って荷物を受け取って着替え。
帰りのバスはほとんど待たずに乗れて、日光を後にしました。



■大会を振り返って

まずはスタッフの皆様、雨の中大変お世話になりました。ありがとうございました。

大会全体として見ると良い大会だったのではないかと思います。
第一回といえば大会によっては阿鼻叫喚の渦になったという話もちらほら聞こえてくる中で、今回はかなりスムーズに運営されていたように感じました。
更衣テントや帰りのバスの中では、周りの方々から「来て良かったね」という話が何度か聞こえてきましたから、参加者からの評判も悪くなかったようです。
自分としても(雨でDNSせずに)参加して正解で、満足しています。

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ただ、自分はこのままでも来年も参加すると思いますが、「日光をランナーの聖地とする」というキャッチフレーズをただのかけ声で終わらせるのではなく、真に目指すところのものにするのであれば、変えていかなければならない部分も多々あるように感じました。

11月というマラソン真っ盛りのシーズンで、しかも栃木県内ですら11月の大田原(定員4,000人)、12月の佐野(2,000人)とはが路(2,000人)という3つのフルマラソンに挟まれている状況の中、日光に最多の5,000人も集めようというのは容易ではないことです。
RUNNETでも様々なご意見が挙がっていますが、距離表示やエイドの充実、グロスタイムや順位の記載はもとより、何を売りにするのかをもっと明瞭にした方がいいのではないでしょうか。
今は綺麗なパンフレットで人を呼び込み、ファンランが楽しめそうな雰囲気でありながら、実際には過酷なコースになっていてちぐはぐ感が否めません。

今のコースを来年も使用するのなら、タイムが出るコースではないのですから、嬬恋高原キャベツマラソンのようにあえて「厳しさ」をアピールするのも一つの手かもしれませんね。
日光はトレーニングに使用してもらって「あの日光の激坂を走りきったからこそ東京マラソンでこのタイムが出せたんだ!」というような、修行の舞台の代名詞にするとか。

もしくは、もっとファンランに寄せるのなら、コースは日光宇都宮道路にこだわり過ぎなくてもいいように思います。
今のコースだと『二社一寺』が全然活かされておらず、「日光に来たのに何も見ずに帰ってしまった…」という意見が出るのも仕方のないところでしょう。
121号線を止めると地域の方々が非常に困るので難しいと思いますが、もっと市街地を走らせた方が日光らしさが出せるのではないでしょうか。

また、今は競技種別がフルと「10kmのハイク」しかないのも惜しまれるところで、フルには出られないけど走りたい!という人がハイクの部門で走ることになってしまっています。
10kmやハーフも新設すると、より人を集めやすくなるように思いました。

「景色が綺麗だった」「空気が澄んでいて気持ちよかった」など好意的な意見も多くあり、大きな大会になるポテンシャルを秘めた地域ですので、今後も改善を重ねて栃木を代表する大会に発展していってくれればと思います。

EXIT